「立教大学と共愛学園前橋国際大学との相互協力・連携協定」を締結
立教大学 ✕ 共愛学園前橋国際大学
2026/10/30
トピックス
OVERVIEW
2026年9月7日、立教大学と共愛学園前橋国際大学は、教育、学術研究及び学生交流等における相互協力・連携に関する協定を締結しました。立教大学が採択された文部科学省「都市と地方の連携を通じた国内留学等の促進事業」の枠組みを活用し、両大学の学生による「共修」を通じて、前橋市をフィールドに、地域課題の解決や地域社会の発展に向けた取り組みを進めます。
今回の協定締結を記念して、共愛学園前橋国際大学での調印後に、立教大学の西原廉太総長、箕浦真生副総長、新田啓子副総長、共愛学園前橋国際大学の大森昭生学長、國領二郎副学長、後藤さゆり副学長が一堂に会し、都市部と地方の大学が連携する意義などについて語り合いました。司会進行は共愛学園前橋国際大学の村山賢哉デジタル共創学部長が務めました。
——はじめに西原総長と大森学長の対談を行います。テーマは「首都圏の大学と地方の大学が連携することの意義について、2040年を見据えた高等教育の将来像を踏まえながら」です。少子化や人口減少、産業構造の変化など、大学を取り巻く環境が大きく変わる中、今回の連携をどのような未来につなげていくことができるのか、考えをお聞かせください。
——はじめに西原総長と大森学長の対談を行います。テーマは「首都圏の大学と地方の大学が連携することの意義について、2040年を見据えた高等教育の将来像を踏まえながら」です。少子化や人口減少、産業構造の変化など、大学を取り巻く環境が大きく変わる中、今回の連携をどのような未来につなげていくことができるのか、考えをお聞かせください。
西原廉太立教大学総長
西原 地方の高等教育の活性化について、大森学長が先頭に立って尽力されています。文部科学省の中央教育審議会でのご活躍はもとより、全国の大学から講師として招かれていらっしゃいますね。私自身、キリスト教学校教育同盟の理事長を務めておりますが、加盟している中小規模の大学、特に地方の大学は厳しい状況に直面しています。日本の高等教育は、都市部の大学だけが生き残れば良いというものではありません。全国の地方大学には、その土地ならではのオンリーワンの素晴らしい教育を行っているところがたくさんあります。立教大学のような都市部の大学が、地方の大学の取り組みや経験から学ぶべきことは多くあります。今回の協定においても、共愛学園前橋国際大学や大森学長の教学マネジメントや教育改革の姿勢について、学びたいと考えています。
大森昭生共愛学園前橋国際大学学長
大森 教育界におけるターゲットイヤー(目標の達成年)は2040年と言われており、文部科学省は、2025年から2035年の10年間で日本の高等教育のあり方を整えようとしています。背景にあるのは、2035年から2040年にかけて18歳人口が大きく減少すること。それまでに手を打たなければ地方から大学が消滅してしまいかねません。地方から大学がなくなると、経済的な事情などで地元から離れられない学生たちが進学を断念せざるを得なくなり、日本全体の大学進学率や教育水準が下がってしまいます。各地にある高等教育機関は、日本の重要なインフラなのです。
そうした中で、都市部の大学のリソースを全国でシェアしていく必要があると考えていますが、都市部の大学が新たに地方に拠点を設けることは容易ではありません。だからこそ、地方の大学と都市部の大学がタッグを組むことで、リソースをシェアしやすい環境を作ることが重要になります。今回の両大学の取り組みは、連携のモデルを全国に示す先駆けになるのではないかと期待しています。本学の学生にとっても、地元にいながら立教大学の学生と一緒に学べる機会が得られるのは大きな魅力です。
そうした中で、都市部の大学のリソースを全国でシェアしていく必要があると考えていますが、都市部の大学が新たに地方に拠点を設けることは容易ではありません。だからこそ、地方の大学と都市部の大学がタッグを組むことで、リソースをシェアしやすい環境を作ることが重要になります。今回の両大学の取り組みは、連携のモデルを全国に示す先駆けになるのではないかと期待しています。本学の学生にとっても、地元にいながら立教大学の学生と一緒に学べる機会が得られるのは大きな魅力です。
——都市部の学生が地方で学び、地方の学生が都市部で学ぶということには、どのような意義があるとお考えでしょうか。
村山賢哉共愛学園前橋国際大学デジタル共創学部長
西原 都市部にある立教大学の学生は、キャンパスのあるエリアだけで生活が完結してしまい、世界が狭くなりがちです。にぎやかな都市環境に恵まれてはいますが、大学時代の4年間で自分の常識が揺さぶられるような「異文化体験」が重要だと考えています。都市部から離れたフィールドで人と出会い、多様な視座や「ものさし」を獲得することが大切です。AIがすぐに答えを出してくれる時代だからこそ、簡単に正解が出ない経験に時間をかけて向き合う機会を提供することが大学の役割です。立教の学生が前橋市を訪れ、現地の人々や学生、教員と出会い、議論を交わすことで、これまでにない新しい学びの可能性が生まれると確信しています。将来的には、共愛学園前橋国際大学の学生が立教に来て学んだり、双方が同じフィールドで異なる視点をぶつけ合ったりするような展開も期待しています。
大森 将来、社会や世界を引っ張っていくリーダーになる学生たちが、都市部だけの閉じた環境で学ぶのではなく、「地方の現実」を直接見て、熟考することは、社会全体にとってもプラスになると考えています。また、カリキュラムを通じて恒常的に立教の学生が前橋に足を運んでくれることで、地域の人々との間にも継続的な関係性が生まれ、「関係人口」の創出にもつながります。さらに、前橋のような地方都市はまさに「課題の宝庫」です。両大学の学生の学びの場として機能するだけでなく、地域にとってもプラスになる「三方良し」のプログラムを作ることが求められます。共愛学園前橋国際大学の学生にとっても、都市部の学生と切磋琢磨 することは大きな刺激となり、互いの成長につながるはずです。
——ここからは副総長・副学長が加わり、今回の連携への期待や今後の取り組みについて意見を交換したいと思います。
國領 私は慶應義塾大学のSFC(湘南藤沢キャンパス)に長年いましたが、共愛学園前橋国際大学の地域課題への取り組みには、日本を救うほどのインパクトがあると感じ、2026年4月に移籍しました。以前、慶應の学生と共愛学園前橋国際大学の学生を集めて合宿形式のプロジェクトを行ったことがあります。「最新デジタル技術を、どのように地域課題の解決に生かすか」というテーマで議論した時に、共愛の学生から出た課題が「運転代行」に関するものでした。地方都市ならではのトピックで、都市部から来た学生はピンときていませんでしたが、異なる生活環境の学生同士が対話して初めて見えてくる課題があります。前橋は人口約33万人の典型的な地方中核都市であり、人が暮らしているからこその「リアルな課題」がすぐそこに見えるフィールドなのです。
國領二郎共愛学園前橋国際大学副学長(右)、後藤さゆり同副学長
そうした中、産学連携のプロジェクト拠点として「デジタル共創研究センター」を2026年4月に立ち上げました。地域や世界のプレーヤーと協働してソリューションを提供する場ですが、群馬だからこそできる取り組みに手応えを感じています。例えば、一軒家を使ったスマートハウスの実験、電力をデジタルで制御して分け合う実験などは、都市部で行うよりもローコストで実施でき、地域コミュニティで助け合うモデルを作りやすい環境があります。こうしたプロジェクトに、立教の学生が参画してくれるのを歓迎しています。
箕浦 2026年4月、共愛学園前橋国際大学に新設されたデジタル共創学部の「他者と共にWell-Beingな社会を創造できる人材を輩出する」という方針に大変共感しました。立教大学でも「デジタル社会におけるWell-Beingの総合知による社会実装」という目標を掲げており、キリスト教の精神を基盤とする両大学が目指す方向性は一致しています。技術やデジタルはあくまで人の幸せのためにあるべきであり、この軸を共有しながら一緒に新しい学びを作り上げていきたいと考えています。
箕浦真生立教大学副総長(左)、新田啓子同副総長
新田 私は立教サービスラーニングセンターのセンター長を務めていますが、今回の前橋を拠点とした「デジタル×サービスラーニング」の試みには大きな可能性を感じています。従来の立教サービスラーニングは、多文化社会や環境問題といった倫理的な問いに向き合う側面が多くありました。前橋での取り組みは、地域社会の現場で課題を見出し、デジタル技術や知恵を結集して社会実装まで目指すという、新しい実践の場となります。文部科学省が提唱する「知的修羅場体験」、つまり「自分が当たり前と思っていた見方が通用しない」「一つの専門では答えが出ない」という環境に学生も教員も身を投じることは、大きなチャレンジです。教室での学問的知識と現場での体験を往還させながら、学生が「自分の中で何が始まり、どのような成長を遂げたのか」ということを実感できる授業カリキュラムを構築していきたいと思っています。
後藤 共愛学園前橋国際大学では、独自のポートフォリオシステム「KYOAI Career Gate(KCG)」を通じて学生の学びの蓄積と成長を可視化しています。大学教育における質保証はもちろん重要ですが、KCGを構築した時に意識したのは「学生が卒業後に豊かで幸せな人生を送るために何を学ぶか」という視点です。そうした中で、学生が地域に入り込み、地域の人々と深く関わり、課題解決に取り組みながら「自分とは何者なのか」「どう生きていくのか」という自身の生き方に向き合うことは、大きな学びになると考えています。都市部から来る立教の学生にとっても、地方の中核都市の生活に触れ、異なるバックグラウンドを持つ学生と議論を交わすことは、自分を見つめ直す機会になるでしょう。学生たちが自身のウェルビーイング、そして地域や世界の人々のウェルビーイングを考える機会になることを願っています。
——今回の対談・意見交換をふまえ、西原総長・大森学長から今後の期待についてお聞かせください。
西原 今回の協定は、学部間ではなく大学間の包括連携協定です。共愛学園前橋国際大学のデジタル共創学部と、本学の立教サービスラーニングを履修した学生による共同授業が中心となりますが、これはあくまで最初のステップに過ぎません。教職員の交流や、図書館の相互利用など、さまざまな可能性が広がると考えています。末永くこのつながりを深めていくことができればよいと考えます。
大森 今回の取り組みをきっかけに、その先にある大きな可能性を見据えていきたいと思います。本日、根底にあるキリスト教の精神や、「学生たちに成長してほしい」という意思を端々から感じました。この共通する気持ちがあれば、きっと良い関係性を築いていけると確信しています。
大森 今回の取り組みをきっかけに、その先にある大きな可能性を見据えていきたいと思います。本日、根底にあるキリスト教の精神や、「学生たちに成長してほしい」という意思を端々から感じました。この共通する気持ちがあれば、きっと良い関係性を築いていけると確信しています。
立教大学
【池袋キャンパス】東京都豊島区西池袋3-34-1
【新座キャンパス】埼玉県新座市北野1-2-26
【新座キャンパス】埼玉県新座市北野1-2-26
共愛学園前橋国際大学
群馬県前橋市小屋原町1154-4
※記事の内容は取材時点(2026年9月7日共愛学園前橋国際大学にて)のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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