新座市制施行55周年記念 特別鼎談

並木傑新座市長 × 大野元裕埼玉県知事 × 西原廉太立教大学総長

2025/12/03

トピックス

OVERVIEW

立教大学新座キャンパスのある新座市が、2025年で市制施行55周年を迎えたことを記念して、並木傑新座市長、大野元裕埼玉県知事、西原廉太立教大学総長による鼎談(ていだん)を行いました。本学は以前より、公開講座の企画・実施、地域課題解決のプロジェクト立ち上げ、地域ボランティア活動への参加など、幅広く新座市や埼玉県と連携しています。鼎談では地域連携の取り組みをはじめ、今後のまちづくりにおける大学の役割や展望について語り合いました。

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新座市制施行55周年記念 特別鼎談番組動画

※鼎談の司会は、塚田舞テレビ埼玉アナウンサーが務めました。

塚田 並木市長。市政施行から55年を迎えたお気持ちをお聞かせください。

並木傑新座市長

並木 先人の皆さま、市民の皆さまのご協力をいただき、55周年の記念の年を迎えることができました。1955年に大和田町と片山村が合併し、新座町が施行されました。それから15年後、1970年に新座市が誕生したのです。皆さまとともに、この55周年を祝いたいと思っています。
塚田 大野知事から見て、新座市の特徴や魅力はどのようなところにあると思いますか?

大野元裕埼玉県知事

大野 新座市は、東武東上線志木駅から池袋駅まで急行で約20分と、都心へのアクセスが極めて良い場所にありながら、四季折々の自然の風景が楽しめる、バランスのとれた街です。埼玉県にとっても、大変有望な街だと思っています。立教大学をはじめ新座市に拠点を構える3つの大学※1が市民の方々に生涯学習の場を提供するなど、地域の活性化や文化の発展にも貢献されています。新座市は学びと自然が共存する、理想的な環境を有する市だと考えています。

※1 新座市内に拠点を構える3大学。立教大学、十文字学園女子大学、跡見学園女子大学。
塚田 立教学院は昨年、創立150周年という節目を迎えました。長い歴史の中で培われてきた伝統と教育理念は、今もなお地域社会と深く結びつきながら、発展を続けていると思います。西原総長、創立150周年を迎えたお気持ちをお聞かせください。

西原廉太立教大学総長

西原 さまざまな方々のご支援、そして何よりも埼玉県・新座市をはじめ地域の皆さまとのつながりがあってこその150周年だと考えています。立教大学は、ともすると池袋のイメージが強いですが、新座での歴史も長いものがあります。1955年に施行された新座町の初代町長である並木庄兵衛さんは、並木市長のご親族にあたります。その並木町長の最初の公約の一つが、立教学院の誘致でした。そして、1958年に東武鉄道が所有されていた土地を、寄付していただくことができたのです。
塚田 立教大学と新座市との地域連携について、具体的な活動内容や今後への期待をお聞かせください。

並木 立教大学と新座市は包括連携協定を結んでいます。新座市の審議会や協議会において、福祉、環境、教育、まちづくりなど、あらゆる分野で立教大学の先生方、学生の皆さんに参画、計画・事業への協力をお願いしています。また、新座市最大のお祭り「大江戸新座祭り」では、体育会野球部の皆さんが阿波踊りで盛り上げたり、学生ボランティアとしてサポートしてもらったりしています。今回の鼎談が行われている9号館には、市民が交流できるスペースもあるということで、大いに期待しています。

西原 「にいざプラスカレッジ」という市民の方向けの教養講座を、新座市と連携しながら、新座市内の3大学が協働で行っています。また、立教大学では新座市の小学生を対象にして、自然観察教室、防災体験教室、スポーツ教室なども開催しています。とりわけ大事にしている事業の一つが、新座市が主催する「アスポート学習支援事業」です。生活が困窮している家庭のお子さんを対象とした、高校進学のための学習教室を新座キャンパスで行っており、本学学生もボランティアで参加しています。ほかにも体育会陸上競技部男子駅伝チームが新座市の交通安全運動応援サポーターを務めたり、「新座市ロードレース大会」のゲストランナーにご招待いただいたりと、新座市のイベントに積極的にお声がけいただき、うれしく思っています。

塚田舞テレビ埼玉アナウンサー

塚田 立教大学は、新座市だけではなく、埼玉県ともさまざまな取り組みを行っていると伺っています。

西原 2023年度から、立教大学の学生と大野知事の意見交換会として、政策提言の機会があります。この取り組みがきっかけで、昨年は新座キャンパスで防災イベントを実施することができました。お忙しい中、大野知事には何度も新座キャンパスに足を運んでいただいますが、学生たちが一生懸命に考えた政策に対して、またご意見を拝聴できればと思います。
塚田 学生と地域をつなぐ取り組みを、大野知事としては今後どのように発展させたいですか?

大野 時として県政は、県民から遠いとも言われます。そうした中で、立教大学の学生との意見交換会は、若者の感性を県政に生かすとともに、学生の皆さんに生きた学習の場を提供する、この両方を目的としています。私自身も楽しみですし、県と大学が幅広い分野で連携を深めることは、地域にとっても意義深いと思っています。今後も豊かな地域社会の形成につなげていきたいと考えています。


塚田 立教大学観光学部の学生が、埼玉県の観光を活性化させるための取り組みも行っていますね。埼玉県内のまち歩きマップを作成する「ぶらってプロジェクト」では新座市版もあると思いますが、並木市長はどのようにご覧になっていますか?
並木 2018年に新座市版を作っていただきました。普段は気にかけなかったところに「こんなお店があったのか」といった発見があり、これも立教大学の皆さんの力だと思います。「ぶらってプロジェクト」のほかにも「トラベルライティングアワード新座賞」という、新座市内にある3大学の学生を対象に、新座市の観光スポットなどに関する紀行文を表彰する取り組みも行っています。昨年は立教大学の学生が大賞を受賞しました。
塚田 今後の地域連携の展望についてお聞かせください。

西原 現在、埼玉県私立大学連絡協議会の会長を務めています。新座キャンパスがある新座市との連携はもちろん、埼玉県にある大学として、これからも地域社会に貢献し、また、地域社会の中で学生たちを育てていきたいと考えています。

並木 「新座市に住んでみたい、ずっと住み続けたい」と思えるよう、さらに新座市の魅力を発信し、今後も大野知事、西原総長と連携しながら、市民の皆さまに幸せだと思っていただけるまちづくりを進めていきたいと思います。

大野 大学は、地域における知と人財の集積拠点、まさに財産です。立教大学の新座キャンパスでは、観光、福祉、心や身体の健康といった領域学部があり、埼玉県としても大きな課題となっている重要な分野について研究を進められています。今後も県、あるいは市と連携を深めながら、課題解決にご協力をいただきたいと思います。

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