『社会を知る講座~フェムテックが切り開く、新しい市場と“誰もが働きやすい社会”~』を開催
キャリアセンター
2025/11/28
キャリアの立教
OVERVIEW
立教大学キャリアセンターは、2025年10月22日(水)に『社会を知る講座~フェムテックが切り開く、新しい市場と“誰もが働きやすい社会”~』を開催しました。『社会を知る講座』は、ビジネス社会で起こっている変化やこれからの働き方をテーマに、その第一線で活躍する社会人から話を聞けるスペシャルプログラムです。
『キャリアの立教』ならではのプログラム!「社会を知る講座」とは?
今年のテーマは『フェムテック』!
プログラム内容を一部紹介
「フェムテックという言葉は2016年に誕生し、日本では2020年ごろから広がりを見せました。それは、これまで軽視されがちだった、世界人口の半分を占める女性たちの心と体の健康課題を、テクノロジーの力で“見える化”しようとする新しい動きであり、現在では、年平均成長率(CAGR)8.8〜14%という勢いで拡大を続けています。また、「FireBand(生理前・更年期の不調を和らげる脳刺激デバイス)」や「kegg(おりものから“妊娠しやすい時期”がわかる妊活デバイス)」など、世界ではさまざまなフェムテック製品が開発されています。一方で、フェムテック領域は社会実装に苦戦している側面もあり、製品が市場や消費者に届かない“アクセスギャップ”が存在します。今後もfermataは、課題を事業機会に転換する“橋渡し役”として、潜在ニーズのキャピタライゼーション(新しい経済圏)を創っていきます。」
「『ルナルナ オフィス』とは、産婦人科に特化したオンライン診療サービス『ルナルナ オンライン診療』を活用し、女性の健康課題の実態調査から、啓発、課題の改善、効果検証までを一気通貫でサポートする法人向けサービスで、女性従業員の比率に関係なく、さまざまな業種・規模の企業で導入が進んでいます。女性特有の健康課題は、労働生産性の低下や離職、キャリア形成の阻害要因となり、企業の損失を生んでいると推察されています。そんな中で、『ルナルナ オフィス』を導入した企業では、月経で約75%、更年期で約85%の労働損失削減が試算上期待できるという事例もあります。普及に向けた新たな取り組みとしては、生理痛疑似体験研修を実施するなど、「性差に基づく健康課題」の相互理解を深める活動も行っています。」
「『ソフィ』ブランドは、従来の「生理ケア」ブランドから「ウェルネスケア」ブランドへと進化しており、商品・サービスを通じて、女性の一生をトータルサポートすることを目指しています。2024年には、ホルモンと体調の関係がわかる生理管理アプリ『ソフィBe』を新たにリリースし、フェムテック領域にも力を入れています。『ソフィBe』では、ホルモンの波をグラフで示すことでホルモンと体調の関係を可視化。これにより、生理日管理はもちろん、ホルモンの波と体調の変化に気付くことができ、生理日だけでなくその前後の不調にも気付くことができます。また、AIチャット機能や妊活モードも搭載しており、専門的な相談や、妊活タイミングをパートナーとシェアすることも可能となっています。」
Q&Aセッションの様子
【Q&Aセッションでの質問(抜粋)】
- 格差社会が広がっている中で、フェムテック製品は富裕層が手に取りやすいもののように感じてしまうのですが、どのように考えますか?
- 市場が若くスタートアップ企業も多いフェムテック市場において、ユニ・チャームのような大手企業が果たすべき役割は、どのようなものだと考えますか?
- 海外ではLIFEMのような企業を通じたサービス提供(オンライン診療など)は多く行われているのでしょうか?それとも日本特有のビジネスモデルなのでしょうか?
- 日本の「性」に関する話題は非常に閉鎖的なように見受けられます。アメリカ、アフリカなどの世界では、性の話題に関する姿勢はどのように日本と違うのか教えていただきたいです。
参加満足度は【100%】!
学年を問わず多くの学生が参加しました
※5段階評価で5と4を選択した学生の割合
登壇したゲストからのコメント
杉本亜美奈氏
fermata株式会社代表取締役CEO
立教大学の皆さんのまっすぐな視線と率直な質問に、とても刺激を受けました。社会課題を自分ごととして考え、行動に移そうとする姿勢に、次の時代を担う力強さを感じました。フェムテックやヘルスケアといった分野は、まだ答えが決まっていない“これからの市場”です。だからこそ、自分の感性や経験を信じて、一歩を踏み出す勇気が大切です。立教生の皆さんが、優しさと情熱をもって社会を動かす“優しい革命家”になっていくことを心から応援しています。
菅原誠太郎氏
株式会社LIFEM代表取締役
この度は貴重な機会を頂きまして、誠にありがとうございました。平日の夕方にもかかわらず、学生の方々が熱心に聴いてくれている姿を見て、非常にうれしかったです。フェムテックという分野は、単に女性の健康を支えるだけでなく、社会全体の生産性を高めたり、働きやすい風土を作れる可能性を秘めていると思います。このように、自分で何か課題を見つけ取り組んでみるというキャリアも面白いかなと思います。いろんな経験をして刺激を受けてたくさん学んでください。また、どこかでお会いできることを楽しみにしております!
伊藤元彦氏
ユニ・チャーム株式会社GlobalMarketingCommunication本部
Love Your Possibilities広報部
この度は、貴重な機会をいただきありがとうございました。まだまだ新しい「フェムテック」という領域に、これからの時代を担う学生の皆さまが関心を持っていただけていること、卒業生として大変頼もしく感じました。繰り返しにはなりますが、一つの領域にこだわっていくと、結果的に自分が思っている以上に、誰かの・何かの役に立つことが社会には多くあります。ぜひ皆さんの唯一無二の強みを伸ばして、ご自身が成し遂げたいことを突き詰めていってください。貴重な学生生活の中で、偶然だとしても、自ら選択して学んでいったことは、必ず将来の役に立ちます。皆さまのこれからのご活躍を心から期待しております。ありがとうございました!
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
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