「大学生と埼玉県議会議員との意見交換会」開催レポート

コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科

2024/11/27

立教生のキャンパスライフ

OVERVIEW

2024年10月11日(金)に実施した「大学生と埼玉県議会議員との意見交換会」では、コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科・濵田江里子ゼミの学生9名が「若者と政治の距離をどう縮めるか、若者の政治離れ」をテーマとするディスカッションに参加しました。埼玉大、および獨協大を含む学生18名、県議10名と熱気を帯びた意見交換会となりました。埼玉県議会議事堂での当日の様子を報告します。

学生と県議がグループに分かれてディスカッション

学生主体で深まる議論

大学生18名と県議10名が意見交換会に参加

意見交換会終了後に議長席を見学

参加した濵田江里子ゼミの学生

コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科3年次
堀江 今織さん
埼玉県議会議員との意見交換会に参加することが決定してから、ゼミで事前学習を進めてきました。自分達のグループに参加する議員について調べたり、若者の政治離れがなぜ起きているのか、なくすためにはどんなことが必要かをグループごとに議論して、発表したりしました。事前学習で他のグループの発表から得た知識を意見交換会の場で発表したりでき、議論をより効果的なものにできたと思います。

意見交換会ではまず、若者の政治に対するイメージやなぜ若者の政治離れが起きているのかについて話し合いました。私は若者の政治離れが起きている理由として、若者は他の世代よりも政治と日々の生活のつながりを感じにくいということをあげました。社会人になったり、子どもが生まれたりすれば、税金や子育てに関する政策から自分の生活と政治が直結していると肌で感じられ、政治にも関心が向くかもしれません。しかしながら、若者、大学生は政治と自身の生活がつながる話題が学費の問題などに限られていて、自然に政治と距離ができてしまいます。他の学生からも政治という言葉自体に拒否感を示す同級生もいるという意見が出ました。こうした課題を解消するため、私たちの班では県議会だよりを新聞折込だけでなく、学校でも配布することや学校内に投票所を設置することを提案しました。私のグループには、他大学の教育や法律を専攻する学生がいたため、ゼミで議論していた時よりもさらに広い視点で議論することができました。意見交換会に参加してみて最も印象的であったことは、私が想像していたよりも若者の当たり前が議員の当たり前ではなかったということです。私達、参加者の間では、SNSが発達しさまざまなコンテンツがあるため、若者は自身が見たいものや知りたいことだけを視界に入れて生活できるという認識が当たり前でした。しかしながら、そうした認識が議員の方にはまったくなく、非常に新しい視点であったようでした。こうした話を聞いて、私たち有権者の側から投票や陳情などで積極的に意思表示をしていかなければ、自分が想像しているよりも議員側に自分達の考えが伝わりにくいのではないかと感じさせられました。

今後、私たちのゼミでは若者の政治参加に関するZINE(小冊子)を作成する予定です。その中に、今回の意見交換会で私と一緒のグループに参加していた議員へのインタビュー記事を掲載しようと準備を進めています。今回の意見交換会を通して、ゼミでの研究が深まるだけでなく、発展させるきっかけを得ることができました。ZINEの作成を通して、今回の経験をより多くの人に広められればと思います。
コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科3年次
梶田 乃衣さん
先日、埼玉県議会の議員の方々との意見交換会に参加する機会をいただきました。ゼミで政治や議会について学んでいるものの、議員に対しては「自分と違う世界の人」といった印象が正直ありました。しかし、実際に意見を交わすなかで、議員の方々は私たちの意見を真摯に受け止めてくださり、和やかな雰囲気で親しみを感じながら話し合うことができました。

この交換会では、「若者と政治の距離を縮める」というテーマで議員2人と学生5人程度のグループに分かれて意見を交換しました。私は自分のグループで「議員に密着したドキュメンタリー映像を作成する」という提案を行いました。他大学の参加者からも、それぞれのゼミでの学びや日常生活での気づきを踏まえた提案が出され、新鮮な刺激を受けました。話し合いの中では、主権者教育を幼少期から強化することや、選挙啓発等の意見があがりました。特に若者に親しみやすいSNSを活用すべきだとの意見が多く、リール動画の活用が提案されました。

一方で、議員の方からは、SNSでの発信には誹謗中傷や炎上のリスクが伴うこと、反応が多いのは主に年配層であることから、実際にはインスタグラムやリール動画よりもフェイスブックが運営しやすいとの声がありました。この視点は私にとって非常に新鮮で、ただ議員側が発信手段を工夫すればよいという話ではなく、社会には議員が気軽に発信できない現状があること、政治家のSNS発信は若者に届いていないということに気づきました。それぞれの努力不足ではなく、その現状や価値観が若者と政治の距離感を生んでいることを改めて認識させられました。

「若者と政治の距離を縮める」というテーマは、私が以前から課題として感じているテーマです。社会には困難を抱える人が多くいますが、そのような人に公的支援が届いていないケースや、その声が政策に反映されていないこともあります。こうした問題の解決には議会の多様性が重要であり、そのためには若者が積極的に政治に参加し、自分たちの課題に応える候補者を擁立していくことが必要だと考えています。私たちのゼミでは若者と政治の距離を縮めるために、今後ZINE(小冊子)を作成する予定です。今回の意見交換会は、その準備としても貴重な経験となりました。このような機会を設けてくださった関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

コメント

COMMENT

コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科 准教授 濵田 江里子

濵田江里子ゼミでは、働き方や家族の形が変わる中で、私たちが安心して暮らせる社会をつくるには、どのような仕組みや仕掛けが必要かをテーマに学んでいます。「議員」や「議会」と聞くと、私たちからは遠い世界のように感じることが多いと思います。ですが地方議会の議員は、個人が抱えている課題を地域や社会にひらいて、課題解決に伴走する役割を担っています。意見交換会を通じて学生たちは、私たちの多様な「声」を政策に反映させるルートの一つとして、議員の存在や役割に気づき直したようです。教室での学びを議会での取り組みとつなげる貴重な機会をつくってくださった、埼玉県議会事務局、当日参加くださった議員の方々、本学の社会連携教育課の皆さまに深く感謝いたします。

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