公開キャリア講演会「NPO×異文化~アメリカの寄付活動に見る新しい社会貢献~」開催レポート

異文化コミュニケーション学部2年次 横井亜美さん

2022/03/24

立教生のキャンパスライフ

OVERVIEW

2022年1月19日(水)異文化コミュニケーション学部主催で、オンラインにて、公開キャリア講演会が開催されました。イベントの様子を横井亜美さん(異文化コミュニケーション学部2年次)が報告します。

異文化コミュニケーション学部公認学生団体LINK CICは、異文化コミュニケーション学部生の関心に応える講演会を企画・開催しています。今年は、立教大学文学部卒業生であるNPO法人ベースボール・レジェンド・ファウンデーション(BLF)代表の岡田真理氏をお招きし、「異文化×NPO」をテーマに、キャリア講演会をオンラインで開催しました。

第1部は岡田真理氏によるご講演、第2部は、LINKCIC所属学生である異文化コミュニケーション学部3年次の栗田理恵子さん、同学部2年次の五十嵐里紗さん、新崎正和さんを加えた4名で対談形式の質問会を行いました。

第1部の講演会では、岡田氏にスポーツライター、そしてBLF代表として活動する現在に至るまでのキャリア、アメリカ滞在時に見た新しい視点についてお話して頂きました。岡田氏は、スポーツライターとして球場に何度も足を運んでいたからこそ、プロ野球スポーツ選手との信頼関係を構築し、寄付活動に繋げることができたとおっしゃっていました。選手から募った寄付金は、ひとり親家庭の球児や障がい者のもとへ届きます。2020年の「コロナ基金」では、SNSを通じた多くの選手の協力もあり、約7億(726,465,000円)という日本で最高額の寄付金を集めることに成功しました。
岡田氏は、募金活動において「災害が起きる前にお金を集めること」の大切さをお話されていました。全ての人に共通するわけではありませんが、日本では何かが起こった時に募金活動をする傾向があります。それは、寄付活動が「特別なこと」になってしまっているからです。私自身も岡田氏のお話をお聞きする前は、寄付に対して期間限定のイベントのような印象をもっており、緊急時にだけ寄付するという使命感のようなものに駆られていました。しかし、一度俯瞰してあらゆる寄付活動に目を向けると、私が支援すべき問題は溢れていることに気づかされました。今後は、小さな額からでも継続的に寄付することを心がけていきたいと思います。

第2部では、LINKCICにとって初めての試みである、オンラインツールを利用したリアルタイム質問形式の対談を行いました。“Slido”という匿名で質問ができるアプリを利用して、参加者からの質問を集めるというものです。このツールを用いると、参加者が、岡田氏とLINKCIC所属学生との対談を視聴しながら、気になったことや聞いてみたいことを瞬時に質問箱に投稿することができます。匿名で質問をしやすいということもあり、多くの質問を頂くことができました。このツールを利用したことで、対面の講演会に近い状態で参加者との距離を縮めることができたと思います。

左から:新崎 正和さん、五十嵐 里紗さん、栗田 理恵子さん、岡田 真理氏での対談の様子

対談では、岡田氏から私たち学生が今後のキャリアを形成するにあたっての沢山の助言を頂きました。対談者からは、「寄付活動における困難ややりがい」、「ライターとBLF代表者という仕事の両立」などの質問があり、意見を交える中で、岡田氏は「自分の好きを軸に行動し、異なった価値観を取り入れ、日々挑戦していくことを心がけていた」とお話されていました。また、岡田氏は、「学生という貴重な時間は、新しいことを吸収する機会が溢れています。学内でも学外でもこの場所で得たつながりは、将来に活きてくる」とおっしゃっていました。コロナ禍で留学中止や延期という壁に頭を悩ませていた本学部学生もいると思います。岡田氏のアドバイスは、そんな学生たちの背中を押してくれるものであったと感じました。
私自身も突然の新型コロナウイルス感染症の流行により、留学が中止となってしまいました。しかし、この先も留学に行くという夢を諦めず、今はこの立場を逆手に取って国内でもできることを模索し、沢山の人と関わり、自分のやりたいことに正直になって挑戦していきたいと思います。

この講演会を行うにあたり、たくさんの方々にご協力をいただきました。約50名の方々に参加して頂き、本講演会参加者とLINKCICの運営に携わった学生らを含め、とても有意義な時間を過ごすことができたと大好評でした。特に、寄付活動に対する見方が変わったとの声が多く上がっており、開催をしてよかったと心から思うと同時に、達成感を得ました。企画代表の鈴木悠介さん(同学部4年次)は、「LINKCICの運営のみんなと準備や企画をほとんどオンラインで進めていたため、同じ熱量で臨んでもらうことに苦労した」と話していました。

準備期間では、主にSNSを通じた意見交換が多くなされました。私も運営として本企画に携わる中で、東京都のコロナウイルス感染症の拡大により、開催日直前に対面開催からオンライン開催へ急遽変更になるなど、様々な困難を実感しました。しかしながら、そういった場面でも鈴木さんを中心に運営に携わった学生のみんなで臨機応変に対応し、入念にリハーサルを行うなど、全員の協力があってこそ、実現することができました。みんなで一丸となって難しい局面を乗り越えた経験は、今後も私のキャリアを形成する上で大きな糧になると確信しています。そして、この達成感というものは、学生生活で得たかけがえのないものです。今回の講演会において、快く了承してくださいました岡田氏には、LINKCIC一同、感謝の気持ちで一杯です。本講演会を通して、少しでもNPOの活動について興味を持っていただけたらと思います。

BLF代表 岡田真理さんと異文化コミュニケーション学部公認学生団体 LINK CICのみなさん

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