「ピアニスト・鐵 百合奈 氏を迎えての演奏会」開催レポート

経済学部経済政策学科4年 市川 奈那 さん

2021/01/19

立教生のキャンパスライフ

OVERVIEW

コロナ禍の今年、全学共通科目総合系科目で開講する音楽科目群は、学生の高い関心に支えられ、最大限に工夫されたオンライン授業を展開しています。とはいえ、コロナ前の授業では、教室のグランドピアノやハイクオリティ・ステレオ等を使って、音楽をみなで共有していましたが、オンライン授業では教員の指示に従って各自の端末で聴くことになります。学期中に一度でも、今ここに鳴り響く音楽にともに耳を傾け、その豊かさを体感したい!

全ての学部学年を履修対象とした「音楽と社会」(担当:星野宏美異文化コミュニケーション学部教授)の講義では、希望者を対象に昨年11月、対面による補講を行いました。参加した経済学部経済政策学科4年の市川奈那さんがレポートを寄せてくれました。

全学共通科目「音楽と社会」による補講を対面で実施。

対談の様子

ニューノーマルが求められるようになったこのご時世に、私は4年生となり、すべての授業をオンライン形式で受講しています。そんな中、11月7日の3限・4限に星野先生の企画で、プロピアニストの鐵 百合奈さんの演奏を講義の一環として聴くことができました。密を避けて二部制に分け、コロナ対策もしっかり行われました。

補講は任意参加でしたが、対面授業でこのような素敵な曲目の演奏を聴けるなんて、なんて幸せなことだろうと思い二つ返事で心を弾ませて来ました。一曲目から、そんな気持ちを抱えながら聴いていたので胸いっぱいで涙をこらえるほど感動してしまいました。途中、お二人の対談があり心の中でいくつか質問が浮かんだのですが、そこはやはりさすが先生ということで、全て鐵さんに聞いてくださったので、私は特に心打たれた部分について書かせていただこうと思います。

モーツァルトの「トルコ行進曲」は昨年、本場オーストリア・ザルツブルクのクリスマスコンサートで聴きましたが、その際の演奏よりも遥かに心動かされました。なぜなら、鐵さん独自のアレンジが途中加わっており、まさにこれが「音を楽しむ」ということなのかな、と感じられたからです。近年、技術発展に伴いAIやロボットが台頭してきて人間の真価について考えることが多いですが、感情を持って何かに取り組むことが人の心を動かせる、そう再認識もできました。また、私もピアノを弾きますが即興をしたことがないので、それができたらさらにピアノ演奏が楽しいのだろうなと思いました。

ベートーヴェンの「ハンマークラヴィア・ソナタ」は今回を機に初めて知りました。紹介文を見る限り、ピアノが珍しかった当時、いかにこの楽器が大きな音をハンマーのように出せるのか、ということを人々に宣伝するかのような曲なのかと想像していました。しかし、実際に聴いてみると非常に繊細なメロディも多く、ピアノのメカニック的な凄さを表現するにはそういう繊細さも取り入れて幅の広さを表すのが大切なのだな、とハッとしました。最後の曲、ショパンの「別れの曲」は個人的にとても好きなので、プロの方の演奏を聴けて本当に幸運だなと、一音一音噛みしめるように聴き入りました。

学生生活で恐らく最後になる対面授業をこのような形で締めくくることができて、一生の思い出になりそうです。また、コロナ禍だからあれができないこれもできない、と考えるのではなく、その中で自分が今できることは何か、最大限考えていくことの大切さも改めて感じることができました。最後になりますが改めまして、心に残る素敵な演奏をしてくださった鐵百合奈さん、そして私たちのために企画してくださった星野先生、ありがとうございました。

プロピアニストの鐵 百合奈 氏とともに集合写真

ピアニスト・鐵 百合奈 (てつ ゆりな)氏プロフィール


1992年香川県生まれ。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、同大学でアカンサス音楽賞、藝大クラヴィーア賞、同声会賞を得て卒業。同大学院修士課程を経て、現在、博士後期課程に在籍。第86回日本音楽コンクール第2位、岩谷賞(聴衆賞)、三宅賞。第4回高松国際ピアノコンクール審議員特別賞。第20回日本クラシック音楽コンクール高校の部グランプリ。第11回大阪国際音楽コンクール、第14回ローゼンストック国際ピアノコンクール、各第1位。2017年度香川県文化芸術新人賞受賞。論文「『ソナタ形式』からの解放」で第4回柴田南雄音楽評論賞(本賞)を受賞、翌年『演奏の復権:「分析」から音楽を取り戻す』で第5回同本賞を連続受賞。

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