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ボート部

2017/03/24

アスリート&スポーツ

OVERVIEW

昨年11月10~13日にかけて行われた第94回全日本選手権大会。社会人選手を含む、日本ボート界において最大の舞台だ。立大は男子舵手なしフォアで、創部68年以来初の優勝を遂げた。史上最高の瞬間までには、立大ボート部を真に支えてきた男たちの思いがある。

「強い立教」の礎

2016年全日本選手権の決勝で全力の漕ぎを見せる舵手なしフォア。左から根本、勝又、安藤、中田

2年前のインカレ。男子舵手なしフォアと舵手付きペアが準優勝を果たす。数年間表彰台から遠ざかっていた立大にとって快挙だった。さらに全日本選手権では男子舵手付きペアが当時史上初となるメダルを獲得する。この急成長の裏には、当時の主将・樋口(2015年卒業)の存在があった。
「日本一になれる、強い立教を作る」。それまで自由の多かった練習を厳しくし、外部コーチを呼ぶなどして、部を徹底的に改革。「強い立教」の礎を作り、日本一という夢を後輩に託した。

立大ボート部、史上初の全日本選手権優勝を喜ぶボート部と関係者(2016年)

「あいつとは一番練習していた」(樋口)。主将を引き継いだのは樋口と苦楽を共にしてきた菱木(2016年卒業)。彼はインカレ優勝という目標に向けて常に樋口の背中を追いながらボートを漕こいできた。あと一歩及ばなかった樋口のためにも、立大が強くあり続けるためにも「何が何でも優勝しないと意味がない」。
菱木は誰よりも練習した。どんなに大雨や強風で波が立とうと部の先頭で漕ぎ続けた。どこまでも熱く、ストイックな姿勢はチームが強くなるための原動力となった。そして彼が当時の3年次生3人を従えた舵手なしフォアは、言葉通りインカレ優勝を成し遂げる。創部以来2度目となる学生日本一の称号は、紛れもなく「強い立教」の証明であった。

「夢」を追い続ける

2014年インカレ準優勝の舵手なしフォア。左から菱木、中田、安藤、樋口

2016年4月。菱木と共に学生王者の座をつかんだ3人は4年次生になった。そのうちの一人、中田(コ4)が主将となる。彼を大きく成長させた樋口、菱木。「追いつき、追い越したい」存在だった。そして立大を強くしてくれた彼らへの恩返しにも、目指すは全日本選手権での優勝。主将として「樋口さんや菱木さんみたいなカリスマ性はなかった」と自らを語る中田は、自分にできることに地道に取り組んだ。昨年のインカレ優勝を共にした安藤(コ4)・勝又(法4)をはじめとする同期たちに支えられながら。こまごまとした雑務も進んで行い、チーム全体に「勝つために必要なこと」を示し続けた。
中田がリーダーを務める舵手なしフォアは昨年の3人に根本(観3)を加えたクルーだ。安藤と勝又のけがもあり、インカレは連覇に一歩及ばず準優勝に終わる。しかし満を持して迎えた運命の全日本。決勝のレースでは、日本代表選手を乗せる実業団をも圧倒する漕ぎで見事優勝。数年前の立大では考えられなかった、本当の日本一をつかみ取った瞬間だった。

2015年インカレ優勝時の舵手なしフォア。左から菱木、勝又、安藤、中田

「夢」はまだ終わらない。一つの種目での王座をステップに、女子部も含めたより多くの種目制覇へ。樋口の「日本一を目指そう」との言葉でボート部入部を決めた中田はこう語る。「僕が卒業して1年後2年後、10年後も、立大ボート部が夢を持てるような環境であってほしい」。
中田の意志もまた後輩に受け継がれていく。来年度の主将は頂点の景色を見た唯一の3年次生、根本。来年はインカレと全日本両方での優勝を目指す。「覚悟を持ってやっていきたい」。もっと「強い立教」になるために。先輩たちの思いを胸に彼は、十字のオールで新たな「夢」へと漕ぎ出した。

(「立教スポーツ」編集部 社会学部メディア社会学科3年次 岡村章秀)

プロフィール

PROFILE

立教大学ボート部

創部年:1948年
部員数:54名

※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。

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