司書課程学校・社会教育講座

立教大学の司書課程は、図書館法に定められる司書資格と学校図書館法に定められる司書教諭資格を取得するための2コースを置いており、池袋と新座の二つのキャンパスの各学部・研究科の学生が登録・履修できます。ただし、資格付与のみを目的とはしていません。資格取得と同時に、「国際的な視野をもつ情報スペシャリスト」としての特別な力、且つ専門的な意識を身につけていてほしいと考えて、カリキュラムや講師陣を用意しています。

司書課程について

教育目標

本学の司書課程の教育の目標は、次の2点に集約されます。

1. “情報”スペシャリストの育成

本学の司書課程においては、情報の収集・整理・評価・提供・発信に関わる専門的、且つ具体的な知識・技能・意識を身につけるだけでなく、実際にそうした力を活かすことのできるキャリアを選択して一歩を踏み出すよう、励ましています。本学の司書課程の授業の内容は、現実の図書館に関わる話題に留まることなく、図書館を含めた21世紀の情報の世界に広がるよう、工夫しています。

2.“国際的な視野”の獲得支援

本学は2014年に文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援(グローバル化牽引型)に採択され、“専門性に立つグローバル教養人”の育成に全学で取り組んでいます。本学の司書課程の授業は、各学生がそれぞれに専攻する学問での学びを基盤としながら、国際的な視野をもって、人間と情報の関わりや関連する社会制度等について考える機会を得ることができるよう、工夫しています。また、本学の図書館実習は、香港など、国外の図書館で実施することもできるところが、大きな特徴です。

図書館情報学を基盤とした2コース

池袋図書館

池袋図書館

立教大学の司書課程の二つのコースは、上述のように、司書または司書教諭の資格付与のためのカリキュラムを提供することが設置の趣旨となっており、図書館情報学の専攻課程ではありません。池袋と新座の二つのキャンパスの各学部・研究科に所属する学生が、毎年4月の登録期間に希望を申し出て、学修をはじめています。しかし、大学、特に立教大学においてこれらの資格取得に向けて学ぶということは、図書館情報学という学問を学びはじめるということを意味します。つまり、学生は、それぞれに専攻する学問での学びを基盤としながら、司書課程で図書館情報学に入門的に触れることになります。欧米の多くの国では、図書館情報学を基盤とする図書館情報専門職の養成プログラムは大学院レベルとなっており、それぞれの学生たちは学部での学びについて異なる経験をもって集っています。図書館はあらゆる分野の知を網羅するのであり、図書館で働く専門職に求められる主題の知識が特定の分野に限定されるものではないことは、みなさんにも容易に想像ができるでしょう。
そのように、本学の司書課程は、学内の全学部の学生の協働的な学びの機会を提供しているとも言うことができます。そのような学部を超えた出会いは魅力的ではありますが、本学の司書課程では、法律に定められているよりも多く単位の履修を求めています。修業年限での資格取得に向けては、各自が自身の所属学部の時間割と照らし合わせて、責任をもって計画的に取り組むことが求められます。
また、各科目は、立教大学の学生にふさわしい学術的な内容となっています。そうした科目の履修を、資格の取得のみを目的にして、安易に決断するのは危険です。カリキュラムを見てください。“司書”と聞いて想像していることと、実際の授業のギャップが大きすぎないか、登録前に確認してください。一方で、1科目をきちんと学ぶだけでも得られるものは必ずありますので、各科目について、シラバスをよく見て、登録・履修を決めてください。

図書館司書コース

1950年に成立した図書館法は、公共図書館について定めており、この第4条および第5条に、専門的職員に関する規定があります。2015年9月1日時点で、日本国内の四年制大学158校、短期大学の58校が、図書館法第5条第1項および図書館法施行規則第2条にある「図書館に関する科目」を開講していると文部科学省は公表しています。本学の司書課程の「図書館司書コース」も、この「図書館に関する科目」を開講するために設けられています(「図書館に関する科目」を提言した文部科学省設置の有識者会議の報告書はこちら)。夏に講習を実施する大学や通信教育課程を設置する大学もあり、図書館法に定められる「司書」の資格は、毎年、全国で1万人弱が取得しているとも言われています。
立教大学の司書課程図書館司書コースでは、図書館法に定められる司書資格取得者は毎年20~40人程度で、これは毎年、全学から同コースに登録する学生の半数程度です。本学独自に必修としている図書館実習に行って、立教大学司書課程の修了証を受け取っている人は、本学で司書資格を取得する学生の内の1/3~1/2程度です(ただし、これらのデータは、過去数年、図書館実習の制度改革を行なってきたことによって、一時的に減少した可能性があります)。
日本国内では、図書館への正規職員での就職は厳しい状況にあります。ゆえに、図書館や図書館に直接関連する業界に就職する学生は毎年数名にとどまっていますが、情報産業、出版業界、書店等でも、司書課程の各科目で学ぶ内容を活かすことができます。毎年多くの学生が卒業時に、司書課程での学びを就職活動においてアピールしたと報告しています。

学校図書館司書教諭コース

本学の司書課程にはもう一つ別のコースがあります。「学校図書館司書教諭コース」です。これは、小学校・中学校・高等学校・中等教育学校、各種特別支援学校の図書館(図書室)の専門的職務を掌る司書教諭の資格を付与するものです。本学の学校図書館司書教諭コースは、1953年に成立した学校図書館法の第5条第3項と学校図書館司書教諭講習規程に定められる学校図書館司書教諭講習にあたるものです。
多くの日本の学校図書館には、司書教諭のほかに、学校図書館法第6条に「専ら学校図書館の職務に従事する職員」と定められる、「学校司書」などと呼ばれる職員が働いていますが、その職につくための資格は今のところ法制化されていません。司書教諭はいわゆる学校司書とは異なり、たいていは学級や教科の教諭として採用されて、その職務を遂行し、加えて、学校図書館の管理業務や教育活動等にあたります。12学級以上の規模の学校では、学校図書館法の定めに従い、必ず司書教諭を発令しなければなりません。それゆえ、教育職員免許状の他に司書教諭資格を取得している応募者には採用試験で加点もしくは考慮をするとしている自治体が全国に多くあります。
立教大学の司書課程では、教員としての資質を備えた高度な学校図書館専門職員の養成を目指しています。司書教諭コースのクラスは10名前後の少人数編成で、学生と教員の距離がとても近くなっています。

科目等履修生制度

立教大学の司書課程では、図書館司書コースと学校図書館司書教諭コースの両方のコースで、科目等履修生の受け入れを行なっています。本学の卒業生だけでなく、卒業生以外の方も、登録前に選考試験を通過、合格していただく必要はありますが、登録可能です。他大学等で修得した単位と合わせて、資格取得を実現することも可能です。
試験要項は毎年1月半ばころに学校・社会教育講座科目等履修生制度のページで配布の告知があります。郵送もしくは立教大学池袋キャンパス2号館1階の学校・社会教育講座事務室で入手可能です。
ただし、本学では司書課程の多くのクラスが、学部学生の所属学部での学修を妨げないよう、1限(9:00-10:30)と5限(16:40-18:10)に開講されていますが、フルタイムで働く社会人の方が資格取得に要するすべての科目を本学で受講するのは困難かもしれません。時間割等の詳細については、学校・社会教育講座事務室にお問い合わせください。

歴史と実績

チャペルと一号館

1929年、日本国内には文部省図書館講習所しか図書館員の養成機関が存在しなかったその時代に、本学では、初代図書館長のスパックマン(Harold Charles Spackman)教授によって図書館学科を設置することが提案され、米国から教授を招聘することまでもが検討されていたそうです(宮部頼子「幻の「立教大学図書館学科」」『St. Paul’s Iibrarian』No.22, 2007, p.23-27.)。
戦後、図書館法の定めに従い、本学に司書課程が設置されたのは、1967年のことです。初代の司書課程主任は、文学部史学科の海老澤有道教授でした。そのあと、司書課程の専任教員として清水正三教授、河井弘志教授、宮部頼子教授が勤務し、主任を務めました。現在の主任の中村は2011年4月に本学に着任しました。宮部教授の時代に、司書課程に専任の特別任用(特任)教授が採用されるようになりました。千代正明特任教授(元・国立国会図書館司書)、永田治樹特任教授(筑波大学名誉教授)、現在の上田修一特任教授(慶應義塾大学名誉教授)の後、現在のハモンド・エレン(Hammond, Ellen)教授が2017年度に着任しました。
本学の司書課程では、優れた図書館勤務者が輩出してきました。国立国会図書館、東京都立中央図書館や埼玉県立図書館をはじめとする各地の都道府県立図書館、浦安市や横浜市をはじめとする市町村立図書館、大学図書館、学校図書館等で、本学司書課程修了生が活躍しており、図書館界のリーダーとして認められている卒業生もいます。こうした卒業生の図書館界での活躍については、本学の卒業生を中心として組織された立教図書館人クラブからも知ることができます。本学が掲げる“普遍的なる真理を探究し”、“私たちの世界、社会、隣人のために”働くことのできる“専門性に立つ教養人”は、図書館のプロフェッションの使命と理想ときわめて親和性の高いものであることを、卒業生の活躍の実績に見てとることができるでしょう。また、図書館情報学の専門課程の大学院への進学者も定期的に出ています。

お問い合わせ

学校・社会教育講座事務室