2020/05/02 (SAT)
「アーキビストとCOVID-19に関するアンケート」結果報告(1)
はじめに

Googleフォーム「アーキビストとCOVIC-19に関するアンケート」画面トップ
立教大学共生社会研究センター 平野泉
新型コロナウィルスの感染拡大で、センターでの業務にも大きな影響が生じました。2020年4月1日から新規予約受付の停止、そして8日からは閉館・スタッフは在宅勤務となり、今に至っています。半世紀以上生きている私でも、日本でこれほどの感染症の流行を経験したことはありません。しかも、アーキビストとしての経験は短く、果たして自分のしていることや考え方がこれでよいのか、不安でいっぱいです。
そこで、経験のある先輩方や、類似の館のアーキビストがどのように現状に対処し、どのように今後を考えているのかを知りたいと思い、4月23日に非常にゆるやかなアンケートをGoogle フォームで作成・公開しました。
まずは知人にメールで、その後Facebookで、回答をお願いしてみたところ、4月30日の時点で33件の回答が寄せられました。ご協力いただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました。
とはいえ、初めてのことでしたので、いろいろとミスが。
例えば、結果の共有のしかたについてしっかり考えていなかったことがあります。GoogleフォームからGoogleスプレッドシートに流れ込んでくる回答を見ていると、「このままスプレッドシートをほいっとどこかに置いてダウンロードできるようにすれば、それでいいのではないか」と思えてきました。回答してくださった方のお顔や声が浮かんでくるような、私自身が個別にアドバイスをいただいているような、そんな気がしたからです。しかし、それだけに読む人が読めば「この回答はあの人....」と推測可能です。それはさすがに問題のように思えました。
新型コロナウィルスの感染拡大で、センターでの業務にも大きな影響が生じました。2020年4月1日から新規予約受付の停止、そして8日からは閉館・スタッフは在宅勤務となり、今に至っています。半世紀以上生きている私でも、日本でこれほどの感染症の流行を経験したことはありません。しかも、アーキビストとしての経験は短く、果たして自分のしていることや考え方がこれでよいのか、不安でいっぱいです。
そこで、経験のある先輩方や、類似の館のアーキビストがどのように現状に対処し、どのように今後を考えているのかを知りたいと思い、4月23日に非常にゆるやかなアンケートをGoogle フォームで作成・公開しました。
まずは知人にメールで、その後Facebookで、回答をお願いしてみたところ、4月30日の時点で33件の回答が寄せられました。ご協力いただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました。
とはいえ、初めてのことでしたので、いろいろとミスが。
例えば、結果の共有のしかたについてしっかり考えていなかったことがあります。GoogleフォームからGoogleスプレッドシートに流れ込んでくる回答を見ていると、「このままスプレッドシートをほいっとどこかに置いてダウンロードできるようにすれば、それでいいのではないか」と思えてきました。回答してくださった方のお顔や声が浮かんでくるような、私自身が個別にアドバイスをいただいているような、そんな気がしたからです。しかし、それだけに読む人が読めば「この回答はあの人....」と推測可能です。それはさすがに問題のように思えました。

Q2への回答について、Googleフォームが生成したグラフ
さらに、どこかで何かを間違えたらしく(途中で、Q7を追加したときではないかと思うのですが)、Googleフォームの「回答」に集計されてグラフ表示される、そのグラフが、同じ回答なのに2本棒グラフができてしまう、凡例がちゃんと表示されないなど、おかしな状態になってしまいました。
そのため、結局手作業で集計してみることにしたのでした。いろいろなデータ整理のツールを使ってきちんとご報告できればよかったのですが、今回は情報交換が目的、ということでご了承くださいませ。
以下、まずは質問ごとに結果をご報告(その大部分は反省になってしまいましたが)いたします。
そのため、結局手作業で集計してみることにしたのでした。いろいろなデータ整理のツールを使ってきちんとご報告できればよかったのですが、今回は情報交換が目的、ということでご了承くださいませ。
以下、まずは質問ごとに結果をご報告(その大部分は反省になってしまいましたが)いたします。
Q1. アーキビストとしてのお仕事のタイプを教えてください。

図1 仕事のタイプ
回答数は33。
じつはフォームを作成するとき、ここをどうするか悩んだのです。そして、結果が出てみると「もう少し悩めばよかった」と反省することになりました。大学アーカイブズなど、公文書館であり大学の機関でもある館の方は回答に困ったのではないかと....。また、アンケート外で何人かの方から「私はアーキビストとしてこれに回答していいのか」というご質問をいただきました。「タイトルのつけ方が悪かった…」とこれまた反省したのですが、ではどういう言葉を使えばよかったかというと、あまりいいものが思い浮かびません。画面の制約もありますし、あまり長くて説明的な言葉を使うわけにもいきません。ある意味、「アーキビストとは何者か」ということがいまひとつクリアになっていない日本ならではの悩ましさでもあるのかもしれませんね。
「その他」の回答は:
・国立療養所(厚労省管轄)の付属施設としての資料館
・公立の資料館(公害関係)
・3月末で退職。前職(民間企業)での取り組みを中心に回答
でした。回答数のわりに、いろいろなお仕事をしている方が回答してくださったことがわかります。
じつはフォームを作成するとき、ここをどうするか悩んだのです。そして、結果が出てみると「もう少し悩めばよかった」と反省することになりました。大学アーカイブズなど、公文書館であり大学の機関でもある館の方は回答に困ったのではないかと....。また、アンケート外で何人かの方から「私はアーキビストとしてこれに回答していいのか」というご質問をいただきました。「タイトルのつけ方が悪かった…」とこれまた反省したのですが、ではどういう言葉を使えばよかったかというと、あまりいいものが思い浮かびません。画面の制約もありますし、あまり長くて説明的な言葉を使うわけにもいきません。ある意味、「アーキビストとは何者か」ということがいまひとつクリアになっていない日本ならではの悩ましさでもあるのかもしれませんね。
「その他」の回答は:
・国立療養所(厚労省管轄)の付属施設としての資料館
・公立の資料館(公害関係)
・3月末で退職。前職(民間企業)での取り組みを中心に回答
でした。回答数のわりに、いろいろなお仕事をしている方が回答してくださったことがわかります。
Q2. コロナ感染拡大で、お仕事はどうなりましたか?

図2 仕事に生じた変化
当然ながら、多くの方の仕事のしかたに変化が生じています。
ただ、ここでも失敗してしまいました。
「限定的に業務をしている」という選択肢があいまいすぎたのです。そもそも、どういう選択肢があり得るのか、その全貌が見えていないので、そこを知りたいということもありましたが、もう少し考えるべきでした。「限定的に業務」で私がイメージしていたのは、利用者を限定する、あるいは閉館しているが職員は出勤して来館者対応以外の仕事をしている、といったイメージでした。しかし「一部の人が在宅勤務」というのも「限定的に業務」していることになるわけで、当然のことながらそのように回答されていた方が複数おられました。
また、ほんとうは「自宅待機で給与は全額」など、もう少し詳しく知りたかった部分もあるのですが、今後、日本アーカイブズ学会や全史料協が本格的な調査を実施してくださることを期待しましょう。
「その他」の回答は以下の通り。
・休校及び休園により子供の預け先が無くなったため、特別休暇を取得中。(公文書館)
・館は臨時休館しているが、職員を2班に分け、出勤と在宅勤務を半々に実施。(公文書館)
・通常通り, 開館しているが、資料整理のアルバイトには在宅勤務または休んでいただいている。(学校・大学など教育・研究機関)
・出勤できなくなり、自宅待機となったが、実際には通常どおり仕事している。(学校・大学など教育・研究機関)
・一人職場なので、自主的に閉室としている。(企業など民間団体)
・コロナと無関係に,3月で非常勤の任期も終了し,在宅になった。(フリーランス等)
……ずいぶん長くなったので、(1)はここまでといたします!
-----
報告(2)はこちらから
ただ、ここでも失敗してしまいました。
「限定的に業務をしている」という選択肢があいまいすぎたのです。そもそも、どういう選択肢があり得るのか、その全貌が見えていないので、そこを知りたいということもありましたが、もう少し考えるべきでした。「限定的に業務」で私がイメージしていたのは、利用者を限定する、あるいは閉館しているが職員は出勤して来館者対応以外の仕事をしている、といったイメージでした。しかし「一部の人が在宅勤務」というのも「限定的に業務」していることになるわけで、当然のことながらそのように回答されていた方が複数おられました。
また、ほんとうは「自宅待機で給与は全額」など、もう少し詳しく知りたかった部分もあるのですが、今後、日本アーカイブズ学会や全史料協が本格的な調査を実施してくださることを期待しましょう。
「その他」の回答は以下の通り。
・休校及び休園により子供の預け先が無くなったため、特別休暇を取得中。(公文書館)
・館は臨時休館しているが、職員を2班に分け、出勤と在宅勤務を半々に実施。(公文書館)
・通常通り, 開館しているが、資料整理のアルバイトには在宅勤務または休んでいただいている。(学校・大学など教育・研究機関)
・出勤できなくなり、自宅待機となったが、実際には通常どおり仕事している。(学校・大学など教育・研究機関)
・一人職場なので、自主的に閉室としている。(企業など民間団体)
・コロナと無関係に,3月で非常勤の任期も終了し,在宅になった。(フリーランス等)
……ずいぶん長くなったので、(1)はここまでといたします!
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報告(2)はこちらから
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