刊行物全学共通科目

全学共通カリキュラム運営センターが発行する刊行物をご案内します。

立教大学<全カリ>のすべて−リベラル・アーツの再構築−

本書は、現代の大学におけるリベラル・アーツの内容と質、および、その教育組織はどうあればよいかを求めて取り組んだ、一大学の記録である。すなわち、立教大学の経験の多様な側面に触れながら、いかに学内の改革合意が形成され、どのような処方が編み出され、どのような配慮と取り組みが行われたかについて、率直に明らかにしたい。そのことを通じて、21世紀に向けて切実に求められている日本の大学教育改革に対して、ささやかながら一つの示唆を提供できるのではあるまいか。

1990年代、従来の一般教育に代わるリベラル・アーツの教育の内容と実施形態を探求し、全学によって支えられた教養教育の組織とカリキュラムを生み出していくことが模索され始めた。そして、この模索への回答のひとつとして「全学共通カリキュラム運営センター」(英名:Center for General Curriculum Development at Rikkyo University)の設立が提案され、新たなカリキュラムが実施される運びとなった。ただし、そのためには、長い年月を必要とした。

また、この全学共通カリキュラム運営センターの設立とカリキュラムの実施にあたっては、辛い選択や困難なハードルが少なくなかった。

そして、こうした改革のプロセスの中では、当然ながら、異論や不満、批判もまた伴う。しかし、私たち立教大学の教員・職員、経営体が、それぞれ立教大学の理念を模索し、議論し、多くの困難を引き受け、さまざまに悩み、また苦しみと喜びとを分かち合ったことは確かである。

そのような、いわば明と暗の部分をも隠さず語る記録や資料を収めて、できうる限り公正かつ全面的な記録にしたいと考えた。これらをドキュメントとして残しておくことは、日本の大学改革の一端を語る作業になるであろう。

(「全カリのすべて:はじめに」より)

価格:¥2,205(税込)
単行本:228 p
サイズ(cm):21 x 15
出版社:東信堂
ISBN:4887133839
※現在は廃版しています

大学教育研究フォーラム

全カリは広場(フォーラム)だ、というのが、私のかねての考え方である。新しいカリキュラムをつくり、それを請け負う機関ではない。また、専門学部の意向のままに予備教育を行う機関でもない。この広場に集まった教職員が、卒業までのカリキュラムの目標と構造と質を決め、全学の合意と協力のもとに形づくってゆく、そのような広場である。

この研究年報が、研究論文を集成したいわゆる「研究紀要」的なものにならなかったことを喜んでいる。「大学教育研究フォーラム」というタイトルのこの紀要が、開かれた討議と情報交流の場になることを心から期待する。

情報交流と言えば、大学関係者が一般に大学そのものについての情報にうとい、というのは、所々方々で聞く話である。行政官庁が大学に対しておこなう規制については多くの不満や批判が語られる。わたくしもその不満をもつことが少なくない。しかし、規制を生み出させている一因は、大学自身の側に、情報の収集と共有への努力が足りないことである。この「フォーラム」に、大学についての、日本の大学についての、そして世界の大学についての新鮮な情報が次々に載れば、それは立教大学の大学としての「実力向上」に大いなる援けになるはずである。

しかし、これからの大学にとって必要なのは、たんなる「ニュースとしての情報」ではない。洞察と決断、これが21世紀を目前にした大学にとって、最も求められていることである。創刊号の柱に、昨秋開かれたシンポジウム「21世紀の大学教育を考える」の記録を収めることができたのは、この意味でよろこばしいことである。有馬朗人先生をはじめ、このフォーラムに集まって下さったのだから。

学士課程教育にリベラル・アーツの学習とさまざまな言語の能力発達を期する−これも全カリを構想したときの立教の決断だった。この決断を支えた洞察は、必ず21世紀の立教の行く手を照らすものと確信している。この「大学教育研究フォーラム」は、その方向に向けての識見や報告が交流される場になってほしい。

’97年4月から、この広場には、もう一群の人々が集まる。学生諸君である。彼らを迎え、その言葉を受け止めることができれば−これも「大学教育研究フォーラム」へのひとつの夢である。

(寺崎昌男 初代全カリ部長 「大学教育研究フォーラム」創刊号より 1996)

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