「立教サービスラーニングセンター設立10周年記念イベント」開催レポート

文学部史学科4年次 居川 あゆみさん、法学部政治学科3年次 中村 遥さん

2026/07/02

トピックス

OVERVIEW

立教サービスラーニング(RSL)センターが、2025年度に設立10周年を迎えたことを記念するイベントを4月18日に開催しました。RSLセンターが学生の成長に果たしてきた役割を振り返るとともに、今後の発展に向けた討議が交わされました。

RSLセンターの誕生に深く関わっている西原廉太立教大学総長のオープニングスピーチで幕を開け、RSL科目を当初から担当する髙野孝子立教大学客員教授が基調講演に登壇。続いて在学生、卒業生、市民団体の方を交え、成果の可視化と今後の発展のためのシンポジウムを実施しました。また、会場エントランスではRSL科目を紹介する展示も行われました。

当日の様子を学生がレポートします。

第1部レポート

文学部史学科4年次 居川あゆみさん

オープニングスピーチ:西原廉太立教大学総長

「RIKKYO Learning Styleとサービスラーニング」

立教サービスラーニング(RSL)センターは2025年度に設立10周年を迎えた。西原総長は冒頭で「立教におけるサービスラーニングの歴史はかなり前から始まっていた」と述べ、国際的なプログラムとして導入が検討されたその経緯と、その後の歩みについて述べた。

本学がサービスラーニングの導入に取り組み始めた際、責任者の一人であった西原総長。今回の登壇にあたって、2009年12月、当時総長補佐として国際化推進会議に提出した、サービスラーニング導入検討の資料を発見したという。

中盤では、国内型のRSLの端緒である「新潟県南魚沼市栃窪地区 雪掘り体験」について語った。「社会人になっても、この経験を忘れない」と当時参加した学生が社会人となり、手紙を送ってきたという。西原総長も、当時の参加者の一人であり、大切な経験を熱く語った。

※「新潟県南魚沼市栃窪地区 雪掘り体験」のプログラムは、「RSL-ローカル(南魚沼)」に引き継がれている。

終盤、西原総長は「RSLは、立教大学の建学の精神『Pro Deo et Patria』を象徴するプログラムである」と語った。

RSLは、現場との往還から普遍的な真理を探究する「正課教育」と、その過程で世界、社会、隣人の出会いから学ぶ「正課外教育」、両方をつないでいることを示した。「本学の教育カリキュラム『立教ラーニングスタイル』において、極めて本質的なプログラムプログラムである」と述べた。「今後も、RSLを大切に育てていきたい」という言葉で、オープニングスピーチは幕を閉じた。

基調講演:髙野孝子立教大学客員教授(早稲田大学文化構想学部教授)

「サービスラーニングの魅力——『RSL-ローカル(南魚沼)』の事例から」

髙野孝子客員教授は、サービスラーニングの魅力を、自身が担当する全学共通科目として開講する「RSL-ローカル(南魚沼)」の事例を元に語った。

髙野客員教授が携わるRSLにおいて、意識されていることは「社会課題に内在する本質的なテーマ」を扱うことであると語った。専門や関心を問わず、それぞれの専門学的視点からのアプローチが可能であり、「人と人、人と自然の関係」を考えることができる科目の重要さを強調した。「他者と共に生き、生かされる」という意識を育むことができ、「学び」に向けての動機づけと環境づくりになることも示した。社会との関わりの中での学びが、社会課題への気づきや価値観が形成でき、個人の成長につながる魅力を語った。

今後のRSLセンターへの期待として「課題と学びをつなぐコーディネーターの育成」や「より多くの学生たちがサービスラーニングを経験する仕掛け」を挙げた。また、学生視点だけではなく、受け入れ先に何をもたらすことができるかという長期的な視座と調査の重要性を指摘した。

終盤では、自身が担当する科目受講生の「笑顔」の写真を集めた映像を流し「こんなに学生たちの笑顔が見られる授業っていいですよね。」と述べ、講演は終了した。

第2部レポート

法学部政治学科3年次 中村遥さん

シンポジウム:「私にとってのRSL」

<パネリスト>
  • 土屋 匠宇三さん
    (一般社団法人彩の国子ども・若者支援ネットワーク代表理事)
  • 和田 拓磨さん
    (2020年法学部政治学科卒業、株式会社レイヤーズ・コンサルティングシニアコンサルタント)
  • シ ウコウさん
    (異文化コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学科3年次)
<司会・コーディネーター>
中沢 聖史立教大学RSLセンター特任准教授・副センター長


シンポジウムでは、教員、卒業生、在学生、受け入れ先というそれぞれ違う立場の視点で「私にとってのRSL」というテーマでパネルディスカッションが行われた。RSLの学びや活動について、「RSL-ローカル(南魚沼)」を履修していた和田さんは、「栃窪の方とのコミュニケーションをはじめ、学生時代に学外に飛び出して活動していたからこそコミュニケーション能力が早く身についた」と振り返った。

現在、「RSL-コミュニティ(埼玉)」の履修生を受け入れる団体の代表者である土屋さんは、履修後に学生が自発的に企画を立ち上げたことについて、「子どもたちが自分のためにやってくれていると感じることが、支援員にとっても子どもたちにとっても良い影響を与えている」とコメントした。

続いて、「RSL-グローバル(フィリピン)」を履修していたシ ウコウさんは、トラブルによって参加者全員の荷物が現地に届かなかったというエピソードを挙げ、「渡航する前は誰かの力になりたいという気持ちが強かったが、実際は現場でいろいろな人に助けられた」と、予期していなかった新たな学びを得たことを語った。引率していた中沢特任准教授も、「全部揃っていないと誰かを助けることができないのか、ということを学ばせてもらう良い機会だった」と述べた。

最後に司会の中沢特任准教授からサービスラーニングの影響について尋ねられると、2人の履修経験者はそれぞれ「メディアの情報だけでは想像できていなかった具体的なイメージができるようになった。課題について自分なりの回答ができた」「現地の人たちからの言葉をきっかけに自分事にし、何かしらやりたいという気持ちが芽生えた」と話し、サービスラーニングは長期的な面で履修生の行動や心持ちに変化をもたらしていることがうかがええた。

RSL履修経験者による科目紹介ブース

会場のエントランスには、過去のRSL履修生による科目紹介ブースを設置。卒業生が、当時の体験を交えた科目の魅力を語り、学びがどのように現在のキャリアにつながっているかを紹介した。

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