ピエタ

チャペルの豆知識

2017/09/25

キリスト教とチャペル

OVERVIEW

チャペルにまつわる豆知識をご紹介します。

新座中高本館に移設されたピエタ像

新座の立教学院聖パウロ礼拝堂正面入り口直上に、現在はFISK社建造の大オルガンが設置されておりますが、この壁にはかつて、ピエタのレリーフが設置されておりました。イエスが十字架上で死んだのは歴史的事実であり、チャペルが証しているイエスの福音中、最重要と言える内容です。

ピエタとはイタリア語で、哀れみを表す言葉として知られており、十字架上の死を遂げたイエスを抱くマリアの像をピエタ像と呼び、ミケランジェロをはじめ多くの画家や彫刻家がピエタ製作に取り組みました。

聖書の記述によれば、イエスが十字架につけられた時、母マリアがその場に立ち会っていました。愛する息子が目の前で殺されるという、想像しがたい状況の中で、マリアはイエスの十字架を見ていたのです。「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」、イエスが十字架上から母マリアにこう言ったと、ヨハネによる福音書は語っています。

イエスの死は、ユダヤ暦ニサンの月15日の金曜日、午後3時のことだったと書かれています。母マリアはイエスの死の瞬間を共にしたのです。午後3時ということで日はすでに傾いていました。ユダヤでは日没とともに翌日となり、翌日の土曜日は安息日で仕事が禁じられています。埋葬も仕事の一つとみなされるため、イエスの体は十字架から大急ぎで降ろされました。ここがピエタの元となる場面になるわけですが、日没がせまっていたためマリアがイエスを抱いていた時間は長くはなかったでしょう。イエスとマリアは引きはがされるように離され、イエスの埋葬が行われたに違いありません。

さて立教学院聖パウロ礼拝堂のピエタ像は、1984年9月、立教高等学校理科の教諭だった前村行雄先生逝去1周年記念としてささげられ、チャペルに取り付けられました。縦横約2m、重さ150㎏のブロンズ製で、立教高等学校卒業生の彫刻家、三坂制氏の製作によるものです。

2009年、立教学院聖パウロ礼拝堂後部に新しいオルガンを設置することが正式に決まり、ピエタ像が新しいオルガン背部に隠れてしまうため、対応が検討されました。三坂氏は、チャペルに設置することを前提にピエタ像を製作したので、チャペル内で別の場所に移動してもらいたいと希望されました。しかし取り付けには直線の壁が必要で、曲面で構成されているチャペル内に、ピエタ像を設置できる場所は他にありませんでした。

そこで立教新座中学校・高等学校の渡辺憲司校長(当時)が、改築計画を進めていた立教新座中学校・高等学校新本館(現本館)内に、ピエタ像を設置するしかるべき場所を用意することを表明し、三坂氏および前村行雄先生ご家族のご了解をいただいて、2014年3月、ピエタ像は立教新座中学校・高等学校本館正面玄関左側の壁に移設されました。

このようにピエタ像は、取り付け場所の理由によりチャペルから移設されましたが、チャペルの大切な存在であるのに変わりはありません。皆様もチャペルを訪れた際には合わせて、立教新座中学校・高等学校正面玄関においでいただき、左側壁のピエタ像をご覧いただければと思います。

立教新座中学校・高等学校チャプレン 鈴木 伸明

〔『チャペルニュース』第593号2017年2・3月号/連載「チャペルのタカラモノご紹介します!」より〕

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