キャリア・就職支援プログラム「【社会を知る講座特別編】ディレクターのシゴト~プロフェッショナル仕事の流儀~」—開催レポート

キャリアセンター

2022/07/27

キャリアの立教

OVERVIEW

7月5日(火)、NHKと立教大学キャリアセンターがタッグを組み、全学生を対象としたキャリア・就職支援プログラム「【社会を知る講座特別編】ディレクターのシゴト~プロフェッショナル仕事の流儀~」を対面とオンラインのハイブリッド型で開催しました。

「社会を知る講座」は、主にビジネス社会で起こっている世の中の変化や働き方について学生にわかりやすく伝えるプログラムで、2008年度から開催しています。

今回は、NHKの人気ドキュメンタリー番組『プロフェッショナル仕事の流儀』担当ディレクター新保真生氏、村田潤氏、宮田千帆里氏の協力を得て開催。ディレクターのシゴト解説をはじめ、ワークライフバランス、テレビ業界の未来、『プロフェッショナル仕事の流儀』から学んだことなど、それぞれの視点からお話を伺う場となりました。
はじめに、新保氏より、番組制作の流れ(取材・企画提案、ロケ、編集)や番組に取り上げる人物の決め方について説明がなされ、その後、これまでの辛かった経験やシゴトのやりがいについて紹介がありました。村田氏からは、密着した方から「撮影をやめてほしい」と言われた経験と、そこからどのように信頼関係を構築し撮影を再開したのか説明がありました。宮田氏からは、プロフェッショナルの方の考えや想いを引き出し、多くの視聴者の方に届けられた瞬間にやりがいを感じるとの説明がありました。

上記ののち、パネルディスカッションに移行。「ディレクターのワークライフバランス」というテーマについて登壇者から発言がありました。

パネルディスカッション1 ディレクターのワークライフバランス

村田氏:一昔前のイメージのように徹夜で仕事をするということはない。徹夜で仕事をすると効率性も下がる。NHK全体として残業時間は年々減少している。他の会社で働いている友人よりも働いている時間は短い印象。
新保氏:過去に上司から「寝ないで仕事をした結果、(完成度が)1点上がるだけなら上げなくても良い」と言われたことがある。稀に無理して働きたいと思うこともあるが、総合的なパフォーマンスを考えてそのようなことはしない。
宮田氏:ディレクターも土日が所定休日となっており、しっかりと休みが取れる。休日は普通に友人と遊んだりしながら過ごしている。
新保氏:追加で一点だけ補足をすると、NHKの特殊な働き方として、大規模災害など不測の緊急事態が発生した場合には、現場に行き徹夜で仕事をすることもある。

「テレビ業界の未来」というテーマでは以下のような発言がありました。

パネルディスカッション2 テレビ業界の未来

村田氏:業界自体の未来は明るくないかもしれないが、コンテンツ制作という観点で見ると、明るい未来が広がっていると考えている。
宮田氏:正直、業界の展望は分からないが、テレビの存在は大切だと考えている。テレビは自身の興味がないものも目にすることになるが、動画配信サービスは興味のあるものしか見ないため、視野や価値観が狭まっている気もする。
新保氏:テレビという箱の中だけで考えると業界の未来は明るくないと考えるが、例えばNHKプラス(常時同時配信・見逃し番組配信サービス)のように、テレビという箱だけに限定されないサービスまで含めれば、業界の未来は明るいのではないか。

「『プロフェッショナル仕事の流儀』から学んだこと」というテーマでは以下のような発言がありました。

パネルディスカッション3 『プロフェッショナル仕事の流儀』から学んだこと

村田氏:一流と言われるプロフェッショナルの方もたくさんの挫折をしているし、学生のみなさんよりも恵まれていない環境にあった方も多い。プロフェッショナルの方でも失敗や挫折はしているので、これからの人生で何か失敗したとしても落ち込み過ぎないことが大切だと学んだ。
宮田氏:幸せの形に最初からたどり着けなくても良いと取材を通じて感じている。プロフェッショナルの方も、最初からやりたいことをやりたいようにできたわけではないと学んだので、たとえ時間がかかったとしても、最終的に自分のやりたいことや幸せにたどり着ければ良いのではないか。
新保氏:自身が担当したプロフェッショナルの方の「私は私で良い」という流儀が非常に好きで今でも勇気づけられている。誰かと比べた先に満足はあっても幸福はないので、みなさんも「私は私で良い」と自分に言い聞かせてこれからの人生を歩んでいってほしい。
最後に行われた質疑応答は、対面の挙手制とオンラインの質問ツールを併用して実施し、合計で100件以上もの質問が寄せられました。「なぜNHKのディレクターを志望したのか」、「プロフェッショナルの方に共通することは」、「自身の興味のある対象を取材することは可能か」、「社会におけるドキュメンタリー番組の役割とは」といった質問に対し、登壇者のみなさんはそれぞれの考えや経験から真摯に回答くださいました。プログラム終了後も、対面で参加した学生が個別質問のために長蛇の列を作り、1時間ほど延長して対応してくださいました。

今回のプログラムは、キャリアセンターとしては初めて対面とオンラインのハイブリッド型での開催となりました。参加した学生はディレクターのシゴトについて知るだけでなく、これからの学生生活を含めた人生をどのように生きていくのかを考えるきっかけとなるプログラムとなりました。

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