キャリア・就職支援プログラム「社会を知る講座-キャッシュレス決済が描く未来ー」を開催

立教大学

2020/11/12

キャリアの立教

OVERVIEW

10月23日(金)、キャリアセンターによる全学部生を対象としたキャリア・就職支援プログラム「社会を知る講座-キャッシュレス決済が描く未来-」をオンラインで開催しました。

経済産業省キャッシュレス推進室総括補佐 奥田 岳慶氏

「社会を知る講座」は、急激に変わる社会の変化について学生にわかりやすく伝えるプログラムで、2014年度から開催しています。

2020年度2回目の開催となる今回は、経済産業省キャッシュレス推進室、東日本旅客鉄道株式会社MaaS・Suica推進本部および株式会社マネーフォワードの協力を得て開講。キャッシュレス化推進の背景、導入を急ぐ企業・団体の戦略、また消費者の意識や行動の変化について、キャッシュレス産業に携わるそれぞれの視点から今後の展望などを考える場としました。

冒頭、キャリアセンターからプログラムの概要や目的について説明があったのち、経済産業省キャッシュレス推進室総括補佐の奥田 岳慶氏より「キャッシュレス決済が描く未来」というテーマで自己紹介も含めてお話しいただき、キャッシュレス決済の現状と2025年までにキャッシュレス決済比率を4割とする政府目標、利便性や衛生面などのキャッシュレス決済のメリット、2019年から行われたポイント還元事業の結果分析などについて説明がありました。

東日本旅客鉄道株式会社MaaS・Suica推進本部決済事業部門FinTech・クレジットG課長 高松 奈帆人氏

その後、東日本旅客鉄道株式会社MaaS・Suica推進本部決済事業部門FinTech・クレジットG課長の高松 奈帆人氏と、株式会社マネーフォワード取締役執行役員マネーフォワードFintech研究所長の瀧 俊雄氏からそれぞれ自己紹介と事業紹介についてお話しいただきました。

高松氏からは、同社の経営の第3の柱として成長したSuicaの導入経緯や苦労話などについて触れ、16年に渡る実験を経た結果、ICカードを触れたくなるカバーデザインの傾斜が13度であることなど多くの発見があったことや、非接触ICカードを用いながらもあえて「タッチ&ゴー」というキャッチフレーズを用い、利用者が確実に電波範囲にうまくSuicaをかざすことを促したことにより、0.2秒の高速処理を可能にしたことなどの紹介がありました。

瀧氏からは、2012年にリリースした家計簿アプリ「マネーフォワード ME」をはじめとした同社の事業について紹介があり、以前のように手で入力する時代ではなくなり、電子マネーやクレジットカードで支払うとその決済データをアプリが取り込み自動的に家計簿をつけてくれる仕様となっていることから、同アプリとキャッシュレス決済は密接な関係になっており、同社としてもキャッシュレス決済を推進しているという話がありました。

上記ののち、パネルディスカッションに移行。キャッシュレス化を推進する上での課題や今後のプランについて登壇者から発言がありました。

株式会社マネーフォワード取締役執行役員マネーフォワードFintech研究所長 瀧 俊雄氏

奥田氏からは、キャッシュレス決済が進んでいる他国の事例を紹介し、国内でのキャッシュレス導入の阻害要因について手数料の高さ、端末導入費の高さ、入金サイクルの長さを挙げ、それらへの対応として手数料等のコスト構造変革や中小店舗への普及促進の取り組みなどについて紹介がありました。

高松氏からは、Suicaの利用者を増やすことと利用可能な場所を増やすことを課題に挙げ、外部の企業とも連携してSuicaの価値を向上させていくことが必要と話し、Suica等で新幹線全線が乗車可能になる新幹線eチケットサービスや楽天ペイとSuicaの連携などの取り組みについて紹介がありました。

瀧氏からは、現金を使い続けてきた背景に移動コストの低さや治安の良さなど日本特有の事情があると指摘。抜本的な社会変化をするためには「安心のイメージ」を持ってもらうことが大切だと話し、お金の動きがアプリ上で即時かつ丁寧に確認ができることなどがそれにつながると話しました。

その後、参加者から寄せられた質問に登壇者が回答し、奥田氏は、キャッシュレスによる浪費の防止策についての質問に対して、自分がどれくらい使ったのかについて管理・把握する取り組みを進めることが大事と話しました。

高松氏は、キャッシュレス普及と企業活動や働き方への影響についての質問に対し、Suicaの普及により券売機が店舗に置き換わる例も増えており、同社の駅ナカ事業と駅のキャッシュレス化の関わりについて紹介がありました。

パネルディスカッションの様子

瀧氏は同業他社との違いについての質問に対し、マーケティングの4P(Product、Price、Place、Promotion)を挙げ、家計簿や帳簿をつけるというサービスではProductの点であまり差があってはならず、就職活動時の企業分析ではどういう人に受け入れられやすいか、4PのPlaceやPromotionなどに注目することを勧めました。

最後に3人への共通質問として、学生のうちにこれを知っておいたほうがよい、経験しておいたほうがよいことが寄せられ、奥田氏は学生時代は自由に時間がありリスクが取れることを挙げ、「長期の旅行やインターン、アルバイトなどで職場体験するのは学生のときにしかできないので経験してほしい」とアドバイスしました。

高松氏は、「身近で『こういう人になりたい』という人を見つけること。そうすれば自分の夢が現実的に見えてくる」と話し、在学中にロールモデルを見つけることの大切さを説きました。

瀧氏は、世の中の移り変わりが激しく、学び続けることが必要な時代に生きるうえで大事なことは、自分がどういう時に集中できるのか、そして自分が何が好きなのかを知ることであり、「そのための準備期間が学生時代。がんばってください」とエールを送り、プログラムは終了しました。

新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、当日はオンラインでの開催となりましたが、電車以外でのSuica利用経験やMoney Forward MEの利用経験のアンケートを取ったり、プログラム中に質問を募集して登壇者から回答するなど、オンライン開催ならではの工夫も凝らされたイベントとなりました。

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