理系と文系が交わって生まれる多様な価値観が新たな視点を与えてくれた

渡邉 和浩 さん DIC株式会社 [理学研究科化学専攻(前期)2019年3月卒]

2019/07/12

キャリアの立教

OVERVIEW

理学研究科の卒業生に立教大学での学生生活とキャリア形成についてお聞きしました。

「理系×文系」で起きる化学反応がおもしろい

立教大学を選んだ理由は、自分と異なる価値観になるべく触れたいと考えたからです。まずは全学共通科目で幅広い学問に触れられる点。とくにおもしろかったのが宗教についての授業だったのですが、映画や小説を見ているようで、ワクワクしながら聞いていました。論理的な思考をする自分にとってはまったく新しい価値観ばかりで、「こんな考え方があるんだ!」と新鮮な発見に満ちた時間でした。

そしてもう一つ、理系と文系が同じキャンパスで学べるという点も大きかったです。実際、授業を通じて文系の友人もたくさんでき、彼らとの会話もまた新鮮な発見が多く、刺激的でした。たとえばこちらが常識だと思っていることが彼らにとっては違ったり、「問題解決」と一言で言ってもそこに至るまでのアプローチがまったく異なったり。多様性の重要性がさけばれている昨今、このように多様な価値観に触れられる場は本当に貴重。理系の授業、理系の友人だけでは絶対に得られなかったでしょう。

「伝えたい」という思いが性格まで変えた

学生時代は研究に力を入れる一方、アルバイトにも精を出し、休日には母校のアメリカンフットボール部でコーチもしていました。時間に追われる毎日でしたが、結局のところ人とコミュニケーションをとるのが好きなのか、時間ができたときは、誰かと会っていました。しかし高校生まではどちらかというと控えめなタイプで、自分が何に興味があって、何に向いているのかが分からず、いつも不安を抱えていたのを覚えています。

何が私を変えたかというと、おそらく研究発表の場でしょう。自分の研究について“伝えたい”という思いが強く、どうすれば伝わるかを突き詰めるなかで、いろいろな人と意見を交換する楽しさに気づいたんです。私にとっては研究でしたが、ほとんどの人はそれぞれのタイミングで、夢中になれる何かに出会うもの。もし昔の私にアドバイスができるなら、「未来なんて誰にも分からないのだから、まずは目の前のことに全力で取り組め」と、肩を叩いてやりたいです。

公務員志望が一転、研究の道へ

公務員の家庭に生まれ育ったため、大学に入学してすぐの頃は、漠然と「将来は公務員として歩んでいくのだろう」と考えていました。しかし化学の勉強、なかでも研究が想像以上に楽しく、公務員の選択肢はいつの間にか頭から消えていて、研究を続けたいと大学院に進みました。そして研究発表をした学会で賞をとり、さらに卒業後も研究に携わりたいと、DICに入社を決めました。DICは私が研究で扱っている特殊なプラスティックにおいて高いシェアを持っている企業で、ここでなら私の専門性を活かせると思ったからです。

ただ当然ですが、基礎研究と応用研究は似て非なるものですから、入社後、大学での研究がそのまま当てはまるわけではありません。しかし材料に対する研究の仕方や、こういう測定をしたらこういう結果が出るだろうという想像力など、“経験”に基づく技術や知識はきっと活かせるはず。研究に没頭できた学生生活は、失敗も含めてすべてが無駄ではなく、将来につながる大切な時間だったと思っています。

企業を選ぶときは“生の声”に耳を傾けて

私が研究で使用していたプラスティックを扱う企業はDICだけではなく、他にも多くの企業がありました。そのなかで企業を選ぶ際、私が重視したのが“社風”です。社風を知るため、会社説明会など、働く人々の生の声を聞く機会があればかならず足を運びました。会社の雰囲気はもちろん、「私生活も充実している人が多いか」「体育会系か」など、ネットのデータでは分からない情報も、人を見ると分かります。

DICは特にお話しさせていただいた方の人柄に魅かれ、かつ面接でも一番素直な自分が出せたような気がした企業。ですから内定をいただいたとき、「やっぱり」という納得感がありました。就活においてこの納得感はすごく重要。内定をもらうと嬉しいですし、そこで就活を辞めてしまいたくなるもの。しかし「本音で話せなかった」など、どこか違和感があるのなら、その違和感の正体を見つめる必要があり、場合によっては他の企業を考えみてもいいのではと思っています。

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