RSL科目の履修生が農福連携により生産された野菜を使ったランチボックスを販売

川田 桜雪さん(2025年文学部史学科卒業)、社会学部現代文化学科4年次 真下 綾乃さん

2026/07/31

立教生のキャンパスライフ

OVERVIEW

立教サービスラーニング(RSL)※1の科目「RSL-ローカル(地域共生)~SOCIAL & PUBLIC(SDGsとグローカルの可能性と実践からウェルビーイングへ)~*」の履修生が中心となり、農福連携で生産した野菜を使ったランチボックスなどを販売しました。立教大学のホームカミングデーに出店したその経緯を、プロジェクトに携わった川田桜雪さんと真下綾乃さんが語ります。

しょうがい者と協働しながら農作業を体験し、学びを深める

真下 荒川のごみ問題に取り組むRSL科目※2を履修し、実際に現場を訪れて学ぶ大切さを実感したことから、2025年度の「RSL-ローカル(地域共生)」の履修を決めました。農業や食に対する関心も動機の一つです。

川田 私は在学中の24年度にサポート役として授業に関わり、事前・事後学習や現地での農作業など、履修生と共に全ての活動に参加しました。

真下 5日間のフィールドワークでは、埼玉県熊谷市で農福連携を進める埼玉福興社※3を訪れ、野菜の種まきや収穫を体験しました。現場で働くしょうがい者の方などと交流する中で、農業に対する熱い思いを伺うことができ、貴重な学びになったと感じます。

川田 私は熊谷市出身で長く暮らしています。真下さんと同様に埼玉福興社を訪れたのですが、農福連携をはじめ、それまで知らなかった地域の一面に触れることができました。

真下 フィールドワーク中は、PUBLIC DINER社※4の施設に宿泊して、毎晩、全員で輪になって座り、その日の感想をシェアした時間が特に印象に残っています。

川田 同じ体験でも感じ方は人それぞれで、共感や発見が生まれるのが面白いですよね。対話を通じて学生同士の関係が深まっていく点は本科目の大きな魅力です。

※1 立教サービスラーニング(RSL):社会の現場での活動と教室での学びを組み合わせた実践型教育プログラム。講義系・実践系・ゼミナール、それぞれの正課科目(全学共通科目)が用意されている。
※2 科目「RSL-グローカルA(荒川)」。東京都の荒川河川敷でのフィールドワークを通じて、海洋ごみがさまざまな社会課題とつながっていることを認識し、その解決に向けた視点を養う。
※3 埼玉福興社:多様な「人財」活用の一つとして、しょうがい者等を雇用しつつ、農業生産を行う。
※4 PUBLIC DINER社:「地域を食でデザインする」をコンセプトに、飲食店やゲストハウスなどを運営。
*RSL-ローカル(地域共生) SOCIAL & PUBLIC
SDGsとグローカルの可能性と実践からウェルビーイングへ

誰もが幸福に持続可能な社会で暮らせる方法について、実践の中から五感で学び、課題解決に必要な視点やスキルを身に付ける科目。埼玉県熊谷市で埼玉福興社とPUBLIC DINER社の活動に参加し、食の地産地消を巡るプロセスへの理解を深めます。「SOCIAL & PUBLIC」は2社による合同レーベルであり、活動体の名称です。

2年がかりで実現したランチボックス・野菜の販売

川田 24年度のフィールドワークでは、従業員の方と廃棄野菜を活用する方法について話し合う機会がありました。その中で生まれたアイデアがランチボックスの販売です。しかし、準備期間の不足で実現には至らず、真下さんら25年度の履修生に委ねられました。

真下 当初は自分たちの発案でないことをはじめ、学校生活や就職活動との兼ね合いから否定的な意見もありました。私も当初は消極的でしたが、学びを行動につなげるために、企画を引き継ぐ形でも取り組む意義はあると考えるようになりました。事後学習での議論を経て「やろう!」という声が高まり、ホームカミングデーへの出店が決まったのです。

川田 私は卒業生の立場から携わり、販売内容や進め方について先生と学生に確認しながら準備を進めました。

真下 最終的に決まった販売商品は、埼玉福興社の野菜を使ったランチボックスと野菜単品、焼き菓子です。イベント当日は開始直後こそ来場者が少なく不安でしたが、商品POPを作ったり、懸命に呼び込みを続けたりするうちに売り上げが伸びていきました。ランチボックスが昼過ぎにはなくなり、その後、残りの商品も完売した時にみんなで喜び合ったことは忘れられません。

川田 埼玉福興社の皆さんに加え、本科目を履修していた卒業生も手伝いに来てくださり、本当にうれしかったです。私自身、PUBLIC DINER社の社員だからこそ深く関われた活動であり、学生と社会人、双方の視点から役割を果たせたことに誇りを感じます。

真下 今回の出店では、お客さまからRSLについて質問を受ける機会もあり、科目の意義を発信するきっかけにもなりました。
2025年10月に開催されたホームカミングデーに出店。学生たちが連携企業と協力しながら、ポスター制作や当日の設営・販売などを行った

活動を受け継ぐとともに新たなアクションを起こす

川田 地域や企業の方々と出会えたRSL科目は、たくさんの「縁」をもたらしてくれました。これからも今回の出店のような活動が受け継がれ、より多くの学生にとって価値ある学びの機会になることを期待します。

真下 私は社会課題を「自分事」として捉えられるようになりました。得た経験を次世代につなげるとともに、主体的に新たなアクションを起こす姿勢を大切にしていきたいです。

川田 桜雪さん

2025年文学部史学科卒業。4年次に授業のサポート役として「RSL-ローカル(地域共生)」に参加。現在はPUBLIC DINER社に勤務する。22・23年度の履修生による子ども食堂の取り組みを受け、同社の店舗を活用したイベント「PUBLIC TABLE」を開催。年齢を問わず地域のさまざまな人々が食事を楽しむ場で、履修生らも訪れ交流を深めている。

真下 綾乃さん

社会学部現代文化学科4年次。2年次に受講したRSL科目で現場活動の大切さを実感し、農業や食に強い関心があったことから「RSL-ローカル(地域共生)」を履修。ホームカミングデーへの出店では、販売に加え代表としてメンバーのシフト管理なども担う。環境分野を扱うゼミに所属し、今回の経験を生かした卒業研究を構想している。

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