伝統をつなぐ次期女子主将——努力を重ね歩み続ける笑顔の裏側

ゴルフ部女子

2023/02/08

アスリート&スポーツ

OVERVIEW

立教大学体育会の中でも60年以上という長い歴史を誇るゴルフ部。1年次からレギュラーメンバーに入り、女子チームの中心となってきたのが郷田杏奈(営3)だ。学業が忙しい中でも、妥協を許さず毎日ゴルフと向き合い続ける彼女。伝統ある紫の襟を率いていく次期主将候補の熱いまなざしに迫った。

弱さと向き合う強さ

左:試合後に笑顔を見せる部員たち(1番右が郷田)、右:思い切りスイングする郷田

ゴルフを本格的に始めたのは小学3年生の時。ゴルフ用品の専門会社を経営する両親のもとで、プレーヤーとして歩むのは必然だった。強豪のゴルフクラブで練習を重ね実力を磨いていったが、当時は「嫌々やっていた」と言う。しかし大学入学と同時にゴルフ部に入り、その思いは一転した。同世代の人たちと共に練習に取り組み、試合では心を一つに「チーム」として戦う環境。何よりも人と人とのつながりを大切にする彼女にとって、新しいゴルフの形が開かれた。

学業との両立が厳しい時でも、毎日ゴルフクラブを振ることは欠かさない。頑張れる理由は、「私がやらなくては」という部に対する強い責任感、そして自分のプレーのためだった。「考えすぎてしまう性格だから、練習しないと試合の時に不安になってしまう」。一瞬のメンタルが勝敗を分けるゴルフの世界。その中で、誰よりも自分の弱さに向き合うことのできる強さがあるからこそ、彼女のスコアは輝きを放つ。

入部当初から掲げる目標は、関東女子のDブロックからCブロックへ昇格すること。毎回あと一歩のところで逃してきた夢を実現するため、自分自身の可能性を信じ、部のために強くなることを心に誓った。

確固たる他者貢献の軸

ゴルフコースを回る郷田

大会前に円陣を組むゴルフ部部員

「主将」という二文字をひときわ意識し始めたのは3年次になる時の代替わり。入部当初からレギュラーメンバーとして上級生に混ざり積み上げた実績が評価され、歴代主将が務めてきた記録役職に任命される。部をまとめる立場になることを見据え、今の自分に足りないところを模索した。ロールモデルとなったのは、新入生時代の女子主将。部員全員の「憧れの存在」になるために、後輩への接し方を見直した。目指すのは、指示する立場とされる立場という関係性を超えた居心地の良い上下関係。「責任が伴う立場だからこそ、誰よりも部のことを大事に思い、それに見合った行動を取らなければいけない」。後輩が自主的に動ける環境を整えるため、日頃のあいさつや技術的な指導を通して、徹底して「無償の愛」を与え続けることを決意した。

「部員が帰ってきたいと思えるような場所を作りたい」。伝統やルールの徹底はもちろんだが、それ以上に大切にしたいのは、同志として頑張る仲間との関係性の構築だと語る。それは、自分の周りにいる他者を幸せにしたいという彼女の強い願いだった。常にエネルギーを与え続ける「太陽」として、そして部員のことを一番に考え見守り続ける「月」として、未来の女子主将は前進し続ける。
「立教スポーツ」編集部から
立教大学体育会の「いま」を特集するこのコーナーでは、普段「立教スポーツ」紙面ではあまり取り上げる機会のない各部の裏側や、選手個人に対するインタビューなどを記者が紹介していきます。「立教スポーツ」編集部のWebサイトでは、各部の戦評や選手・チームへの取材記事など、さまざまな情報を掲載しています。ぜひご覧ください。

writing/「立教スポーツ」編集部
経営学部国際経営学科3年次 三俣心葉

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