5年ぶりのリーグ戦勝利へ
カギを握る二人 ──抜きたい、抜かれたくない

アイスホッケー部

2019/08/07

アスリート&スポーツ

OVERVIEW

歓喜と不安、1部残留を成し遂げた安堵と2部との差が縮まっていることへの恐怖。選手たちは笑顔を見せつつも、その表情は硬かった。

チームの中心を担う役割が期待される久保(左)と佐山

2018年12月の関東大学アイスホッケーリーグ戦入れ替え戦。立教大学は昭和大学にGWSまでもつれ込む激戦を制し、ディビジョンIグループB残留を決めた。しかし、目標のリーグ戦1勝は成し遂げられず、17年は快勝していた入れ替え戦でも苦戦を強いられた。さらに、残留に貢献した8人が引退して、大幅な戦力ダウンが避けられない。その中でチーム飛躍のカギを握るのが、アイスホッケーを大学から本格的に始めた二人。久保裕太郎(コ3)と佐山雄一(済3)は「自分たちのレベルアップが不可欠」と決意を語る。

※GWS=試合終了時に同点の場合行われる方式。


悔しいし、うらやましい


アイスホッケーは、ハンドリングだけではなくスケーティングも要求され、久保いわく「この世で一番難しいコンビネーションスポーツ」。幼い頃から競技を続けている経験者が優位となる。

入部当初、久保と佐山は全体練習に参加できず、休憩時間に1対1での練習を繰り返した。未経験者ながらアイスホッケーの世界へ飛び込んだ二人は、共に技術を身に付けていった。転機が訪れたのは18年の秋。夏にけがをした選手に代わり、佐山がセットに入った。リーグ戦では初ゴールを挙げ、チームの戦力として活躍した。「悔しいし、うらやましい」。久保は同期の活躍を複雑な表情で見つめた。

18年シーズン第6戦、学業上の都合で佐山が試合を欠場。有力な代役候補として久保の名前が挙がった。佐山は「抜かされる」という不安から、アドバイスを求めてくる久保をあえて無視した。その様子を見た副将の尾池忠(19年3月済卒)は佐山に声をかけた。「アドバイスしろよ」。しかし、「したくないです」とうつむいた。すると、「ダメだろ」と一喝を受けた。好機と危機の交差が本心を思い出させた。「最終的な目標は、同期5人で試合に出ること。そのためだったら、久保が自分に追いつく結果になってもいい」。

試合前日の晩、佐山は「本当は言いたくないけど」と照れまじりな書き出しで、試合中に意識していることをまとめたメッセージを送った。試合はリンクのコンディション不良で延期となってしまったが、久保は送られたメッセージをいまも大切に保存している。

リーグ戦専修大学との試合、佐山(中央)は公式戦初ゴールを挙げた

「同期で一番頑張っている」(熊木・文3)、「努力家」(竹高・法3)と周囲の信頼も厚い久保

火をつけてくれる存在

2018年12月9日、入れ替え戦はGWSで辛くも勝利

19年のスローガンは久保のアイディアにより「Change」となった。一人一人の変化によってチームを変えていこうという強い意志が込められている。「頑張っていくためには切磋琢磨が必要。俺が佐山を抜くために頑張れば、佐山も頑張り、結果としてチームが強くなる」。佐山は「久保は闘志に火をつけてくれる存在。抜かれたくない」。二人のプライドがぶつかり合い、力が合わさったとき、5年ぶりのリーグ戦勝利が見えてくる。そして、そのリンクの中心には久保と佐山がいる。
「立教スポーツ」編集部から
立教大学体育会の「いま」を特集するこのコーナーでは、普段「立教スポーツ」紙面ではあまり取り上げる機会のない各部の裏側や、選手個人に対するインタビューなどを記者が紹介していきます。「立教スポーツ」編集部のWebサイトでは、各部の戦評や選手・チームへの取材記事など、さまざまな情報を掲載しています。ぜひご覧ください。

「立教スポーツ」編集部
社会学部メディア社会学科3年次 大場 暁登

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