立教大学アメリカ研究所主催研究セミナー2000
メディア時代の文化比較──日米3連符ソング考──
佐藤良明
 立教大学アメリカ研究所では、6月に行ったセミナー「ポピュラー音楽の学際研究」(講師:三井徹氏)を引き継ぎ、『J-POP進化論』の著者であり、東京大学教授の佐藤良明氏を講師に迎え、「メディア時代の文化比較──日米3連符ソング考」と題した研究セミナーを行います。
 佐藤氏は、アメリカ研究所が行ったアンケート「日本のアメリカ研究には何ができるか」(『立教アメリカン・スタディーズ』第22号所収)に、次のような回答を寄せています(一部抜粋)。「文化研究においては、地域文化としてのアメリカの特異性ではなく、メディアを通して世界を覆う「アメリカ」のダイナミクスについての考察がなされなくてはならない。日本人としてそれに関わるためには、部分的にはかなり激しく“アメリカナイズ”され続けてきた我々自身の心のうちを生け捕るような視点と方法が必要となる」。
 今回の研究セミナーの講義では、実際の曲を聴きながら、日本の(歌謡曲の)ヒット曲とアメリカのヒット曲を題材に「3連符」に注目した日本とアメリカの文化比較研究となります(具体的には「ヒット曲の文化ダイナミクス」(『メディア──表象のポリティクス 表象のディスクール5』所収)をもとに、若手の研究者に向けてアップデートされたものとなる予定です)。
 講義後には、質疑応答を行います。

日時:
2000年12月5日(火)18:00-20:00
場所:
立教大学池袋キャンパス
5号館4階 5401教室 *地図
講演者:
佐藤良明
(東京大学総合文化研究科教授・メディア文化,ポピュラー音楽)
司会:
阿部 珠理(研究所所長・本学教授)
*座席数は約70です。
     
参加者の声

 黒人音楽のシャッフル・ビートと日本のまりつきのリズムに類似点があるというお話に、たいへん興味をひかれました。
 私の中にある土着のリズムについて考えました……
 どんぶらこっこ どんぶらこ というのがそうかなあと思ってみたりしました。

Y・Yさん
立教大学大学院文学研究科
比較文明学専攻博士前期課程

 普段は、ほとんど「演歌」を聴かず、専らポップ、ロック中心の生活です。
 しかし、神経の尖らせ方によっては、異なる(と思われる)ジャンルに、意外な共通性が 発見できることが分かり、それこそ、国、人種、時代を越えた、かなり普遍的なものなのとして、捉えなおすことが可能であると思いました。
 私の青春時代の曲は80-90年代中心ですので、今回聴いた「演歌」「歌謡曲」が新鮮に響いたことも事実です。でも、不思議なことに、ビートルズは聴く(聴ける)けど、森進一は聴かない(聴けない)のはなぜでしょう?
 謎は残っていますが、これからの佐藤先生の研究結果を期待します。

今 加奈子さん
東京女子大学大学院

 質問の最後のご発言を聞いて少し納得しました。
 というのも、「日本の腰」といった言葉に、『J-POP進化論』を読んだ頃から違和感を覚えていたのです。「日本の~」なるものが何を指しているのか、どこに適応しているのか、によりセンシティヴになる必要があるのではないかと思いました。
 たとえば、「日本の腰」が表現されている演歌を歌う人が在日韓国人であったりすること、演歌を含め芸能界に彼/彼女らが非常に多く含まれていること、その事実がタブー化されている構造があること、などに佐藤さんの研究はどう向き合っていけるのでしょうか?
 “B”なものが「日本」の「ポピュラーな層」に土着化したとはいえ、それを完全に一元化することはできないでしょう。誰が“B”なものを流用し、どのような回路でそれが「土着化」していったのか? そのエージェントの問題を丁寧に見ていく必要があると思います。
 

青木 深さん
一橋大学大学院社会学研究科
地域社会研究専攻修士課程


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