97年度立教大学アメリカ研究所主催連続公開講座 「アメリカ文化の現在──映画・演劇・写真」
アメリカ映画の構造と歴史
加藤幹郎

日時: 1997年11月12日(金)18:30-20:30
場所: 立教大学池袋キャンパス
太刀川記念館3階多目的ホール
講演者: 加藤幹郎氏(京都大学総合人間学部助教授)
司会: 小林憲二(研究所所長・本学教授)

 
報告

 平日の夕方にもかかわらず45名の参加者を得ました。講座の内容は更めて報告いたします。とりあえずは当日参加された方々によるアンケートから以下報告に替えておきます。全体には非常に好評で講師の加藤氏には心からお礼申し上げます。「もっと聞きたい」という感想をたくさん寄せていただきましたことをここに報告いたします。ここには、中でも本講座の様子をよく伝えるものと、企画に対する要望などを企画者側の自戒を込めてピックアップしました。企画としての不備があったとすれば、それはひとえに研究所の責任であり、加藤先生に負うべきものではないことを申し添えます。
 また当日加藤先生より、先生ご自身が共同編集されているオンライン映画ジャーナル
CinemaMagaziNet! の存在を教えていただきました。先生の許可のもと、ここにリンクします。

山越邦夫
アメリカ研究所

参加者の声
内容的なもの
非常に面白い講座でした。映画を興業的、娯楽的な側面からのみとらえるのではなく、ある一つのイメージ、もしくは複数のイメジャリーからクロスレファランスし、テキスト的な読みを行うことのできる一つの芸術形態として見なす、という批評のあり方を講座を通じて理解できたことは、とても有意義でした。モーションという概念の抽出・凝縮としての「列車」を、空間的意義とエロス的シンボルの点から解釈するそのやり方には大いに感銘を受けました。現在、ビデオの普及により、映画が一時的な経験から研究素材へと移行して行く中、映画批評はますます重要性を増して行くであろうことを心から実感しました。
大変興味深い内容でよく準備された講演だったと思います。フィルムを見比べることで確実に映像が記憶に残りました。映画を論じる方法は様々にあるはずですが「映画館-列車-欲望」というキーワードで映画史の一断面を見ることができ勉強になりました。
映画館にいる人間の欲望の根っこは、自分もスクリーンの中に入りたい、スクリーンの中の出来事を共有したいということなのだということを改めて確認したように思う。
映画史の中に、ある一方向の運動性を保つ「列車」という、いわば車や飛行物体にさえも通ずるような「物体の映画における神話性」とも言えるアイデンティティを見い出していることに関心を持った。他に、「一直線」という「列車」の持つ単純化された運動が映画にとってどのような魅力となっているのか、そのあたりを先生がどう考えているのか、尋ねて見たい。
要望を含むもの
「タナトスの映画史」も立教でやってほしい。
もっと多くの話を聞きたいので続編もぜひやってください。入場無料でなくてもよいので、レジュメや資料を配ってもらえるともっと解りやすかったのでは。
(技術的な問題について)映像を出すまでの間が長かったりして、流れがとぎれがちだった。
(企画全体について)今後もこのような映画に関する企画を希望する。
(企画全体について)アメリカ文化の現在というテーマであるならばやはり音楽も入れてほしかった。
アンケートへのご協力ありがとうございました。(アメリカ研究所:山越)

 
 運営:立教大学アメリカ研究所

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