2001年度立教大学アメリカ研究所主催連続公開公開講演会

女性と政治
(全3回)

 立教大学アメリカ研究所では、2001年度、「フェミニズム」「ジェンダー」の問題に光を当て、アメリカの議会政治における女性の政治参加の問題を出発点にして、近代国民国家の歴史とジェンダーの関係を多角的に検討し、ジェンダーの視点から世界の未来像について考える全三回の連続公開講演会「女性と政治」を開催いたしました。

  

11/16

Women in the U.S. House of Representatives~米国議会の女性たち~

Katherine G. Aiken(キャサリン・G・エイキン)

日時: 2001年11月16日(金)18:30-20:30
場所: 立教大学池袋キャンパス8号館8201教室
講演者: キャサリン・G・エイキン(アイダホ大学教授)
司会: 阿部珠理(研究所所長・本学教授)

 

報告

 立教大学アメリカ研究所は、本年度、「フェミニズム」「ジェンダー」の問題に光を当て、アメリカの議会政治における女性の政治参加の問題を出発点にして、近代国民国家の歴史とジェンダーの関係を多角的に検討し、ジェンダーの視点から世界の未来像について考える全三回の連続公開講演会「女性と政治」を開催いたしました。

 第1回は、キャサリン・G・エイキン氏による講演「米国議会のなかの女性たち」を行った。エイキン氏は、米国における議会政治と女性の政治参加の問題を浮き彫りにするため、アイダホ州初の女性議員グレーシー・ポストに焦点を合わせ、公的な領域においては特に男性中心的であった1950年代の米国社会のなかで、いかに彼女が従来型のジェンダー規範を侵犯/越境しながら米国の議会政治に政治家として参加していったかを具体的に検討した。「男性的」であると同時に「女性的」(=家庭的)であることを要求された一人の女性議員の政治的な身振りを通して、米国における政治と性役割の関係が明らかにされた。

 第2回は、ナンシー・カセバウム・ベーカー氏による講演「変革へのチャレンジ」を行った。米国駐在大使夫人でもあるベーカー氏は、米国と日本を同時に見渡す現在の視座と、長年にわたる米国上院議員としての豊富な経験から、民主主義社会における参加の重要性、そしてそれによる社会変革の可能性を強調した。また、講演参加者との活発な質疑応答のなかでは、自身の個人的な経験を紹介しながら、女性にとっての家庭生活と仕事の両立、職場での男性との関係のありかたなどについてざっくばらんな議論が行われた。

 第3回は、江原由美子氏による講演「近代国民国家とジェンダー」を行った。江原氏は、女性兵士問題、ドメスティック・バイオレンス、従軍慰安婦問題などの「性・暴力・ネーション」をめぐる現在の諸問題を具体的に検討しながら、それらの諸問題は無関係に存在するのではなく、すべて近代国民国家によるジェンダーの利用に端を発する問題なのだということを広いパースペクティヴのなかで検証した。ジェンダーの問題を考える際、近代(国民国家)の再検討はもはや避けて通ることのできない課題であること明らかにされた。

 3回の講演とも学内外の学生を中心に、教員、研究者など多数の参加者を得て、講演後には講演者と参加者との間で活発な質疑応答が行われた。この場で、講演者および参加者の方々に感謝の意を伝えたい。

福本圭介

アメリカ研究所

『立教アメリカン・スタディーズ』第24号(5-6頁)より転載


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