2025/09/26 (FRI)

立教大学共生社会研究センター公開セミナー
「被害のその後を生きるとは?——「修復的正義」の可能性を現代史のなかに探る——」(2025年11月1日)開催のお知らせ

共生社会研究センター認定研究プロジェクト「1970年代から2000年代における日本社会の変容と社会運動に関する歴史学的考察」では、社会的に周縁化された人々による社会運動を含む様々なテーマで実証的研究を積み上げてきました。本セミナーでは、本プロジェクトの成果共有の一環として、1970年代以後の戦後日本社会を対象に、「修復的正義」をキーワードとして被害と加害の問題を取り上げます。

修復的正義(Restorative Justice)とは、刑事司法による加害者への処罰に注目する考え方とは異なり、被害者の損害とニーズに重きをおく考え方です。戦後日本を振り返ってみたとき、被害と加害の問題は、公害反対や環境保護を訴えた社会運動や、日本の戦争や植民地支配に対するアジアを始めとする世界各地の人びとによる責任追及の動きなど、さまざまな位相から問題とされてきました。そのような戦後日本社会において、修復的正義の観点から見た場合、被害者の損害とニーズは、どのように認識され、さらにはそこで果たすべき責任はどのように考えられ実践されてきたのでしょうか。本セミナーではこのような問題関心のもとで、修復的正義に関わる種々の営みを、個別事例に即して探ることを通じて、「被害のその後を生きる」ことを日本社会の歴史と現状に位置付けて考え直すことを目指します。

セミナーでは、最初に講師である小松原織香氏に、当該テーマに関してご報告いただきます。次に、プロジェクトメンバーらによる各自のテーマと関連させた小報告と小松原報告へのコメントを提示していただきます。これらの報告とコメントを踏まえ、質疑応答を進めることで、本セミナーの課題を追究します。

定員が限られておりますので、お早めにお申し込みください。

セミナーの詳細

日時:2025年11月1日(土) 13:30~17:00(13:00開場)
場所:立教大学池袋キャンパス 太刀川記念館第1・2会議室
講師:小松原織香氏(東北大学大学院文学研究科准教授)
主催:立教大学共生社会研究センター
対象:学部学生、大学院生、教職員、一般
申込:定員17名 下記 Google フォームより事前申込
   https://forms.gle/Gyh7L1DeWNrH3mUQ9
担当者:沼尻晃伸(文学部教授、立教大学共生社会研究センター運営委員)
問合せ先:立教大学共生社会研究センター(kyousei@rikkyo.ac.jp 内線4457)

講師のプロフィール

小松原織香氏
大阪府立大学大学院人間社会学研究科人間科学専攻修了、博士(人間科学)。専攻は倫理学。主たる研究テーマはジェンダーと環境。
主要業績として、小松原織香『当事者は嘘をつく』筑摩書房、2022年、小松原織香「「もうひとつのこの世」の実現を目指して——水俣の哲学(上)」『現代生命哲学研究』第14号、2025年、1-27頁、及びOrika Komatsubara. Can art convey a victim’s voice to future generations? A case of Minamata disease in Japan. The International Journal of Restorative Justice, 5(3), pp.423-139, 2022.

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