2025/06/09 (MON)

文学部文学科英米文学専修の古井義昭教授がアメリカ学会「第6回中原伸之賞」を受賞

キーワード:研究活動

OBJECTIVE.

文学部文学科英米文学専修の古井義昭教授が、著書「誘惑する他者:メルヴィル文学の倫理」(法政大学出版局、2024年)により、アメリカ学会「第6回中原伸之賞」を受賞しました。

アメリカ学会は、アメリカ合衆国に関する学術的研究のために結成された全国組織で、専攻分野は文学、歴史、文化、政治など多岐にわたっています。アメリカ研究のための全国的な学術団体としては我が国唯一の学会です。

中原伸之賞は、会員の第2作以降の単著(年齢制限なし)ないしは会員の最初の単著(この場合のみ出版時50歳以上であること)のなかから、日本、アメリカ、あるいは世界のアメリカ研究の水準を高めることに貢献できる、深い知見と新たな視座を提示した特に優れた研究書に対して授与されるものです。

著書「誘惑する他者:メルヴィル文学の倫理」(法政大学出版局、2024年)
本書は、アメリカ文学を代表する作家ハーマン・メルヴィルに関する研究書です。メルヴィル作品に繰り返し描かれる「他者」の存在に着目する本書は、他者理解にともなう倫理という観点から、主要作品からマイナー作品までを精緻に読み解いています。
授賞式は、2025年5月31日(土)に開催されたアメリカ学会年次大会にて行われました。

コメント

COMMENT

文学部文学科英米文学専修教授
古井 義昭

メルヴィルという作家は特に『白鯨』という小説で世界的に知られていますが、難解さと長大さゆえに、彼の作品群は実際に読まれることが少ないように思われます。そこで私は、アメリカ文学の研究者のみならず、専門外の読者にもメルヴィル文学の魅力を知ってもらいたいという気持ちで本書を執筆しました。文学研究の外にメルヴィル作品を開くべく、本書は隣接する諸分野の知見を取り入れた学際的な研究書になっています。

このたび、まさに学際的な学術組織であるアメリカ学会に顕彰していただきまして、専門外の方々にメルヴィル文学の魅力を伝えるという目的が果たされたように感じています。今回の受賞を励みに、本学における研究と教育にますます励んでまいりたいと存じます。

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