生き物はみんな親戚? DNAをつかって近縁関係をしらべよう

理学部による女子中高生向けプログラム「チャレンジ・ラボ」

2019/10/16

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OVERVIEW

2019年8月26日・27日の両日、理学部「科学の未来を創る女子中高生チャレンジ・ラボ ~家族・先生と一緒に知ろう!! 多彩な理系の未来~」の一環で、チャレンジ・ラボ「生き物はみんな親戚? DNAをつかって近縁関係をしらべよう」が開催され、理系への進学を視野に入れている6名の女子高校生が参加しました。

専門器具を使い植物からDNAを採取

本イベントでは、研究活動で使われている実験器具に囲まれた大学の研究室で、大学院生のサポートのもと、普段目にすることのない専門的な装置を使った実験を行いました。講師を務めたのは、植物発生進化学を専門とする理学部の榊原恵子准教授です。

まずは実験に先立って進化に関する簡単な講義を受け、生物の祖先について学びました。そこで榊原教授が語ったのは、地球上の生物はすべて親戚関係にあるということ。オランウータンよりゴリラのほうがヒトに近いなど、DNAの系統解析によって解明された驚きの事実が明かされました。

用意された白衣を着たら、いよいよ実験です。初日の内容は、親戚関係を調べたい植物を数ミリ単位で切り取ってすり潰し、葉緑体に含まれている遺伝子を増幅させるというもの。手始めにピペットマンやチップ、撹拌を行う遠心機などを使用し、徐々にDNA溶液を採取。さらに、PCR反応によってDNAの塩基配列を増幅させました。昼食を挟み、午後にはPCR反応液の一部を電気泳動させ、DNAの増幅を確認。カラムを使ってDNAを精製して、そのDNAの塩基配列を決定しました。
2日目には分子系統解析に便利なアプリケーションを使用し、自分たちで決定したDNAの塩基配列をチェック。系統解析結果をもとに仮説を検証しました。

本格的な実験により理系進学の意欲が高まった

参加者の皆さんに、今回のイベントに参加した感想を聞いたところ、理系学部への進学を目指す1年生から「もともと生物系の実験に興味があり、さまざまな大学のイベントを検索する中で『これは!』と思い参加した。高校では使わない器具を使って本格的な実験することができ、ますます理系分野へ進学する意欲が高まった」と声が上がりました。これほど本格的なイベントは他になかったようで、植物を使った実験によって理学の奥深さを知れたとのこと。作業中には実験を心から楽しんでいる表情がみられました。

また、2年生の参加者は高校の授業との違いについて「高校では先生が代表して実験し、その結果を見るだけだが、ピペットマンを使ってナノグラム単位で分量を測りながら自分の手で検証を進めることができ、すべての作業が楽しかった」と語りました。さらに「結果が出る瞬間にわくわくドキドキする感覚を味わえた。将来は今回以上に複雑な実験に挑戦したい」と話し、チャレンジ・ラボが大学進学後のイメージづくりに役だった様子でした。
理系のなかでも化学系と生物系で進学を迷っているという2年生の参加者は「学内ではチャレンジしたことのない植物を使った実験に挑戦でき、今後の進路がより明確になったと思う。自分が何に興味を持っているのか、実際にやってみないとわからないので、体験できるイベントは進路選択をする上でとても貴重だった」と話しました。高校の先にある学びを垣間見る経験が、自分の未来図を描く一助となったようです。

身近な疑問の延長線上に「理学」がある

終盤になると参加者は器具の扱いにも慣れ、榊原准教授のサポートのもとスムーズに結果を検証することができました。実験の合間には理学部の授業風景や各学年のカリキュラムの簡単な紹介もあり、参加者は理系進学後のイメージを一層鮮明に描けたようです。実験を終え、榊原准教授は次のように語りました。

「今回は庭の植物や野菜など、身近な植物からDNAを採取して、塩基配列を決定し、分子系統解析によって近縁関係を調べる実験を行いました。発展的な内容ではありましたが、実は高校生物の教科書の後半に掲載されている『進化』で学習する内容の一部なんですよ。理学は決して難しいものではなく、日頃心に抱く疑問の延長線上にあるもの。今回のイベントを通して、実験そのものを楽しむと同時に、身近な植物にも新たな発見があるのだと感じていただけたら幸いです」
参加者は大学における実験の醍醐味を存分に味わうことができ、心から満足した様子で帰途につきました。イベント参加によって、理系への関心が格段に高まったようです。

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