もう一つの学びに、世界に出合う「グローバル教養副専攻」

RIKKYO MINOR PROGRAM

2020/10/28

RIKKYO GLOBAL

OVERVIEW

学部で専門性を深める傍ら、興味・関心のあるテーマを選び、分野の枠を越えて学ぶ「グローバル教養副専攻」。グローバルな視点や複眼的な思考力、もう一つの専門性を身に付けることにより、広がる可能性とは。開設5年目を迎えた副専攻の魅力に迫ります。

グローバルな視点、多面的な思考を育む「21世紀型リベラルアーツ」の学び

立教大学総長 郭 洋春

立教大学は創立以来、一貫してリベラルアーツ教育を実践してきました。2016年度にスタートした全学部学生対象の「グローバル教養副専攻」は、リベラルアーツ教育の蓄積を生かし、時代に即して発展させた、「21世紀型リベラルアーツ」とも言えるプログラムです。

本副専攻の目的は、「グローバルな視点に立ち、多面的に物事を考える力を備えた教養人の育成」です。グローバル人材に求められる知識・スキルを養う分野横断的な3つのコースと21のテーマがあり、学生は興味関心のあるテーマに沿った科目を履修し、海外体験に参加します。これにより、所属学部の専門性に加え、複数の視点や価値観、あるいはもう一つの専門性を体系的に身に付けることができます。

多様化・複雑化の一途をたどる現代において、一つの専門性、単一の価値観だけでは物事の本質を捉えることはできません。また、加速する国際化に対応するためには、グローバルな視点が不可欠です。立教ならではのリベラルアーツの学びに「グローバル」という要素をプラスした本副専攻を通して、世界を俯瞰する広い視野と多層的・複眼的なものの見方を養い、物事の真理を見極め、自らの人生を力強く構想する力を手にしてほしいと考えています。

20年4月からは「Discipline Course」に3つのテーマを新設し、今後も副専攻のさらなる充実を図っていく予定です。経済界・教育界をはじめ、社会においてリベラルアーツの重要性が再認識されつつある中で、本学にはフロントランナーとしての誇りと責任があります。常に時代の半歩先を行き、他大学や社会全体を牽引していく——その特徴的な取り組みの一つがグローバル教養副専攻です。意欲を持った多くの学生の皆さんに取り組んでほしいと願っています。

VOICE 学生の声—「グローバル教養副専攻」3つのコース

Arts & Science Course「選択テーマ:Global Social Experience」

培われたのは「社会を多角的に捉える目」。記者の道を目指すきっかけに
門脇 誉幸さん KADOWAKI Takayuki

日本放送協会(文学部史学科2020年3月卒業)

文学部史学科に進学したのは、高校の頃から社会問題に関心があり、その本質を理解するには「歴史の物差し」が不可欠だと考えたからです。一方で、より多様な視点から社会を捉えたいという思いも抱いており、グローバル教養副専攻の「Global Social Experience」というテーマを選択しました。

海外体験先のフィリピンで、子どもたちの学習支援を実施

副専攻では、経済、福祉など複数の分野を横断し、現代社会のあり方や問題点を考察しました。専門以外の領域を学んで気付いたのは、世の中には自分が想像していたよりもはるかに多様な側面があり、さまざまな価値観があるということ。「社会を読み解く視点」が増えていき、その姿をより立体的に理解できるようになりました。

意外だったのは、学び進めるにつれて点と点がつながっていく感覚を覚えたことです。国や文化、時代が違っても、社会現象には共通点や関連性がある。そう気付いたことで、以前は関心がなかった分野やテーマも学びの対象として捉えられるようになり、自分の世界が大きく広がりました。

修了要件の海外体験は、「RSL-グローバル(フィリピン)」に参加。現地で子どもたちの学習支援に取り組んだ経験から、「貧困問題の解決に貢献したい」「社会の現状を多くの人に伝えたい」という思いが芽生え、就職活動では記者の道を目指しました。副専攻を通して得られた多角的なものの見方を生かし、これからも社会とそこに生きる人々の姿を追い続けたいと思います。

Language & Culture Course「選択テーマ:Academic Studies in English」

留学生と議論を重ねて英語で考え、発信する力が鍛えられた
田中 瑶花さん TANAKA Haruka

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社(社会学部現代文化学科国際社会コース2020年3月卒業)

もともと私は海外に興味があったわけではなく、積極的な性格でもありませんでした。しかし、1年次のときに受け身で授業に臨んでいる自分に気付き、「もっと多様な考え方や価値観に触れ、自分の意見を主体的に発信できるようになりたい」と思うように。そこで2年次から、少人数で留学生と議論する科目が多い、グローバル教養副専攻の「Academic Studies in English」というテーマに登録しました。

副専攻の履修科目「Politics&Economy」で留学生とグループワークを行った際の資料

副専攻は、まさに「こういう学びをしたい」と思っていた通りの内容でした。留学生と共に社会問題や「日本における仕事観」といったテーマについて議論を重ねる中で、「日本の常識が世界の常識ではない」と気付かされました。その上で「自分はどう考えるのか」を積極的に述べる姿勢が求められ、必死になって取り組むうちに、物怖じすることなく英語で発言できるようになりました。

一方、学部では移民・難民に関心を持って学んでいたこと、より主体性を身に付けたいと考えたことから、海外体験ではオーストラリアの小売店で移民・難民の方と一緒に働くインターンシップに参加。卒業論文では「日本におけるアフリカ移民」について論じました。移民・難民が置かれている現状を知ったことで「医療を通して人々の健康を支えたい」という思いが生まれ、世界中に医療ネットワークを持つ企業に就職。培った主体性は就職活動でも大いに役立ちました。今後の仕事にも生かしたいと思います。

Discipline Course「選択テーマ:Data Science」

心理学の学びに加え、「英語を使いこなす力」と「もう一つの専門性」を手に入れる
藤崎 裕樹さん FUJISAKI Yuki


現代心理学部心理学科4年次

将来はグローバル企業で働きたいと思い、現代心理学部で学ぶ傍ら、グローバル教養副専攻「Language & Culture Course」のテーマ「Communication in English」を選択。英語を使いこなす力を鍛え、2年次にはカナダでの英語研修プログラムに参加しました。

副専攻に「Discipline Course」が新設され、「Data Science」というテーマがあると知ったのは3年次のときです。心理学の授業で実験に用いる統計手法を学び、データ活用の面白さを感じていたためコース変更を決意。大学キャリアセンターの講座で、企業の方から「社会でデータ活用の需要が高まっている」と聞いていたことも後押しになりました。

留学先のカナダにて

心理学は文系に分類されていますが、実際は統計データに基づく論理的な考察が欠かせません。副専攻で統計学の知識を専門的に学んだことで、心理学をより深く理解することができました。他分野におけるデータの幅広い活用法を知って視野も広がり、「もう一つの専門性」を持つことは大きな強みになると実感しました。

こうした学びを通して、データによる実証に基づく心理学の知見は、社会のさまざまな場面で役立てることができると感じています。今後は留学して専門性と語学力をさらに磨く予定です。ゆくゆくは、心理学と統計学、英語運用能力の全てを生かせる、マーケティングやリサーチを行う外資系企業などに就職したいと考えています。

グローバル教養副専攻4つのPOINT

1 興味・関心に応じて選べる3コース・21テーマ

「グローバル教養副専攻」には3つのコースがあり、各コースはそれぞれ複数のテーマで構成されています。
学びの目的や目指すキャリアを踏まえ、興味のあるテーマを選択できます。
Arts&Science Course(8テーマ)
幅広い知識と教養、総合的な判断力を養うコース

【テーマ例】
  • Global Humanity
  • Global Art Experience
  • Global Citizenship
  • Global Sports
  • Global Studies of Region
など
Language&Culture Course(8テーマ)
多文化理解や外国語を使う力を身に付けるコース

【テーマ例】
  • World Issues in English
  • German Language &Culture
  • Chinese Language &Culture
など
Discipline Course(5テーマ)
学部や学内諸機関が提供する科目を中心としたコース

【テーマ】
  • Teaching Japanese as a Foreign Language(日本語教育学)
  • Data Science(データサイエンス)

<2020年度より新設>
  • Experience Opportunities in Japan for International Students(留学生向けキャリアと日本語)
  • International Cooperation(国際協力人材育成)
  • Global Leadership(立教GLP)

2 海外体験が必須

テーマに沿った所定の科目の履修に加え、大学が認定する海外体験(留学、ボランティアなど)を行うことが修了要件となります。大学が主催するプログラムのほか、正課外プログラムや自主企画の留学も対象にできます。

3 日本を「発信」する力も養う

日本の文化や社会を理解し、発信する力もグローバル教養人に必要なスキルです。各テーマでは、自国について学び、「自己理解」や「異文化との相互敬意」を養う科目の履修を定めています。

4 修了証を発行

グローバル教養副専攻を修了すると、所属学部の学位記に加え、副専攻の修了証が発行されます。

海外体験・外国語学習の継続支援——目指せ、副専攻修了!

立教大学グローバル奨学金
立教大学が実施する派遣留学や海外プログラムの参加者が対象で、支給基準を満たす全ての学生に支給されます。返済の必要がない給付型奨学金です。

【支給基準を満たす全学生に支給】
対 象:立教大学が実施する海外プログラム参加者
給与額:年額10~60万円 ※金額は選考により決定
英語力伸長度測定テストの実施(受験料無料)
英語学習の成果を定期的に測るTOEIC® L&R IPテストを実施しています。

外部英語試験の受験料補助
指定の外部英語試験において、基準となる得点を超え、所定の手続きを行った学生に対して受験料を補助しています。

言語(英語以外の6言語)検定試験の受験料補助
ドイツ語・フランス語・スペイン語・中国語・朝鮮語・ロシア語の検定試験受験料の一部を大学が補助しています。

CATEGORY

このカテゴリの他の記事を見る

RIKKYO GLOBAL

2024/03/22

多言語から複言語・複文化主義へ——新たな世界、広がる可能性

立教大学

お使いのブラウザ「Internet Explorer」は閲覧推奨環境ではありません。
ウェブサイトが正しく表示されない、動作しない等の現象が起こる場合がありますのであらかじめご了承ください。
ChromeまたはEdgeブラウザのご利用をおすすめいたします。