留学やインターンで価値観が変化 国際協力の道へ

渡邊 まあり さん  SAPジャパン株式会社(文学部文学科 英米文学専修 2019年3月卒)

2019/07/26

キャリアの立教

OVERVIEW

文学部の卒業生に立教大学での学生生活とキャリア形成についてお聞きしました。

「文学とは何か」授業によって価値観が変化

文学と聞いた時、皆さんは何を思い浮かべますか? 文学部に入学する前、実は私には「文学=本」というイメージしかありませんでした。しかし大学で多種多様な授業を履修するうちに、そのイメージが大きく変わったのです。今の私にとって文学は、生活やコミュニケーションの基盤。文学があったからこそ現在の暮らしや文化が生まれたのだと気づき、私の価値観は一気に刷新されました。

文学を入り口に興味が広がり、在学中は国際協力に関する勉強に励みました。特に熱を入れたのは、中東地域に関する授業です。立教大学では、多彩な授業科目が展開されているので、大学にいながらさまざまな視点で知識を深めていくことができます。自分の興味を起点に、関心のある分野を学内で深く掘り下げていけるのは、他にはない魅力だと思います。

ニューヨーク留学でチームを組み「模擬国連」に参加

国際協力について学ぶなかで特に印象に残っているのは、ニューヨークへの留学です。3年次の夏から1年間休学し、マーシー大学に通いました。模擬国連に参加するプログラムでは、私はスペイン代表と仮定したチームの一員として参加し、メンバーそれぞれがIAEA(国際原子力機関)やUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)など、実在する機関を担当。私はチームの中でIAEAの立場で議論に参加し、最優秀団体賞を受賞しました。折しも、当時の私の目標は国連の職員になること。国連での意思決定を疑似体験できた貴重な機会でした。

留学先で私がここまで学業に集中できたのは、勉強に専念できる環境が整っていたからでした。もし留学を終えたとき4年生に進級していたら、すぐに就職活動が始まってしまいます。そこで私は留学中に焦りを感じないよう、休学という道を選びました。マーシー大学で得た単位を立教大学の単位に振り替えて進級することも可能でしたが、1年間の猶予を持つことで自分にとって最善の道を選べました。

NGO団体のインターンシップで物事の見方が変わった

在学中は、国際的に活動しているNGO団体のインターンシップにも積極的に参加しました。NGO団体の代表が講師を務めていた授業でインターン募集のチラシが配られたことをきっかけに、その団体の東京支部とニューヨーク支部で約1年間活動しました。その後も、卒業論文のテーマだったパレスチナ問題の実状を自分の目で確かめるべく、別のNGO団体のパレスチナ支部でもインターンとして1ヶ月活動しました。

インターンシップへの参加によって一番変わったのは、物事の見方です。さまざまな文化に触れることで一つの出来事を多角的に捉えられるようになりました。国同士の諍いなども、歴史的な背景があってのこと。一つの出来事を切り取ったり、一方の価値観だけをもって「相手の主張は間違っている」と責めるのではなく、そこで暮らしてきた人々の感情や文化を重んじた上で、物事を見つめることが重要だと実感しました。

もし留学やインターンシップの経験がなかったら、私は今でも自分の物差しだけで色々な物事を見ていたと思います。現地の人々と触れ合い、日本では当たり前のことが通用しない現実に直面したからこそ、多角的な視点で考えられるようになりました。

IT業界でチャレンジ精神を鍛え国際支援につなげる

海外経験を経て最終的に選んだ就職先は、新しいことに常に挑戦している風土を強く感じたIT業界でした。国際支援の現場では今も、保健衛生・教育・食料などさまざまな側面から援助が行われています。そのような王道の支援も必要ですが、救いの手を差し伸べる方法はそれだけではないはずですし、今は少し違った視点で物事を考えられるようになりたいと思いました。

以前出会った人の中には、アフリカでITを駆使してベンチャー企業を立ち上げた事例を教えてくれた人もいました。その支援方法に刺激を受け、就活ではIT系企業を中心に活動。最終的に、ヨーロッパ最大級のソフトウェア会社の日本支部であるSAPジャパンに内定をいただきました。

もちろん、国際協力に関する活動も続けていきたいと思っています。大学卒業後、再び海外で経験を積むために入社時期を9月に変更してもらいました。まだ計画段階ですが、スタートアップ(起業)が盛んなイスラエル等を訪れ、各地の人々の感性や考え方に触れることを通して、異文化の中でチャレンジし続ける力を身につけたいと思っています。帰国後は、SAPの一員としてIT業界へ。新しい知識を得て、今までとは違った視点で問題を解決する能力を培っていきたいです。

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