脚本を執筆する日々——
自分の殻を破った大学時代の思い出

脚本家 山浦 雅大さん

2019/05/27

立教卒業生のWork & Life

OVERVIEW

文学部日本文学科を卒業し、現在は脚本家として活躍する山浦 雅大 さんからのメッセージです。

仕事部屋にて

「立教大学の思い出といえば、真っ先に浮かぶのが『劇団テアトルジュンヌ』での活動です」

演劇サークルに熱中した日々を振り返るのは、脚本家の山浦雅大さん。近作はドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』、映画『亜人』など、エンターテインメント性の高いストーリー展開に定評がある。

「サークルでは役者で、脚本は書いていませんでしたが、皆で観客を楽しませる舞台を毎回オリジナルで創っていた意気込みは、いまの仕事に影響しています」

脚本作りの初期の作業。単語カードに作中で起こる出来事や要素を書いて並べていく

大学時代は脚本家を志していたわけではなかった。

「映画監督に憧れていたので、自分で脚本が書けたらいいなとは思っていました。就職活動の時期になり、友人たちがスーツを着て会社訪問を始めた時、『これは自分も何かやらねば』と焦り、脚本スクールに通いだしました」

大学卒業後の2002年、人気脚本家を多数輩出している「フジテレビヤングシナリオ大賞」を受賞。以来、ドラマを中心に話題の作品を数多く手掛けてきた。脚本家とは、自身とかけ離れた時代や境遇にある人々の感情の機微を克明に描かなければならないことが多い。世の中への好奇心はもちろん、経験のない状況や感情を真摯に知ろうとする必要がある。山浦さんがそうした姿勢を初めて試されたのは立教時代のことだった。

立教時代、文学部の授業で作成した作品集。山浦さんの詩が授業の投票で1位に選ばれ、創作の自信となった

「大学2年次の春休みに『沖縄キャンプ』に参加した時のことです。ハンセン病の療養所を訪ね、入所者の方々と交流のひとときを持ち、学生同士で話し合うというものでした。『入所者の方々に自分たちは何ができるんだ?』『そもそもそう考えるのがおごりではないか?』......辛辣なことを言ったり、言われたり。それまで自分の視野に入らなかったことが、いかに多いか知るきっかけにもなりました」

学生時代は、ともすれば興味のあること、気の合う仲間といった居心地のよい世界に浸りがちだ。もちろんそれも、学生だからこそ持てる貴重な時間ではある。

「どちらがよいとは言えませんが、『これまでの自分とは違う、異質なもの』に出会う経験は、考える時間がたくさんある学生時代に行っておくと自分の糧として一生残ります」

この夏、山浦さん脚本のNHKスペシャルドラマ『太陽を愛したひと~ 1964 あの日のパラリンピック』※が放送される。日本で初めてしょうがい者スポーツを広めようとした医師の実話をもとにしている。これまであまり知られていなかった物語に、山浦さんが描きだすドラマが光をあてる。

※2018年8月22日(水) NHK総合テレビ 22:00〜

プロフィール

PROFILE

山浦 雅大さん

脚本家
2000年 文学部日本文学科卒業

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