「全て、つながっていた。たぶん」SNSで地域の魅力を伝えるちょっと変わった公務員

葛飾区役所 坂井 昌弘さん

2025/07/23

立教卒業生のWork & Life

OVERVIEW

社会学部メディア社会学科を卒業し、葛飾区役所に勤める坂井 昌弘さんからのメッセージです。

「『たわしを一日中作っていると、夜には手が大きくなる』。さらりと不思議な話をしてくれた職人さんが印象的でした」と坂井昌弘さんは語る。地域に潜む面白さを拾い上げることが、今の日常だ。

葛飾区役所の広報課でSNSや広報紙を通じて地域の情報を発信する坂井さんは、自治体では異例の再生数を誇るTikTok公式アカウント「なんかいいよね、葛飾【公式】」の運営も担当。240万回以上再生※1されたASMR動画※2棕櫚しゅろたわしの作り方」は、その映像品質や地域愛を感じる内容が評価され、「TikTok Awards Japan」2024で最優秀賞を受賞した。

※1 240万回以上再生:2025年4月時点。
※2 ASMR動画:聴覚や視覚への刺激によって心地よい感覚を得られる動画ジャンル。

葛飾区役所の庁舎前にて

「TikTok Awards Japan」2024において、「Public Sector of the Year」最優秀賞を受賞

「昨今は情報があふれ、発信は基本的に埋もれます。専門家とも連携しながら『秒単位』で編集するなど、伝わる工夫を重ねています」

過去には物販事業や、勉強が苦手な子どもたちのための塾も立ち上げた。テイラー・スウィフトを流しながら雑談し、折を見て英語に触れてもらうなど、独特なスタイルだった。「教えるより、勉強する姿を見せるほうが早いかも」と、教え子たちと一緒に自身も公務員試験に挑戦したことが現在の道につながる。

振り返れば、その柔軟さの土台は立教時代にある。「文理混在、文化系も体育会系も交わるキャンパスは、生態系のようにごちゃまぜ。何をしていいか分からず不安でしたが、『不安でもいい』『分からないからこそ試してみる』と開き直れるようになった。あるがまま受け入れてみるスタンスが身に付いた気がします」

現在は、TikTokに寄せられる小中学生のコメントに新しい可能性を感じている。「代弁されていない子どもたちの『生の声』が自治体に届くのは、これまでになかったこと。新たな民意を反映する場となれば」と話す。紆余うよ曲折を受け入れ歩んできた坂井さんが、立教生へ向けてふとこんな言葉を口にした。

「想定外のことは起きますし、踏み外したと思った道にも案外拾うものがあります。そう捉えられたら、寄り道も悪くない。順風満帆な時しか楽しめなくなっていませんか?全てつながっていたと思える日がきっと来ます」

大学時代は「Pianoの会」に初心者で入る。仮装してアニメソングを演奏する企画の練習風景

時事通信社主催のセミナーにて、動画クリエイターを交えてのディスカッションに登壇しショート動画(の活用事例)について語った

プロフィール

PROFILE

坂井 昌弘さん

葛飾区役所
総務部広報課シティセールス係

2011年 社会学部メディア社会学科卒業

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