カリキュラム・担当教員司書課程

カリキュラムの特徴

図書館法施行規則に定められる司書資格取得に必要な最低単位数は24単位です。一方で、本学は図書館司書コースで32単位を求めています。また、学校図書館司書教諭講習規程に定められる学校図書館司書教諭資格取得に必要な最低単位数は10単位ですが、本学は学校図書館司書教諭コースで16単位を求めています。日本の大学に置かれる司書課程の中で、本学は最も多くの単位を求めているグループに入ります。これは、カリキュラムの充実を意味するでしょう。

カリキュラムの構成と望ましい履修の流れ

大学の学修は一般に、概論→各論→演習の流れで学んでいく原則になっています。各科目に付けられているナンバリングにも注目してください。立教大学の科目ナンバリングで言うと、概論科目は1000番台になっています。各論科目は2000番台、演習科目は3000番台、総まとめにあたる「図書館実習」と「図書館総合演習」は4000番台です。講座科目のナンバリングについては『学校社会教育講座2020年度履修要項』p.19-20で説明しています。
しかしながら、司書資格・司書教諭資格は、大学卒であることが条件ですので、学部学生は、次に述べる望ましい履修の流れを頭に入れながらも、所属する学部の時間割と合わせて、大学卒業と司書課程修了の両方が実現するよう、履修を計画してください。その際、本学は、司書課程の全必修科目の履修が必ず、4年間のうちに終わるということを、全学部の時間割と調整して保証することはしていない点に注意してください。もし、時間割作成についての悩みが生じた場合は、早めに学校・社会教育講座事務室か司書課程主任のところに相談にいらしてください。
また、本ウェブページで案内している内容は、変更されることがあります。在学生は、その年度の履修要項に書かれていることと掲示板で告知されていることが決定事項ですので、注意してください。

図書館司書コース

図書館司書コースの望ましい履修モデルは以下のとおりです。
必修科目(14科目28単位)
※ 「情報サービス演習」、「情報検索演習」、「メタデータ演習」、「情報アーキテクチャ演習」の4科目は少人数指導のために2クラスずつ開講。毎年6月に履修希望届を出し、履修許可者を決定する手続きがある。また、「図書館実習」も前年度の秋に登録希望の申し出を行なうこととなっている。
履修可能な選択科目(6科目から2科目4単位を選択履修)
任意科目(さらに学習を深めるために自由に選択、履修することができる)
※ ◎付き科目は、「図書館実習」を登録する前年度までに履修し単位を修得しておくことが求められる「先修科目」である。〇付き科目は、実習に行く年の春学期までに、実習先の希望館種に合わせて、履修していることを求める「準先修科目」である。ただし、「児童サービス論」は公共図書館での実習を希望する者のみ、「学校経営と学校図書館」は学校図書館での実習を希望する者のみにとって、準専修科目となる。

学校図書館司書教諭コース

学校図書館司書教諭コースの望ましい履修モデルは以下のとおりです。
同コースでは独自に設置される(図書館司書コースとの共通科目ではない)科目のうち、「学校経営と学校図書館」が概論にあたる科目です。総まとめにあたるのが「学習指導と学校図書館」です。この2科目の履修順序はなるべく反対にしないようにしてください。
必修科目(8科目16単位)
任意科目(さらに学習を深めるために自由に選択、履修することができる)
※ ◎付き科目は、「図書館実習」を登録する前年度までに履修し単位を修得しておくことが求められる「先修科目」である。

講座科目のナンバリングについては『学校社会教育講座2020年度履修要項』p.19-20で説明しています。

図書館実習(国内/国際)

立教大学の司書課程の図書館実習は、歴史的に、必修科目となっています。約2週間の現場実習と、事前2回と事後1回の指導で構成されています。 文部科学省が定める司書資格取得に必要な科目群と本学の図書館司書コースの設置科目群のおそらく最も大きな違いは、「図書館実習」が選択科目であるか必修科目であるかです。本学では、伝統的に、「図書館実習」を修めなければ、司書課程修了者として認めず、修了証を発行することもしていません。しかし、「図書館実習」は、図書館法施行規則の定めでは必修ではありませんので、実習に行かなくとも、同文部科学省令に定められるとおりの科目・単位を修めれば、国の定める司書資格の保持者ではあり、履歴書にも「司書資格取得」の旨を記載することができます。このあたりのことは、司書課程の履修を進める中で、よく理解していただきたいですし、最終的に、実習に行くか行かないかは学生一人ひとりが決断することになります。ただし、「図書館実習」は、本学では、国内の各種図書館だけでなく、国外(香港など)での主として英語による実習もできることになっているなど、大変充実していますので、よく考えて決断してください。 本学では、図書館司書コースだけでなく、学校図書館司書教諭コースの履修生も、図書館実習に行くことができます。このようなカリキュラムは国内では大変めずらしく、本学の司書課程がいかに「図書館実習」を重視しているかをここからも理解できるでしょう。 図書館実習に行くには、前年度までに、定められた先修科目を履修し単位を修得しておくことが必要です。先修科目の定めについては、カリキュラムのページをご覧ください。

担当教員(2020年度)

専任教員

中村 百合子教授(Yuriko NAKAMURA, Professor)
担当科目:「図書館概論」「学校経営と学校図書館」「図書館実習」
中村 百合子

博士論文執筆のころ。米イリノイ州のアメリカ図書館協会文書館 (American Library Association Archives)にて

司書課程主任の中村百合子です。私はアメリカ合衆国と日本の学校図書館、簡単に言いますと小中高の学校に置かれる図書館(室)の歴史を、両国の比較という視点をもちながら、検討しています。
私の授業では、大きな教室でも小さな教室でも、そこにいるみなの知的“探究”の場となるよう、心がけています。また、本学司書課程のカリキュラムのベースにある図書館情報学は学(science)でありますが、そのルーツにあるライブラリアンシップ(librarianship)の実践・思想を私は大切に思っていますので、その両方をみなさんに伝えたいと願っています。情報共有(information sharing)の実現という、図書館情報専門職の使命について深く考え、その実現に貢献することのできるようになってほしいと思い、日々、学生さんたちと向き合っています。
私は、立教大学大学院文学研究科教育学専攻でも教えています。学校図書館について、大学院で研究したいという方との出会いも楽しみにしています。
ハモンド エレン特任教授(Ellen Hammond, Specially-appointed Professor)
担当科目:「情報サービス論」「図書館実習」「情報サービス演習」「図書館情報資源特論」「図書館サービス特論」
ハモンド エレン

2018年春

本年度から特任教授として、皆さんと一緒に授業を始めるハモンド エレン(Ellen Hammond)です。
大学時代は、日本研究と司書(ライブラリアン)専攻の二本柱でした。大学院を出てから大学専門学部図書室、証券業界図書室、大学の東アジア図書館などで活動してきました。昨年、アメリカ・イエール大学図書館を退職した後、ほぼ20年ぶりに日本に戻りました。
図書館を取り巻く環境が著しく変化する中、司書としての社会的な役割を踏まえ、司書課程で学ぶことが社会のすべての分野に繋がり、皆さんの今後の活動に役立つことを信じて授業を行いたいと思います。そうした期待を基に、私の国際的且つ実践的な経験をお伝えすることによって、授業を意義あるものにしたいと思っています。

図書館司書コース兼任講師(五十音順)

青栁 啓子(Keiko AOYAGI)/甲州市立勝沼図書館
担当科目:「児童サービス論」
青栁 啓子

八ヶ岳小さな絵本美術館にて

私は、山梨県甲州市立勝沼図書館で司書をしています。図書館では年間を通じて、イベント、おはなし会、学校連携事業等、様々な児童サービスを行っており、そこで日々子どもたちと接している経験を基にこの講義をすすめます。
私は特に読書教育としてのアニマシオンに興味を持っていて、図書館や小学校で実践しています。スペインで生まれた読書へのアニマシオンは、上から知識を教えられるのではなく、グループ活動を通じて一人一人が主体的に学ぶ考えが土台になっている優れた読書教育メソッドです。この考え方をもとに、授業では受講生が自ら学ぶ姿勢を尊重して、グループワークを多く取り入れます。
誰でも無料で使える公共図書館は、どの人の人生をも豊かにしてくれる素晴らしい装置です。将来の文化の担い手になる子どもたちに、読書の魅力を伝えること、生涯にわたって図書館利用者になるよう働きかけることは、未来の社会をよりよくすることにつながるはずです。これからの理想的な児童サービスについて、いっしょに考えましょう。
安藤 幸央(Yukio ANDOH)/株式会社エクサ
担当科目:「情報アーキテクチャ演習」
安藤 幸央

2018年、東京国際フォーラム前にて

私は、UX(User Experience/使う人の体験の設計)を専門としており、演習では情報設計(IA: Information Architecture)を中心とした大量の情報を整理する手法を皆さんが会得することを目標としています。
ある調査によると、ひとりの人間が処理できる情報量は変わっていないのに、世の中に出回っている情報は10年前と比べて410倍になっているとも言われます。整理された情報は、人の記憶、判断に重要な影響を及ぼします。
「情報設計」は、図書館や書籍だけの世界にとどまらず、スマートフォンアプリの企画、ショッピングモールの店舗配置、大規模Webサイトの設計、取り扱い説明書や事典などの内容、駅の案内といった多岐にわたった専門的な分野で活用が期待されます。
本演習では皆さんが、知識と実践力、手法を会得し、様々な事象に役立てられるよう尽力したいと考えております。
海野 敏(Bin UMINO)/東洋大学
担当科目:「情報検索演習」
海野 敏

アテネのアクロポリス、パルテノン神殿の前

私が司書課程で情報検索の実習を教え始めて25年となりました。25年前には、インターネットの存在が一般に知られていませんでした。Amazonの創業は1994年、Googleは1998年、Facebookは2004年、Twitterは2006年です。みなさんが生まれてから情報環境は激変しました。そして、この変化は今後も続くでしょう。司書課程で学ぶみなさんには、自分が働くこれからの25年の変革に耐えられる、しっかりとした知識と技能、そして変革への想像力を身につけてほしいと考えています。
小黒 浩司(Koji OGURO)/作新学院大学
担当科目:「図書・図書館史」
小黒 浩司

メーザーライブラリー記念館(立教大学図書館旧本館・1919年落成)前にて

わたくしは主に図書館の歴史を探求しています。図書館の歴史といっても、じつに様々な切り口があり、いまは図書館の統制・検閲の歴史や、図書館で使われてきたモノと図書館を利用した、あるいは図書館で奮闘してきたヒトの歴史を中心に研究中です。
立教大学司書課程では「図書・図書館史」という科目を担当しています。図書などのメディアと図書館の歴史に関心を持ち、これからの図書館のことを考えるための基礎となれば嬉しく思います。
川島 宏(Hiroshi KAWASHIMA)
担当科目:「図書館施設論」
川島 宏

2017年,(株)栗原研究室にて

私は建築設計をメインの仕事としていますが、図書館の分野では、施設水準の向上に寄与するよう日本図書館協会の委員会活動(施設委員会他)をしています。授業では多くの図書館の実例を紹介しながら、多角的に施設のあり方を考えます。施設(ハード)を生かすのは司書の考えや姿勢(ソフト)といえます。よく考え、そして発言できる人が育つことを願い、授業を準備しています。
小牧 龍太 (Ryuta KOMAKI)
担当科目: 図書館情報技術論
小牧 龍太

元勤務先のワシントン大学セントルイス・東アジア図書館にて

私は、2018年まで、米国の大学図書館にサブジェクトライブラリアンとして約5年間勤務していました。研究者としてはメディアスタディーズを専門にしており、多文化・多言語社会における情報行動・情報アクセスを主に研究しています。
「図書館」や「司書」という言葉には、現在、情報通信技術といったときに連想する、「デジタル」や「コンピュータ」、「ネットワーク」といったものを示唆する単語は明示的には含まれません。ですが、図書館は、歴史的に、最先端の情報通信技術を取り入れ続けてきた現場です。(し、もちろん、本や新聞といった印刷媒体が「最先端の情報通信技術」だった時代も存在します。)
現代の図書館(や、その他の情報サービスの現場)では、資料の記録、整理といった利用者の目に触れにくい部分だけでなく、利用者が直接体験する部分にも様々な情報技術が使われています。司書として勤務するのではなくても、みなさんが、情報プロフェッショナルとして、それらの導入や、それらを利活用する場面の当事者となる機会も多くあるでしょう。社会における情報サービスの役割や、情報サービスの担い手のありかたについて、みなさんと一緒に考えていきたいと思っています。
棚橋 佳子(Yoshiko TANAHASHI)/Clarivate Analytics
担当科目:「図書館制度・経営論」
棚橋 佳子

2016年、トムソン・ロイター社にて

私は、図書館サービスの実務(学校図書館、企業の専門図書館、大学図書館、海外の専門図書館等)を10年以上経験した後、情報の提供側として、科学技術情報を扱う外資系のデータベース製作&情報分析の会社に勤務し、営業と経営に携わり、学術情報や特許などの知的財産情報、創薬のためのライフサイエンス情報を扱ってきました。そこで、多くの大学図書館や企業の専門図書館・情報センターを通して、情報を必要とするエンドユーザに情報を提供してきました。そうした経験を交えながら、“情報獲得“”情報共有“が必要とされる場において、司書職として学ぶプロフェッショナルな視点がいかに重要かを皆さんにお伝えしたいと思います。
「図書館制度・経営論」の授業では、図書館の活動を事業とみなして、図書館のエコシステム、知識経営のエコシステムの仕組みと課題について、制度・経営論の観点から理解を深めていきます。情報獲得や情報共有実現が社会の発展にいかに寄与するか、現代の“図書館”をどのように導いていくと良いのか、いっしょに考えていきたいと思っています。
鴇田 拓哉(Takuya TOKITA)/共立女子大学
担当科目:「メタデータ演習」
皆さんが図書館で資料を探す際に、探したい資料がすでに決まっているときもあれば、特に決まっておらず、どのような資料があるのかさえわからないといったときもあると思います。このようないろいろなケースに対応するために、探している資料が決まっている場合は探している資料を、探したい資料が決まっていない場合は利用者にとって役に立つ(と思われる)資料を提示する仕組みが、私が関心を持っている「情報資源組織」という領域です。
残念なことに、情報資源組織にかかわる作業の様子を図書館に行っても見ることができないので、どのようなものかイメージできないと思います。しかし、皆さんは日常生活の中で、情報資源組織にかかわる作業の成果物に出会っていますし、知らないうちに利用しています。
では、情報資源にかかわる作業の成果物とは何でしょうか。また、上で述べた資料を提示する仕組みとはどのようなものなのでしょうか。皆さんにとってとても不思議な(?)存在である情報資源組織について、身近な例をあげながら説明していきたいと考えています。立教のキャンパスで皆さんにお会いして、この話の続きができることをとても楽しみにしています。
中村 佳史(Yoshifumi NAKAMURA)/株式会社HUMIコンサルティング
担当科目:「図書館サービス概論」
中村 佳史
「図書館サービス概論」を担当します中村佳史です。
「概論」ですので、図書館サービス全般について取上げます。図書館サービスは、資料や情報の提供、連携・協力、課題解決支援、障害者・高齢者・多文化サービス等の各種のサービス、著作権、接遇・コミュニケーションと多岐にわたります。それらを概観しつつも、それらのサービスがどのように提供されているか、どのように実現されているか、具体的な事例を提示しますので、そこから実践的な意識をもって学び、またこれからの「図書館サービス」のあり方を一緒に考える時間にしていきたいと思います。
私は、ミュージアムでの情報サービスや展示システムの構築、地域アーカイブを利活用した場の運営や企画を主な仕事にしています。図書館外から見た図書館、あるいは日常の生活のなかでこそ活かしたい司書の専門性という視点でも、皆さんに問題提起していきます。
図書館司書という職業は狭き門です。かりに司書という職業に就かなくとも、立教大学の司書課程で学んだ学生諸君が「国際的な視野をもつ情報スペシャリスト」として社会に羽ばたける基礎体力を身に付けるお手伝いができればと思っています。
中村 由香(Yuka NAKAMURA)
担当科目:「生涯学習概論(学・司)」
私は、社会教育や生涯学習と呼ばれる分野の研究をしています。この中でも特に、人が健やかな日常生活をおくるために欠かせない「社会的ネットワーク」に関心を持っています。私たちは他者—例えば、家族、友人、同僚、近所の人など—と社会関係を取り結び、他者とさまざまなサポートを授受しつつ、日常生活を送っています。しかし、あらゆる人が自分の望み通りのネットワークを築けるわけではありません。例えば、ネットワークを築けず孤立している人がいます。さらには、家族介護の負担が重すぎるなど、ネットワークのあることがかえって負担になって苦しむ人もいます。私は、社会的ネットワークの広さ、通時的変化などに着目しつつ、私たちが自分の望む形で社会的ネットワークを築くためにはどのような条件整備が必要なのか、社会教育や生涯学習がどのような役割を果たせるのかをテーマに、日々、研究を進めています。
この授業では、学校以外に多様な学習の場があり、学齢期のみならず壮年期、中年期、高齢期にいたるまで幅広い年齢層の人々がそこで学んでいることを取り上げます。また、それら学習の場がネットワークを築くための契機となっていることについてもお伝えします。この授業を通じて、受講生の皆さんとともに、より良い社会のあり方や教育のあり方について考えていけることを、とても楽しみにしています。
橋詰 秋子(Akiko HASHIZUME)
担当科目:「図書館情報資源概論」
橋詰 秋子

米国議会図書館にて

図書館情報資源概論を担当しています橋詰秋子です。国立国会図書館に16年間勤務し、今は図書館における情報組織化について研究しています。
皆さんは、「図書館」にどんなイメージを持っていますか。静かに本を読む場所?本の倉庫?少し古臭いイメージをもつ人もいるかもしれません。今、図書館は、社会や情報技術の変化を受けて、大きな変革の最中にあります。 "静かに本を読む場所"という今の図書館のあり方は絶対的ではなく、10年後20年後の図書館は別の形で存在している可能性が高いのです。
将来、図書館がどのように変化していくのか、変化すべきなのかを考えることはとても難しいのですが、同時にチャレンジングなワクワクすることでもあります。私の授業では、受講生の皆さんとこのワクワクを共有し未来の図書館を考えたいと思っています。
松崎 裕子(Yuko MATSUZAKI)/株式会社アーカイブズ工房
担当科目:「図書館基礎特論」
松崎 裕子

岐阜県多治見市神言修道会多治見修道院ぶどう畑にて(2016年8月)

アーカイブズ学、とくに企業アーカイブズを専門とする松崎裕子です。アーカイブズとは(1)さまざまな団体や個人の活動の記録(レコード)のうち長期的に保持する価値をもつ資料と、(2)これを専門に管理し一般の人々の利用に提供する機関・仕組み(文書館などとも呼ばれます)の二つのことを指します。2009年の公文書管理法の成立などをきっかけに、近年日本でも関心が高まってきました。ここで働くアーキビストは、諸外国では図書館情報学の大学院課程で養成されることが多い情報専門職です。私の授業では、アーカイブズをどのように利用したらよいのか、ということをまず理解することを目指しています。それを通じて、組織やプロジェクトの記録(レコード)や情報の整理・提供の仕方を身に付け、将来の職業生活に活かしてほしいと期待します。
松山 巌(Iwao MATSUYAMA)/玉川大学
担当科目:「情報資源組織論」
松山 巌

玉川大学の旧図書館の前で

図書館の本棚に並んでいる本を見ると、背中にラベルが貼ってあり、そこに書かれた記号の順に並んでいます。この記号はどういう意味なのでしょうか。また、図書館の蔵書をパソコンで検索すると、それぞれの本についての情報(書誌情報)が出てきますが、これはどういうルールで作られているのでしょうか。こういったことが私の研究分野です。「情報資源の組織化」といいます。
また、韓国の図書館にも関心を持っています。日本のすぐ隣の国ですので、似通っているところも多くありますし、一方でいろいろと異なるところもあります。韓国の図書館を見ることで、日本の図書館にとっても、さまざまに学ぶ点があると考えています。
授業では、「なぜ?」という疑問を大切にしています。実際の図書館現場では、組織化は「一定のルールに従った作業」という形ですすめられますが、ルールの丸暗記ではなく、「このルールはなぜそういうふうに決められたのか」と考えてほしい。それによって、組織化というものへの理解が深まるとともに、〈ルールに書かれていない事態〉に対応する〈自分で判断する力〉も育つと考えるからです。
司書資格取得を目指す人の中には「本が好きなので」という人が多いのですが、ふだん書店や図書館に出かけたときに、文学作品(や図書館情報学)以外の本棚には行かない、というではなく、ぜひ、幅広い分野に目を向けてほしいですね。よく授業で言うのですが、「広く浅く、所々深く」。浅くていいのです。その上で、「これについては任せて」といえるような得意分野は何かしら持っていた方がいいでしょう。
趣味は、カラオケ、地図読みなど。好きなものは、辞典・事典、新聞の号外、計算尺、スコア(総譜)、クリスマスの音楽など。
山嵜 雅子(Masako YAMAZAKI)
担当科目:「生涯学習概論1」
私は、日本の近現代史にみられる人びとの自発的な教育・学習運動の実態解明を通して、自立した社会的主体(市民)がいかに形成されるかという問題を追究しています。そのなかでいつも痛感するのが、人びとの社会的形成に図書館が果たしてきた役割の大きさです。図書館は、情報を提供することによって、人びとの学びと成長を支える場です。司書は、その図書館で人びとの主体的な学習を支援する立場にあります。私が担当する「生涯学習概論」では、司書として図書館という社会教育施設の学習支援者になる可能性をもつ皆さんに、学習の意義と学習を可能にするための仕組みや方法について理解を深め、学習者の思いや実践に寄り添おうとする姿勢を養っていただきたいと思っています。またみなさん自身も、自分の人生のなかでさまざまな学習を重ね経験している生涯学習の当事者であることに気づいていただけたらと思います。ふだんあまり意識しないかもしれませんが、生涯学習や社会教育が身近なものであることを知っていただけたら幸いです。

学校図書館司書教諭コース兼任講師(五十音順)

青山 比呂乃(Hirono AOYAMA)/千代田インターナショナルスクール東京
担当科目:「学習指導と学校図書館」
青山 比呂乃

2018年春

私は、医学系の大学図書館で文献入手援助などを中心に司書として働いた後、インターナショナルスクールと共同利用している中高の学校図書館の司書教諭として、同僚の英語圏出身のlibrarianと共に図書館を運営し、様々な各教科の教員と共に幼小中高の生徒に授業をしてきました。
司書教諭は、アメリカではteacher librarianと呼ばれ、先生でもあるが、あくまで司書という専門家という存在です。教員集団の中の一員として、情報リテラシーの専門家=司書として、学校の繰り広げる教育活動・生徒の学習活動をどのようにサポート・指導していくのか、司書教諭は何をしたらよいのか、試行錯誤してきました。
その中で見えてきた司書教諭の働きについてお伝えし、学校における図書館・司書のあり方への理解を深めること、学校での働きのために必要な訓練をすることを第1に授業を進めたいと思います。具体的には、図書館資料を使ったリサーチ・スキル教育の演習(生徒としてレポートやプレゼン作成をしてみる、相互評価や資料評価を行う)を織り交ぜつつ、学校図書館のあるべき姿を一緒に考えていきましょう。
小泉 世津子(Setsuko KOIZUMI)/株式会社NHKエデュケーショナル
担当科目:「情報メディアの活用」
小泉 世津子
NHKのEテレで、長年教育番組を制作してきた番組プロデューサーです。兼任講師として、秋学期の土曜日に池袋のキャンパスに通っています。教育番組の制作と、一般番組を海外に発信する国際放送や国際コンクールの仕事に携わってきた経験の中からエッセンスを抽出して、若い学生さんたちと共に、今の時代のメディアリテラシーを考え、情報メディアとの賢い付き合い方を学んでいきたいと思っています。
中山 美由紀(Miyuki NAKAYAMA)
担当科目:「読書と豊かな人間性」
中山 美由紀

群馬県立図書館での学校図書館研修会講演会時

小中高校図書館の実践経験から、学校教育における学校図書館の役割とあるべき姿を伝えていきたいと思っています。文部科学省の受託事業として「先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベース」というWEBサイトの企画運営にも参画し、活き活きする学校図書館の姿を発信するとともにサイト閲覧者の実践投稿も呼びかける参加型のサービスを展開しました。 授業では、「読む」ことの意味を「識字」や「読み書き困難」の観点からとらえ直し、現状把握、21世紀の日本の教育に求められている新たな「読み」の教育について学校図書館ですべきことや、学校を超えての地域・社会との連携について学び、考えてもらっています。読み聞かせや本の紹介などの実演をしたり、これまでの経験やその日の題材をもとに対話したり、語り合う時間を大切に思ってすすめています。

学校・社会教育講座 教育研究コーディネーター(図書館実習を主たる業務とする)

中井 ともこ(Tomoko NAKAI)
中井 ともこ

2019年、イギリス・エジンバラ大学の総合図書館にて

私は現在、筑波大学大学院の博士後期課程に所属し、北欧デンマークにおける複合図書館(Integrated Library)の研究をしています。学校図書館と公共図書館が一体となった空間が利用者にとってどのような存在として機能しているのか、というところに興味があります。立教大学では、自分自身も図書館に関する知見を深めながら、司書課程で資格取得を目指すみなさんを精一杯サポートしていきたいと考えています。