2025/12/05 (FRI)

「2025年度秋季陸前高田交流ツアー」を開催しました。

2025年11月3日(月)~6日(木)の4日間、「2025年度秋季陸前高田交流ツアー」を開催しました。
東日本大震災や復興、そしてこれからの陸前高田について体験的に学ぶことを目的とした本ツアーは、毎回定員を上回る応募があり、今回は13名の学生が参加し、3泊4日で様々な場所を訪問しました。
今回のプログラムは、一日ごとにテーマを設定し目的を明確にした上で、一日の最後に教職員が振り返りを行うことで学びを深められるような工夫をしました。

1日目は、東日本大震災津波伝承館で震災の被害状況やその後の復興状況、自然災害の恐ろしさについて学んだ後、パークガイドの案内で高田松原津波復興祈念公園内にある奇跡の一本松などの震災遺構を見学しました。
その後、3.11仮設住宅体験館にて、震災当時実際に避難生活を送った語り部の方より仮設住宅での生活についてお話を伺いました。その日は3.11仮設住宅体験館に宿泊し、当時の生活の追体験を通じて、多くの学びを得た1日となりました。

2日目は、語り部の米沢祐一さんにお願いし、米沢商会ビルで、地震発生直後から救助されるまでの米沢さんの行動をなぞりながら、実際に難を逃れたビルの屋上まで登らせていただき、想像を超える津波の恐ろしさを追体験することができました。
午後は、高田第一中学校を訪問し、生徒の皆さんと交流の時間をもつことができました。高田第一中学校の3年生が毎年修学旅行時に立教大学を訪問し交流を続けていますが、今回は立教大学が高田第一中学校を訪問する形で、生徒の皆さんの心のこもったおもてなしを受けました。
その後、奇跡の一本松ホールにて、陸前高田市職員の柏航平さんと大船渡市職員の村上空さんのお話を伺いました。柏さんと村上さんは震災当時旧気仙中学校に通っており、震災当日の様子や当時の体験についてお話を伺うとともに、現在地域の担い手となりこれからのまちづくりについて考えることなど、未来についてのお話も伺うことができました。
夜は、「高田民泊」を利用し、学生たちは陸前高田市の各ご家庭で一晩過ごしました。地元の方々との楽しい交流のおかげで緊張がほぐれたようでした。
3日目は旧吉田家住宅主屋を見学しました。仙台藩大肝入屋敷「旧吉田家住宅主屋」は津波で被災しましたが、被災直後、吉田家の当主や地域住民らが散り散りとなった部材の回収にあたり主屋の約6割の部材を回収し、気仙大工左官の技で復旧しました。見学を通して、地域の歴史や文化、伝統について知る機会となりました。
午後は、陸前高田市内を見学し、震災を経た新しい街の様子を体感する時間となりました。

4日目は、小友地区コミュニティセンターを訪問し、小友町文化祭の準備をお手伝いしました。一緒に準備をする中で自然と会話も生まれ、地域の方々との交流を楽しみました。
午後は、立教大学陸前高田サテライト(陸前高田高等職業訓練校内)でツアーの振り返りを実施しました。4日間の体験を言語化し、参加者同士で共有することで、学びを深める時間となりました。

3泊4日という短い時間でしたが、学生たちは大学の中だけでは得られない体験をし、多くの学びを得ることができました。
ご協力いただいた陸前高田市の皆様に感謝申し上げます。

参加学生の声(事後アンケートより抜粋)

・陸前高田の“今”を学んだことで、震災が「一つの過去の出来事」ではなく、まちの制度、文化、人口の動き、コミュニティの関係性など、あらゆる課題の背景に深く入り組んでいることを知った。(観光学部 1年)
・陸前高田の経験してきた震災から14年という数字の中には、津波や災害関連死による犠牲だけでなく、生き残った者としてのトラウマや葛藤、まちの未来を考える上での対立など、「あの日」としてひとくくりにすることのできない複雑さがあった。(コミュニティ福祉学部 1年)
・陸前高田のさまざまな場所を巡る中で、復興が着実に進んでいると感じる一方、盛り土がされていない場所は「確かに津波の被害があった場所」であることが一目で分かり胸が痛かった。こうした感情は、実際に現地に足を運ばければ決して得られないものだと痛感した。(社会学部 4年)

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