ラテンアメリカ講座・講義
ラテンアメリカ論・ラテンアメリカ文学
ラテンアメリカ論Ⅰ ~ラテンアメリカの音楽と社会
講師石橋 純
音楽をてがかりにラテンアメリカ地域にアプローチします。サウンドや歌詞の背景にある文化と社会について論じます。
授業内容
ふだんの授業は音源と映像の再生に教師の解説をまじえた形式です。春学期は、テーマを決めて、体系的にラテンアメリカ音楽を聴いていきます。まず総論としてラテンアメリカ音楽の特徴、スペイン・ポルトガル音楽との相違点、文化混淆と音楽などについて論じます。つぎにキューバを一例としてとりあげ、この島の伝統音楽が国際的に広まり、こんにちのサルサへと変貌し、グローバルマーケットに受容されるまでを論じます。中盤では「うた」に着目し、ロマンティック歌謡や社会批評の歌などを、地域横断で聴いていきます。このシリーズではとりわけ歌詞に着目します。秋学期は、さまざまな地域の音楽をとりあげ、論じます。 講師の得意分野はベネズエラをはじめとするカリブ海域の音楽ですが、北はUSAから南はアルゼンチンまで、アメリカ大陸ならびにカリブ海域(英仏語圏も含む)の音楽を幅広く扱います。折にふれ、ゲスト講師や音楽家もお招きする予定です。今年はメキシコ音楽ならびにフラメンコのゲストをお呼びしたいと企画中です。 春学期の内容は例年とほぼ同一、秋学期は来日アーティストの公演日程などと絡めて新しい内容を盛り込みます。
教材
石橋純編『中南米の音楽―歌、踊り、祝宴を生きる人々』東京堂出版、2010年。
成績評価
毎回のリアクションペーパー(70%)とレポート(30% 通年で1本)による。授業中に口頭発表する受講生募集(レポート免除)。
講師よりメッセージ
ラテンアメリカ愛好家は日本に数多くいますが、国やジャンルの枠を超えてこの地域の音楽を幅広く聴く人は少数です。授業を通じていろいろな音源を聴いていただくことで、ラ米音楽の楽しみがいっそう増すことでしょう。
受講生の声
「体系的にラテンアメリカの音楽を聴き、音楽を通してラテンアメリカの社会に触れていく内容に興味を持つことができる講義です。音楽的には専門的なことも多いが楽しんで受講をしている。実際にサルサを踊り、その体験を文章にしたのも良い経験となった。配布資料がわかりやすく講義の理解に役立っている。」
 「ベネズエラをはじめとするカリブ音楽は内容豊かで、興味深い。」
 「実技もあり、内容が体系的、全体像が分りとても良かった。」
 「たくさんの曲を聴くことができて、お得な科目です。毎回詳細なレジュメをつけていただき、その日の音源のリストも帰宅してからの復習に役立っています。」
 「豊富な音源の披露で満足度120%。また地域(例えば国)間の音楽的交流を音源を通じて深められると更によろしいかと存じます。 ダンスありライブありでvarietyに富み十分堪能し得るものであった。」
 「いろいろな音楽を紹介して下さり、楽しく講義を聞く事ができました。踊る授業まであって笑いながら参加できました。先生のベネズエラのお話や体験は南米を理解する助けになりました。」
ここがオススメ
しばらく開講できなかった「ラテンアメリカ音楽」が数年ぶりに2014年度に登場しました。2017年度はさらにパワーアップした「ラテンアメリカ音楽」となりますので、どうぞお楽しみに!
ラテンアメリカ論Ⅱ ~ビジネスの世界
講師星野 妙子       
ラテンアメリカのビジネスの特徴と日本との経済関係を学ぶことで、新聞の経済記事に自然と目が向くようになることを目指します。
授業内容
ラテンアメリカの経済とビジネスの特徴、ラテンアメリカと日本の経済関係を、比較や日常生活の体験を交えてわかりやすく解説します。過去3年の講義と同様に、前期ではラテンアメリカ経済の発展の歴史と構造を概説したのちに、ビジネス界を牛耳る財閥に焦点を当てて、オーナーの出自や経営の特徴、なぜ財閥が成長し富の集中が起きるのか、日本のかつての財閥や諸外国の財閥とラテンアメリカの財閥はどう違うのか、などを論じます。秋学期には日本とラテンアメリカのモノ、カネ、ヒトのつながりを、いくつかの産業や企業に焦点を当てながら検討します。日本はラテンアメリカから何を買っているのか、日本からどのような企業がラテンアメリカに進出しているのか、経済グローバル化にラテンアメリカ企業はどう対応しているのか、などを論じます。トランプ新政権が成立したことで、米国とラテンアメリカの経済関係は今後大きく変わる可能性があります。トランプ政権成立のラテンアメリカ経済への影響についても、時宜をはかって検討します。なお、過去3年の講義で好評だった現地経験豊かな受講生による体験報告を、本年度も実施したいと考えています。
教材
そのつど、資料を用意します。
成績評価
出席率(70%)と、レポート提出または授業での体験報告(30%)。レポートの場合は、講義内容の中から各自関心を持ったテーマを選び期末に提出。
講師よりメッセージ
これまでと同様、講義のテーマは、春学期が経済構造と財閥、秋学期は日本との経済関係と産業分析ですが、データの最新化と取り上げる財閥や産業の事例、トランプ・ファクターの検討で、新しさを出そうと考えています。
受講生の声
「前期は「ラテンアメリカの財閥」というテーマでラテンアメリカの社会を背景に経済の動向を学ぶことができた。日本を含めた他国の財閥の例を紹介していただき、理解しやすい。講義のスピードもとても良い。実際に企業で働いている、もしくはラテンアメリカで働いたことのある人達にとってはとても学ぶことの多い内容だと思う。受講生の体験談などうまく引き出して、質問等にも的確に答えてくれる。企業の仕組みや経済の動きがわからない私にとってはとても新鮮な講義だ。」
 「メキシコ及びラテンアメリカの財閥グループの分析は興味深い。ビジネスを通じて、それらの企業グループと実際に取引を行った経験があるが、研究テーマとしての視点は様々な点に気づかせてくれる。」
 「ラテンアメリカの財閥の過去・現在・未来をわかりやすく展開していただいてます。理解しやすくするために日本の財閥との対比等随所に説明があり理解し易く、講師の配慮を感じます。配布資料も毎回講義内容のレジュメをいただき帰宅後の復習に大いに役立っています。受講生の方々も積極的に参加されており、特に現役の方の“生”の経験のラテンアメリカでのM&A・PMIは大変魅力的です。」
 「講師が研究・調査を続けてこられたフィールドがメキシコということでメキシコの事例を多く活用して講義を進められているので分りやすい内容となっています。講義に使用される資料も分りやすく講義のスピードを支えていると思います。」
ここがオススメ
今年4年目となるラテンアメリカ経済の授業です。長年、メキシコで聞き取り調査を続けてきたアジア経済研究所の気鋭の研究者による講義です。ラテンアメリカ駐在や出張経験豊富な方にも好評です。ラテンアメリカ社会の仕組みに興味のある方もぜひご参加ください。
ラテンアメリカ文学 ~グローバル化時代のラテンアメリカ文学
講師柳原 孝敦
ラテンアメリカの文学作品を読みながら、ラテンアメリカ文学が扱ってきた問題を考えると同時に、文学の楽しみにも触れる。
授業内容
比較的近年の作品を読みながら、受講者全員で討議を重ねる形で進めたい。 ラテンアメリカ文学というと、ガルシア=マルケス『百年の孤独』に代表される「魔術的リアリズム」の作風ばかりが想起されることが多い。そうでない場合にはボルヘス張りの知的遊戯がイメージされるだろう。ここ20年ばかりのラテンアメリカ文学の中には、あからさまにそうしたイメージに反発するものもあれば、グローバル化の時代に対応するように独自の作風を展開するものもある。最初の数回でそうした事情を講義し、その後、具体的な作品を読みながら授業を進める。  読む作品は、受講者の習熟度を考慮に入れて、可能ならばスペイン語のものを、場合によっては英訳か日本語訳のあるものを読む。初回に相談の上、作品を決定する。
教材
受講者と相談の上、決定する。
成績評価方法
参加点50%、学年末の課題50%で評価する。
講師よりメッセージ
文学作品を読む楽しみのひとつは、その作品について人と語り合い、いかにひとつの作品に対する理解が多様かを知ることにあります。それを知って驚きたい人、自分の理解によって誰かを驚かせたい人の参加を期待します。