学びのキーワード別座談会「政策・行政・法律」

立教大学

2015/03/01

立教を選ぶ理由

OVERVIEW

私たちが暮らす社会の仕組みやルール、そして住みやすい環境づくりは、私たち生活者にとっていつの時代も大きな関心事となっています。そこで、さまざまな学びのテーマの中でも私たちの生活と密接にかかわる「政策・行政・法律」というキーワードから学科を選び、大学でさらに自分だけの学びのテーマに出会った3人に、学びの動機や学科の特色などを伺いました。

地元が大好き。だから「まちづくり」を学んでいます 将来は自治体や企業でまちの活性化に取り組みたい

ーまず、皆さんがそれぞれの学科を志望した理由を教えてください。

向井(経済政策学科) 私の住むまちでは、公園や商業施設などが充実したまちづくりが行われているため、とても暮らしやすいと感じていました。そのためか、市民にとって住みやすいまちとは? という興味を抱くようになり最終的に「都市政策」というキーワードにたどり着きました。そこで、大学ではまちや都市に関する政策について学んでみたいと考え、「政策」というキーワードに魅かれて経済学部の「経済政策学科」を志望しました。

高橋(コミュニティ政策学科) 私は岩手県の人口が7000人に満たない小さな温泉地で暮らしていたのですが、地域の人たちが協力してさまざまな工夫を凝らし、観光地としての魅力を高めようとしている姿を見ているうちに、まちという小さな単位でもいろいろな取り組みができることに魅力を感じるようになりました。そこで、まちおこしといった観光の側面はもちろん、そもそも私たちにとって住みやすいまちづくりを行うためにはどうしたらいいのか? という疑問を持って、高齢者や子どもの福祉といった視点でも考えることができそうなコミュニティ福祉学部 の「コミュニティ政策学科」を選びました(※1)。

海老澤(法学科) おふたりには「まちづくり」というキーワードで共通点があるようですね。私の場合は、弁護士や裁判をテーマにしたドラマなどの影響もあり、小学生のころから法律の世界に興味がありました。一方で歴史も好きだったため、正直自分の興味を絞り込むことが難しかったのですが、その先の進路を考えた際、公務員や教員を目指したいという気持ちもあり、一般企業も含めあらゆる進路への可能性を模索できる法学部の「法学科」を選びました。

「コミュニティ政策学科」を選びました(※1)。

ー皆さん、しっかりと自分の興味や進路を考えた上で、学科選びをしているようですね。実際に入学してみて何か気づきはありましたか?

向井 経済政策学科では「政策の立案や遂行ができる人」を目指して勉強するわけですが、目標に辿り着くためには、大教室で受講する講義型の授業ばかりを、受け身の姿勢で聞いているだけでは十分とは言えないと思います。積極的な発言が求められる少人数のディスカッション型の授業(※2)を意識的に履修することで、「考えて論じる力」を養うことが必要だと実感しています。

海老澤 私も同感です。高校時代、法学部は六法全書を暗記するところという認識でいたのですが、実際入学してみて、六法を運用して社会の諸問題をどう解決するかというプロセスを学ぶのが法学部での学びの本質であると気づきました。入学後しばらくは丸暗記してしまうこともあったのですが、今では「自分で考える癖」がついてきたように思います。ニュースを見ていても、自分なりの考えや意見を持てるようになり理解が深まりました。

高橋 「地域活性化」「まちづくり」という言葉をよく耳にすると思いますが、テレビや新聞ではその結果だけが報道されることが多いので、どこか楽しく華々しいイメージがありました。しかし実際にこの学科で学んでみて、さまざまな過程を経て、挫折や失敗などを繰り返しながらそうした政策が実現されていることを知り、それらの背景にあるモチベーションや、経営的な側面を考えるようになると、物ごとの見方が変わってきました。

少人数のディスカッション型の授業(※2)

ーそれぞれの学科で勉強してみて、今どんなことに興味を持っていますか。

向井 入学前からの初心通り、都市政策のゼミで学んでいるのですが、やはり今も地域活性化、特に小さなまち単位での活性化に興味があります。私自身スポーツが好きなこともあって、スポーツが地域活性化にいかに貢献できるかというテーマに挑んでいます。具体的には、バスケットのプロリーグが地域活性化を実現できるかを探ってみたいと考えています。

高橋 そのテーマはコミュニティ福祉学部のスポーツウエルネス学科でも興味深いテーマになりそうですね。

向井 そうですね。実際、このテーマに出会ってからはスポーツウエルネス学科の授業に興味が湧いてきたので、他の学部科目履修制度を使って学ぶことも考えています。こちらの学科でもまた違った視点で、自分のテーマを研究できるのではないかと。やはり同じ大学なのでどこかでつながっているのかもしれませんね。

高橋 わたしは今「行政とNPOの協働」というテーマに興味を持っていて、NPOや民間が行政にはできないさまざまな政策を請け負うことで、力をつけすぎることから生まれる問題や、それぞれの立場や役割などをさまざまな視点で追及してみたいと思っています。

海老澤 大学に入って、ヨーロッパにひとり旅に出かけたのですが、外から日本を見た時、日本はつくづくいい国だなと気づきました。旅行中に訪れた先々で、遠くからよく来てくれたと歓迎されて地元の良いところをたくさん教えてもらい、こんなふうに住む人が地元を愛する、そんなまちづくりができたらいいなと思っています。地元埼玉には小江戸と呼ばれる川越のまち並みなど魅力がたくさんあるので、観光で地域を盛り上げたいという気持ちを持っています。観光学部には観光に関する法律を学べる科目があるんですよ。

高橋 コミュニティ政策学科では、政策立案のプロセスについては深く学びますが、法律については概論的な授業しか受けていないため、知らないこともまだ多くあります。だから、法学科の授業には興味がありますね。

ー一つのテーマにアプローチするのにいろいろな視点があるようですが、皆さんそれぞれの学科についての魅力を教えて下さい。

向井 経済政策学科は人数的にもコンパクトなので、1年次の必修の授業など、みんな同じような授業を選択し、顔を合わせる機会が多かったせいかとても仲が良く結束力があります。同じ視点で同じ目標に向かっている仲間も多いため、就職活動の際は情報交換しあうなど、助け合いました。

海老澤 法学部には法学科、国際ビジネス法学科、政治学科とありますが、学科間の垣根が非常に低いため、政治、法律それぞれの面から、多面的にものごとを見つめることができるのが魅力です。特に、いろいろな学びや経験を通して、自分の進路を大学で見つけたいと思っている人にはお勧めです。憲法や政治についてはもちろん、金融法や租税法といった経済や金融に関する法律まで勉強できるため、弁護士志望の人だけでなく、公務員志望や民間企業志望の人も幅広く学べますし、いろいろな進路をサポートしていると思います。

高橋 同じ学部の他学科で扱う領域がとても広いので、政策や行政についてだけでなく、メンタルヘルス、スポーツウエルネス、福祉といったさまざまな分野の学びを経験することで、自分の関心を満たすことができます。また、他学部の科目を履修しやすいのも立教のいいところです。まさにここには、興味をサポートしてくれる環境があります。

ー将来の進路についてはどのように考えていますか?

向井 高校生の時は、政策は政府が行うものだというイメージで、大きな視点でしか捉えていなかったのですが、実際に大学で学んでみると、地方自治体やNPO、そして都市開発という意味では、民間企業も重要な役割を果たしていることを知りました。そうした視点で就職活動に臨んだ結果、鉄道業界に内定を頂くことができました。

高橋 私は公務員としてさまざまな政策に携わりたいと思っています。また、鉄道やインフラを整備する民間企業に就職してまちづくりに関わることも視野に入れています。そこではぜひ大学での学びを活かしたいと思います。

海老澤 行政法や行政学の授業で、身近な行政問題を法的にどう解決するかといったテーマに対する答えを自分なりに探っているうちに、行政に興味を持つようになった(※3)ので、公務員に興味があります。公務員は国や地方の「政策」を決める重要な仕事を任されています。それらの「政策」を立案するにあたり行政法や行政学の知識は根幹になると思います。また旅好きなので、何かしらの形でいつか地元の埼玉県を観光で活性化してみたいですね。

行政に興味を持つようになった(※3)

ー皆さん学んだことを進路に関連させているようですね!本日はありがとうございました。

左から経済学部経済政策学科 向井隆昭、コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科 高橋ひろみ、法学部法学科 海老澤駿輔

※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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