新しい文学部は、キリスト教学科、文学科、史学科、教育学科の4学科体制です。とりわけ文学科と史学科が大きく2006年度から変身しています。新文学科は英米文学、ドイツ文学、フランス文学、日本文学の各専修、さらに文芸・思想専修が新設されて、全5専修からなります。新時代の「文学像」への挑戦といえるでしょう。文芸・思想専修は、多彩な教員と科目とを取り揃えて、学生が主役になった表現活動や思索活動を促し励まします。新史学科は、世界史学、日本史学、超域文化学の3専修となり、21世紀にふさわしい歴史像を果敢に提示します。特に、超域文化学専修は、歴史と文化、地域と超地域を結ぶ架け橋となることを期し、人文学の新たな可能性に挑みます。建学の精神を探求しつつ、キリスト教文化から世界を理解しようとするキリスト教学科、教育学と初等教員養成教育との統合を目指すユニークな教育学科も、今までどおり健在です。生まれ変わった文学部では、この混迷の価値多元時代に、伝統あるリベラルアーツの精神を生かして、「専門性ある教養人」を育てるために、学科や専修の枠を自由に超えられる独自のカリキュラムを用意しています。
<おのれ>とは何か、生きる意義とは何か、いかにすれば世界認識を獲得できるか、こうした課題に先人たちは絶えず挑んできました。世紀を超えたその成果と遺産をまとめ直し、人生の謎、世界の闇に迫るアプローチの方法を探ります。
あるいは、世界を知り、人間を知り、自分を知る。しかし、いずれの順序であれ、ここに文学部の研究・教育があり、柔軟性のあるカリキュラムが構成されます。「知ること」。これを、教員と学生との協働営為で実現しようとする試みが、文学部の教育です。
生きた学問は、ひとつの枠に閉じこもらず、おのずと他の領域に越境します。変革が求められる現代、自ら思考し、行動し、そして表現するのは、<あなた>です。現実に働きかけることで新たな課題を自覚し、さらなる越境を求めて、行動しましょう。
キリスト教とキリスト教にまつわる文化現象を学問研究の対象とし、学ぶことを目的としていますので、学生に信仰の有無は問いません。
きめ細かい少人数教育を大切にします。教員は、学生一人ひとりの関心に沿いながら、個別に具体的な相談に応じます。
卒業後の進路は他の学科と特に変わりありませんが、本学科では、ことに異文化理解や国際的、歴史的な視野と感性を持つ教養人を社会に送り出すことを目標としています。
1年次では「入門演習」、2年次では「キリスト教学基礎演習」が必修となり、キリスト教の歴史・文化・思想各領域の基礎を学ぶことが期待されます。また、自らテーマを設定し、そのテーマを掘り下げるための資料収集、整理、分析方法、さらには論文作成へ至るプロセスについての基本的な考え方や方法を学びます。
キリスト教をひとつの重要な人類の「文化」としてとらえ、広く、多角的に学ぶ「キリスト教文化講義・演習」と、より専門的にキリスト教思想に取り組む「キリスト教神学講義・演習」を用意しています。本学科では、中学校、高等学校の「宗教」「社会」(高等学校は「地理歴史」「公民」)の教員免許が取得できます。
文学科の入学者選抜は、すべての入試種別において専修ごとに募集を行います。文学科では1年次より専修に所属し、所属する専修の専門科目を学習します。よって1~4年次を通し計画的に学習することができます。
文学科では、所属する専修以外の科目も履修することができます。所属する専修の科目と他専修の科目をバランスよく履修することも、所属する専修に特化して履修することもできます。特に指定科目Cについては、所属する専修による制限がなく、自由な履修が保証されます。
文学部の共通科目である基幹科目Cでは、文学科の科目以外にキリスト教学科、史学科、教育学科の科目も履修することができます。各学科で開講されている科目を受講することで、幅広い文学的素養を身に付けることができます。
文学部の共通科目である基幹科目AおよびBでは、卒業後の進路も見据え、「職業と人文学」、「インターンシップ」そして「海外フィールドスタディ」など“文学”の枠にとらわれない幅広い学びの機会が用意されています。
文学科では他学科と同じく文学部が持っている従来からの伝統を引き継ぎ、少人数による演習形式の授業で、調査・研究の方法や、発表・討論のノウハウなどをじっくり学習します。
読む、書く、聞く、話す。広く英語を鍛えて、英語圏の文化、文学に親しみ、新鮮な感動を得ることを目標とします。そうして、新鮮な自分が、古い自分を追い越していくのを目撃するのです。
英語圏の文化、文学といっても多様です。映画、音楽、美術、芝居、詩、小説、評論、エッセイ、そして政治の問題、ジェンダーの問題、また人種の問題。世界はなぜこうなのか、さまざまな糸口から、世界の謎に迫ります。そのプロセスを英語、また日本語で報告・発信します。
アフリカ、アジア、太平洋の島々、そしてカリブ海にも、英語でものを考え、ものを書く人々がいる。だから、そこにも、詩があり、歌があり、ニュース報道があり、小説があり、物語がある。しかも、その多彩な一部にわれわれ自身も含まれていることを実感することになるでしょう。
その詩や小説や劇には、生きることの喜びと悲しみ、人生の光と影が描破されています。それに接するものは、自身が鍛え直されていく思いがするでしょう。卒業論文にはそのプロセスを書いてください。
自分自身を知ることは、知性ある人間の条件です。「日独比較」の視点と自己を表現する「文」を通じて、自分自身を知る国際人を育成します。
ネイティヴ教員による演習を中心に、自己を表現できる語学力の習得が目標。文章作成、ネット利用、語学留学や検定試験の準備まで、手厚い支援を行います。
国際的経験豊かな教授陣が、世界各国のドイツ研究にも目を配った最新の成果を反映。新しい「ドイツ語圏」を発見するヒントに満ちています。留学支援も充実しています。
ドイツ語の実践的運用能力の習得を目指した系統的なプログラムを用意。加えて目的に応じた多彩なドイツ語科目を展開しています。
専任教員が全員演習を担当し、学生一人ひとりが自分の関心を学問的に深めていけるよう、きめ細かな指導を行います。さらに専任教員とともに兼任講師陣が担当する演習や講義では、ドイツ語圏言語・文学・文化のさまざまな領域がカバーされます。
テュービンゲン大学およびベルリン・フンボルト大学との学生交換協定によって毎年留学生を派遣。またボーフム大学のドイツ人学生との語学研修や短期研修留学、協定校への派遣留学のほか、その他認定校留学にも積極的にサポートしています。
本専修において、フランス語を身に付け、フランス語圏の文化、フランス語による文学や哲学思想に親しむことを通してフランス語が提供してくれる世界の奥行きの深さ、その幅広さに驚くことになるでしょう。世界各地各層の文化や文学をこんなにも精力的に、多様に、また寛容にフランス語化する言語文化は珍しいと気付くことになります。フランス語という窓から世界が見えてくるのです。遠い南アメリカやアフリカまで見えてきます。しかしそれにもまして、近代という歴史の遠い源流が見えてきます。今、われわれが生きている世界の源流です。
フランス語運用能力を鍛え、フランス語圏の文化や文学に触れるのは、世にいう「おフランス!」をありがたがるためではありません。国境を越えてさまざまな文化と人が渦巻く異世界を目の当たりにし、そのエネルギーの源に触れて、自身の知性のよりどころとするためであるというべきでしょう。
まず、パリと各地方の文化の特色を、それぞれその地にゆかりある文学者、芸術家の仕事とともに紹介するフランス学ともいうべき入門科目があります。そして、フランス語の力を付ける科目がたっぷりと続き、それとともにフランス語の詩や小説、文化、思想、哲学がどんな特色を持っているかを、原文と翻訳文を用いて探究する科目があります。むろん印象派や後期印象派などに代表される美術・芸術の分野も積極的に講義で取り上げます。
リヨン第3大学、フランス国立東洋言語文化学院(INALCO)およびカナダのシェルブルック大学との学生交換協定によって毎年長期留学生を派遣。ほかにもフランス・オルヴェーニュ地方にあるカヴィラム校にて3週間の語学集中講座を開講。フランス語を集中的に習得するとともに、フランス文化を現地で体験することを通じて言語運用能力、コミュニケーションスキルを磨き、フランス文化についての理解を深めるプログラムです。
古代から近・現代に至る日本文学の全領域(芸能を含む)と日本語学の領域から、毎年重要なテーマを厳選して講義・演習を展開しています。さらに日本文学と深いかかわりを持つ中国文学・思想に関する科目も設けています。
1年次は「入門演習」や概説科目で日本文学・日本語学に関する基本的な知識や調査・研究法を学びます。そこで培われた基礎を踏まえて、2年次以降、順次専門的な講義・演習を履修するようにカリキュラムが構築されています。
「研究小論文」は、学生が各自の関心にしたがってテーマを決め、専任教員の助言・指導を受けながら論文を完成させる科目です。講義を聴き、演習に参加するだけでは得られない、主体的な発見を可能とします。
文芸・思想専修は現代という時代に人文学的に取り組む姿勢を徹底して養います。あなたが今持っている知性と感性を信じ、古典と格闘することを通して、現代にありながら現代を自分から突き放し、客観的にその特徴を把握することができるようになります。
古今東西の文芸・思想分野の古典をできる限り原語で読み、思索と表現の言葉遣いを覚え、深く正確に読む力を養います。日本語文化と他の言語文化との比較を通じて、あなたは自分の思索と表現の限界を知り、さらに普遍的な表現法の必要性に気付きます。
卒業のために、随筆、評論、小説や詩といった文芸表現だけでなく、本格的思想評論や論文、あるいは内容上の必然性があれば言語以外の表現媒体による作品などのいずれかを、あなたは制作しなければなりません。この専修は表現者を目指す人のためにあるのです。
世界史学専修・日本史学専修・超域文化学専修という3つの専修があり、特定の文化的価値から自由な立場で私たちの拠って来たる所=「基層」を深く理解しようと努めます。専修への所属は、2年次に選択する演習によって決定します。
異なる歴史を生きた人々の、多様な文化に照らして、自らの文化を相対化します。その上で「大陸世界」と「海域世界」という仮設的フレームワークに従い、自己をより良く理解します。
文献学的な方法に加えて、文化人類学や地域研究論、さらには文化環境学という新しい学問分野を開拓します。それらの方法論の習熟のために、複数の専門言語・フィールドワークプログラムを用意しています。
本学科の学生は、歴史を学びながら、現代へのまなざしを常に保ち続けます。現代世界における自らの位置づけを歴史的に把握してこそ、多文化的現代社会にアクティブにかかわることが可能になります。
専門研究は、1年次の入門演習から始まります。少人数で行われるこの基礎演習では、本学科3専修の学問的手法の基礎を学びます。そして2年次からの専修選択に備えて、きめ細かい丁寧な個別指導が行われます。
2年次から、演習を履修して専修に所属し、教員から少人数の専門教育を受けることになります。学生は教員の指導のもとで、各自の興味に従って研究計画を立て、特殊なテーマや現代的諸課題にアプローチする史学講義・超域文化学講義という専門科目群を履修します。また、文学部他学科の専門科目群を履修することが可能です。各学生が自発的に研究計画を立てられるように、きめ細かく指導します。
1年間に2つ以上のフィールドワークプログラム、オランダ語・イスラーム関係諸言語・スワヒリ語、そしてイタリア語の学習プログラムが用意されています。文学部基幹科目には海外フィールドスタディも準備されています。これらの科目群の履修によって、海外や地域での援助関係の仕事など、将来の進路にいかせる実践的な知識・技能を身に付けることができます。
例えば人は交通事故に遭って記憶喪失になると、自分が誰だか分からなくなってしまうことがあるでしょう。それと同じように、われわれは過去のことを忘れてしまうと自己認識ができなくなってしまうのです。その過去のことこそ歴史であり、そのような過去のことを科学的に吟味し、整理して、われわれ、もしくはわれわれが今、生きている社会との関係で意義付けようというのが歴史学です。そして、古くからさまざまな海外の文化・社会政治制度を受容してきたわれわれにとって、かかわりのある過去は、当然、日本の範囲にとどまらず、その意義や重要性はさまざまですが、広く世界に広がっていると言っても良いでしょう。そこにわれわれが、世界のいろいろな歴史を学び、研究する意味もあるのです。歴史学では、世界の歴史をひとつの全体的なものとして把握したり、時間的変化の過程をとらえたりするためには、何らかの共通の尺度が必要であると考えられています。それは例えば時代区分とか、発展段階の法則といったような歴史概念と言われるものですが、それに類するものとして、世界史学専修では、新たに、大陸世界と海域世界という考え方を仮説として提案します。世界史学専修のカリキュラムは、この仮説を加味して構成されています。それによって学生たちは、新しい世界史像を構築する手掛かりを得ることができるでしょう。
われわれは未来に向かって生きようとしています。そのわれわれと、われわれが生きる社会は、自然を前提とし、何千年かの時間と数え切れないほどの人々の営みの集積としての人間文化の凝縮です。絶対的に孤立した個や断絶した社会は現実にはあり得ません。日本列島上の文化は、時代と共に東アジアはもちろん地球的世界との交流の中で、形づくられてきました。日本史は地球史の一環なのです。しかし、一方で、日本列島上の風土・習俗・知識は文化としてわれわれの心身に染みこんでいます。この世界の中で生きる私たちは、日本列島上に集積された時間、歴史を読み解き、真を発見し、謎を解き、知恵に変えていくことで、まず自らのアイデンティティを確認し、相対化しなければなりません。日本史学専修では、東アジア古代・中世・近世・近代・現代という日本の各時代を網羅するスタッフを揃え、国際関係・天皇と身分・都市と村・女性史とジェンダーなど歴史上の重要な諸テーマについて時代を超えて考えます。歴史研究の本体である史料の読解を通じて分析力・構想力を養い、歴史の舞台・現場に出向いてフィールドワークを行う・・・。学生たちの好奇心と探求力を刺激して歴史研究の楽しさに触れつつ、真の国際人を養成します。
超域文化学専修では広い意味での人類文化誌を学びます。現代社会では、人の移動も、情報の交換も、文化の変動もめまぐるしくなっています。このような時代に一つの視点で社会や人間の全体像を見ることはできません。そこで、歴史学以外の方法も自在に取り入れて、新たな、複数の観点から人間社会を理解することを目指します。複数の観点とは、(1)文化の基層部分に注目し、(2)相対的な観点から、(3)現代社会との関連を解明するものです。文化の基層部分とは、民族、慣習、社会制度、言語、技術などです。これらは、国家や社会組織ができる以前から存在し、現在でも人々の生活の多くの部分を特徴付けています。この基層部分への注目と相対的な視点の獲得こそ、私たちが生きている現代社会でさらに必要になっていく力です。イスラームの文明とそれを涵養した諸社会、アメリカ大陸で多文化が接触する様相、アフリカの無文字社会での文化、南米の自然環境とそれに対応する人々の生活など、さまざまな研究分野、研究対象との比較を心掛けつつ、時代性と汎時代性、地域文化と汎地域、虫の目と鳥の目、を兼備して、周囲を見渡せる知恵を獲得し、アクティブかつフレキシブルな学生を育成します。
個人レベルで考えても、家庭教育、学校教育、生涯教育など、私たちは一生教育にかかわり続けることになります。そして社会レベルでも、教育改革から少年犯罪まで、教育にかかわる多様な問題が絶えず発生しています。本学科では、これら多岐にわたる教育問題を考えるための幅広い学問領域を総合的に学習することを目指しています。
3年次にどちらかの専攻に進むことになります。教育学専攻では、3年次の必修科目である「演習」を足場として、特定の専門領域から教育学をより深く学ぶことを目指しています。また、初等教育専攻では、小学校教員免許取得が卒業要件であり、教員養成のための勉学が中心となります。
ゆとり教育と学力低下問題、いじめや不登校などの教育問題、心の時代における教育臨床問題、国際化社会における学校教育問題、「持続可能な開発のための教育」など、現代的な教育問題を考えるための講義科目を展開します。
1年次から開始される専門教育では、教育学の基礎に触れた後、教育心理学、教育社会学、教育史、教育哲学などの教育諸科学分野を学習。また、学生それぞれの関心に応じて学べるように、多彩な科目が用意されています。
生きた教育の場に目を向ける本学科の学習では、教室内での活動だけでなく、実習や実践研究など、フィールドへ出かけていく機会も重視しています。