2019/12/12 (THU)

公開セミナー「恵みと災害—人間の暮らしと川の関係を再考する」(2019.12.07)を開催しました!

2019年12月7日13時から、法政大学大原社会問題研究所環境アーカイブズとの共催で、上記の公開セミナーを開催いたしました。
センターでは昨年から、規模をおさえて、数名の話し手と参加者がじっくりと議論する形でのイベントを開催しています。
今回の新機軸は、スピーカーのお話を伺った後にグループ・ディスカッションをすること。そのために机が可動式の、やや小さめの教室で実施することになりました。
講師は次のお三方。市民運動の当事者、アーキビスト、そして歴史研究者としての視点から、「ダム」や「川」についてそれぞれに語っていただきました。

●渡辺洋子さん(八ッ場あしたの会)
 「八ッ場ダム—67年の経緯と山積する未解決の問題」
●川田恭子さん (法政大学大原社会問題研究所環境アーカイブズ)
 「消えたふるさと、使われない水—岐阜県・徳山ダム建設反対運動裁判資料を読む」
●長谷川達朗さん (一橋大学大学院社会学研究科)
 「むらからみた水資源開発—1930-50年代—」

渡辺さんからは、今年の台風19号による水害と八ッ場ダムの関係、そして70年近い八ッ場ダムの歴史について伺いました。八ッ場ダムにまつわる膨大な情報を的確に取捨選択し、初めての人でもわかりやすくまとめてくださったのはさすが!としか言いようがありません。
川田さんは、法政大学大原社会問題研究所環境アーカイブズ所蔵の徳山ダム建設反対運動の裁判資料について、詳しくご紹介くださいました。裁判ってちょっと難しい、という印象を持つ方も多いと思いますが、画像をたくさん工夫してくださって、これまたわかりやすいお話でした。
そして長谷川さんには、宍粟郡一宮町閏賀部落という「むら」に暮らす人々と川の関係を、地域の人々が大切に引継ぎ守ってきた区有文書を用いて、解き明かしてくださいました。

ディスカッションからは「流域住民、国家や自治体、建設業者、都市住民など、ダムをめぐる利害関係は複雑だが、どこまでを当事者と考えるのか?」「災害大国として、ほんとうにどうしたらよいのか?」などたくさんの問いが出され、全体での議論につながってゆきました。

グループでの議論に戸惑った方もおられたようで、主催側のスキルアップの必要も痛感しました....。
スピーカーのみなさま、ご参加のみなさま、ほんとうにありがとうございました。

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