英語教育研究所St.Paul's Institute of English Language Education

英語教育研究所は、言語文化の視点を通して、日本の高等教育機関における英語教育のあり方を研究するため、1998年4月に設立されました。英語教育システムの研究開発、教材研究開発、教育機器に関する研究開発、英語教育に関する国際交流など、常に新しい英語教育の内容と方法を開発することを目的とし、またその成果の還元を図ることを目的としています。

概要

所長・所員・研究員(2022年度)
所長
中田達也 異文化コミュニケーション学部准教授

所員
髙橋里美 異文化コミュニケーション学部教授
鳥飼慎一郎 立教大学名誉教授、兼任講師
ロン・マーティン 異文化コミュニケーション学部准教授
タラ・マッキロイ 外国語教育研究センター准教授
森聡美 異文化コミュニケーション学部教授
師岡淳也 異文化コミュニケーション学部教授

研究員
熊谷允岐

イベント・講演会

2022.06.18 公開講演会「教えたけど、知っているのに、使えないのはなぜか?最新の第二言語習得(SLA)研究で分かってきていること」※事前申込要
日時:
2022年6月18日(土)10:00~11:30

場所:
Zoomによるオンライン開催

内容:
英語授業において、「教えたけど、生徒が英語を使えない」、また、「文法規則を知っているのに、使えない」という現象が頻繁に起こります。そして、なぜそのような現象が起こるのか?という問いに答えるためには、様々な知見を用いる必要があるでしょう。本講演では、第二言語習得(SLA)研究の一つの理論であるスキル習得理論(Skill acquisition theory)を中心に扱いながら、その答えを探ります。
教えたのに…知っているのに…使えない。だから、「教えない」、「知らなくていい」というような短絡的な結論に陥らず、なぜ使うようになるには時間がかかるのか、どのような学習メカニズムが働いているのか、使えるようになるために効果的な指導のコツは何か、などの問題をSLA研究の成果から考察します。特に、スキル習得理論に基づく近年の研究は、認知心理学における「学習の科学(Science of Learning)」の知見も検証・応用しながら発展しているため、そのような最近の研究動向も含めて議論します。

講師:
鈴木 祐一氏(神奈川大学国際日本学部准教授)

司会:
中田 達也(立教大学異文化コミュニケーション学部准教授・英語教育研究所所長)

主催:
立教大学英語教育研究所

対象:
学生、教職員、一般

申込:
事前申込要、参加費無料
下記のリンクからお申込みください。

申込締切:
2022年6月15日(水)17:00

問合先:
中田 達也nakata@rikkyo.ac.jp 
2022.06.25 公開講演会「構文文法の考え方と英語教育への応用」※事前申込要
日時:
2022年6月25日(土)13:00~16:20

場所:
Zoomによるオンライン開催

内容:
第一部(13:00~14:30)文法が伝える意味とは何か?:構文文法の考え方
皆さんはJohn swam his horse in the pool.(ジョンは馬をプールで泳がせた)という文を見ると何か違和感を覚えませんか。swimを辞書で引くと「泳ぐ」という意味があるのに、泳いでいるのは主語のジョンではなく、目的語の馬です。また、そもそも、swimは目的語を取る動詞でしょうか。辞書とは違うswimの意味でも、なんとなく理解できてしまうはなぜでしょうか。この文を理解するために、どのような英語の知識を持っている必要があるでしょうか。
 本講義では、このような、よくよく考えてみると不思議な英語の文に対して「構文」という単位に注目しながら迫っていきます。語に意味があるように、構文にも意味があります。英語には二重目的語構文のような抽象度も複雑度も高いものから、単語のように抽象度も複雑度も低いものまで様々なタイプの構文があり、各構文は私たちの日常的な経験と深く結びついた意味を伝えます。構文がどのように習得され、どのように運用されるのかを見ていくことで、本講義では、構文を通して見えてくる私たち人間が持つ知識のありようについて一緒に考えていきたいと思います。

第二部(14:50~16:20)構文文法を教育に応用する
 第二部では、構文文法の英語教育への応用について考えていきます。構文文法は英語教育の場で大いに活用ができ、特に、文法を教える際に大いに役立ちます。例えば、皆さんは高校の英語の授業などで、I threw him the ball.のような二重目的語構文をI threw the ball to himのような他動詞構文に書き換える練習をしたことはないでしょうか。このような書き換え問題は、二つの文型が表す意味は大体同じという前提に立っています。しかし、この二つの文では表す事態が異なります。最初の文は、彼に向かって投げられたボールを彼が受け取ったことを表すのに対して、二つ目の文では、彼に投げられたボールを彼が実際に受け取ったかどうかまでは分かりません。構文文法では、文法も意味を伝えるという立場に立つため、無機質な書き換え問題の背後にある、豊かな意味の世界が見えてきます。
 本講義では、英語教育の現場で使える様々な構文を紹介しながら、構文がなぜそのような形や意味をしているのかという疑問に対して、言葉は現実世界を映し出す鏡のようなものだと考える類像性の観点から考えていきたいと思います。私たちが経験した世界が構文の形や意味に影響を与えるからこそ、書き換えが可能に見える文であっても、それぞれの構文が確固たる意味を持っていると言えます。

講師:
大谷 直輝氏(東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授)

司会:
鳥飼 慎一郎(立教大学名誉教授、科研EMIプロジェクト代表、英語教育研究所所員)

主催:
立教大学英語教育研究所、科研EMIプロジェクト

対象:
学生、教職員、一般

申込:
事前申込要、参加費無料
下記のリンクからお申込みください。

申込締切:
2022年6月23日(木)24:00
6月24日(金)に登録されたメールアドレスにZoom視聴のためのURL、ID等をお知らせします。

問合先:
鳥飼 慎一郎tori@rikkyo.ac.jp 

刊行物

2021年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第12号(2022年3月発刊)
・「『やる気』と『やり方』を考える—外国語学習の成否に関わる2つの要因について」竹内 理(関西大学教授)
 講演1:外国語学習での動機づけを考える—学習意欲を高めるための10の方策
 講演2:外国語学習での方略を考える—過去からの知見と未来への提言
・「Content-Based Instruction(CBI)とContent and Language Integrated Learning(CLIL)の理論と実践」原田 哲男(早稲田大学教授)
 講演1:なぜCBI/CLIL?理論的背景とその課題
 講演2:CBI/CLILとしてのEAP(English for Academic Purposes)とEMI(English Medium Instruction)の大学での実践
2019年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第11号(2020年3月発刊)
・「単語の向こうにあるもの:語彙と文法におけるパターンを探る」Randi Reppen(北アリゾナ大学教授)
・「20世紀におけるSLAの軌跡と21世紀における課題と展望」佐野 富士子(常葉学園大学特任教授、前横浜国立大学教授)
・「キャンパス国際化の挑戦:関西大学の取組み」山本 英一(関西大学教授)
2017年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第10号(2018年3月発刊)
1.フィンランドの英語教育 伊藤 治己(関西外国語大学外国語学部教授)

2.アメリカ合衆国の大学教育国際化政策とオハイオ州立大学の外国語教育 湯浅 悦代(オハイオ州立大学東アジア言語文学学科准教授)
 第1講:大学教育における国際化、地域研究、外国語教育:アメリカ事情
 第2講:オハイオ州立大学における国際化、地域研究、外国語教育の試み
 第3講:Performed-culture approachの理論的背景と概要
 第4講:Performed-culture approach(ワークショップ形式)

3.連続公開講演会 Prof. Dr. Brigitte Halford (Department of English-Linguistics, University of Freiburg)
 言語接触
 第1講:多様な言語との接触に彩られた英語の歴史:言語発達を中心とした
 第2講:言語接触の場における言語とアイデンティティ:話し手を中心とした

 多言語主義
 第3講:多言語主義が個人に及ぼす効果:認知および態度から見た
 第4講:ヨーロッパにおける社会的多言語主義の諸形態:状況や政策から見た
2016年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第9号(2017年3月発刊)
1.連続公開講演会とワークショップ Susanne Gundermann氏(ドイツ フライブルク大学)
公開講演会
・The spread of English-medium instruction in higher education
・The challenges of English-medium instruction for students and lecturers
・Support for English-medium instruction: Insights from the EMI Project at the University of Freiburg
ワークショップ
・Diversity and intercultural communication in the English-medium instruction classroom
・Student interaction in the English-medium instruction classroom

2.連続公開講演会—ドイツの外国語教育政策について— Matthias Hutz教授(ドイツ フライブルク教育大学)
・Educational System in Germany
・German Foreign Language Education
・Teacher Training Programs in Germany
・Teacher training courses at Universities of Education (Padagogische Hochschulen)
・The Future of the German Education System

3.連続公開講演会 Christian Mair教授(ドイツ フライブルク大学)
・Global English in a multilingual world: an introduction to language and Globalisation
・Immigration and multilingualism in the global city: London, New York and Toronto
・Creolisation: language and culture in the English-speaking Caribbean
・Progress in linguistics: technology and the human factor
2015年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第8号(2016年3月発刊)
・「ドイツに見るEUの外国語教育」鳥飼慎一郎
・「フィンランドの言語政策—必修スウェーデン語授業をめぐる論争」高山一郎
2014年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第7号(2015年3月発刊)
・「第1講 「欧州言語共通参照枠」(CEFR)とは何か」Dr. David Newby
・「第2講 「語学教育実習生のためのヨーロッパ・ポート」Dr. David Newby
・「第3講 新しい文法の数え方—認知文法+コミュニカティブ・アプローチ」Dr. David Newby
・「第4講 新しい文法の教え方—実践的ワークショップ」Dr. David Newby
・「第5講 社会の変化を反映した現代英語の特徴」Dr. David Newby
・「大学の英語教育は国際化にあってどのように変わるべきか—近年の英語教育の3つの二元論を中心に」森住 衛
2013年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第6号(2014年3月発刊)
・「第1講 バンク・オブ・イングリッシュとコウビルド・プロジェクト」スーザン・ハンストン
・「第2講 正しく話すために:英語のフレイジオロジー」スーザン・ハンストン
・「第3講 動詞から見たパターン文法」スーザン・ハンストン
・「第4講 正しく教えるために:コーパス言語学と英語教育」スーザン・ハンストン
・「全カリの遺産——立教大学における言語教育改革とその彼岸——」実松克義
・「第1講 レキシカル・プライミング」マイケル・ホイ
・「第2講 語の意味、語彙間の意味的関係、コーパス言語学」マイケル・ホイ
・「第3講 パラフラフ、文章構造、語彙選択」マイケル・ホイ
・「第4講 文法的結束性、意味的結束性、メンタルレキシコン」マイケル・ホイ
・「コーパスと語彙研究と辞書編纂」赤野一郎
2012年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第5号(2013年3月発刊)
・「民間言語学」デニス・R・プレストン
・「認知言語学のパラダイム—21世紀の言語学の新展開—」山梨正明
・「第1講 近年の英文法研究における成果」ジェフリー・リーチ
・「第2講 British National Corpusの成功と課題」ジェフリー・リーチ
・「第3講 近年における英語の動詞句の変化」ジェフリー・リーチ
・「第4講 英語という言語の過去、現在、未来」ジェフリー・リーチ
2011年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第4号(2012年3月発刊)
・「内なる異文化コミュニケーションを考える—「東京人」再考—」久米昭元
・「沖縄人(ウチナンチュー)の時間認識についての一考察」伊佐雅子
・「東北にまつわるイメージの形成および青森の人々の自己認知について」山本志都
・「バイリンガリズムとバイリンガル教育:その幻想と現実」藤田保
・「英語イマージョン教育を受けている児童生徒の実態」山田HAY美由紀
・「千里国際学園(一条校とインター併設校)でのバイリンガル教育からの示唆」田浦秀幸
・「日本人と英語—黒船と漂流民の物語に見る異文化との遭遇—」鳥飼慎一郎
・「外国語学習の科学—第二言語習得研究の現在と今後の展開—」白井恭弘
2010年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第3号(2011年3月発刊)
・「FDセミナー Myths about L2 Reading and Reading Instruction」Dr. Fredericka Stoller and Dr. William Grabe
・「第1講 Reading Research Development」Dr. William Grabe
・「第2講 Promoting Purposeful Language Learning with Project Work」Dr. Fredericka Stoller
・「第3講 Reading Comprehension Instruction」Dr. William Grabe
・「第4講 Tried and True Vocabulary Teaching Techniques」Dr. Fredericka Stoller
・「第6講 Reading and Writing in ESP」Dr. Fredericka Stoller
・「第7講 GOs for reading and writing」Dr. William Grabe
・「第8講 Integrated Skills and Content-Based 」Dr. Fredericka Stoller
2008・2009年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第2号(2010年3月発刊)
・「これからの英語教育の方向性-小学校英語必修化を受けて-」藤田保
・「大学英語教育における語彙」望月正道
・「国際環境における高等教育を中心とした日本の英語教育の問題点と将来像」小池生夫
・「コーパス言語学とその英語教育への応用」Douglas Biber
・「どうなるのか、これからの大学英語教育」押上洋人
2005・2006・2007年度 立教大学英語教育研究所研究成果報告書 第1号(2008年3月発刊)
・「立教大学英語教育研究所研究成果報告書の刊行にあたって」鳥飼慎一郎
・「スウェーデンの英語教育」高山一郎
・「立教大学の英語教育:その軌跡と未来」ジョセフ・ショールズ
・「言語教育・研究のための統計:基礎の基礎の基礎」石川慎一郎
・「文学の英語—知的運用能力の開発に向けて」豊田昌倫
・「学問の方法と国民性 イギリスと日本を比較して」吉野利弘

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