2026/06/02 (TUE)プレスリリース

過酷な夏季の労働環境改善へ。
スポーツウエルネス学部が産学連携、新たな暑熱対策技術の生理学的有効性を検証

キーワード:研究活動

OBJECTIVE.

立教大学スポーツウエルネス学部の石渡貴之教授、安松幹展教授らの研究グループは、大東建託株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 CEO:竹内啓)および株式会社昭和商会(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:佐野修唯)との産学連携(委託研究)に基づき、両社が開発を進める「ファンによる気化熱」と「ペルチェ素子による直接冷却」を組み合わせた暑熱対策ウェアについて、暑熱環境下における生理学的・心理学的有効性を検証する実証実験を行いました。

左)実証実験で使用した製品 、右)30分間の歩行による運動負荷

本実証実験は、松山大学人文学部の田中英登教授(横浜国立大学名誉教授)との共同により、気温32℃(WBGT 28℃)の暑熱環境下で実施されました。従来のファン付き作業服は、高気温下において外気吸入による冷却効果(気化熱)が限定的になるという課題がありましたが、本研究では「ペルチェ素子」による直接冷却を併用することで、衣服内および身体の熱収支が改善されるかどうかの測定・評価を行いました。

検証の結果、当該ウェアの着用により、冷却の接触部位のみならず、非接触部位である上腕部の皮膚温上昇を約0.5℃抑制することを確認しました。これにより、暑熱環境下における作業者の主観的な身体負荷(ストレス)が緩和され、快適性や認知機能の維持に一定の有効性が認められるという、客観的なデータ(エビデンス)が得られました。
現代の建設現場等における熱中症対策や労働環境の改善は、厚生労働省も推進する重要な社会課題です。本学スポーツウエルネス学部では、今後も専門的な知見や高度な研究環境を活かし、外部機関との連携を通じて具体的な社会課題の解決と、より健康的な社会の実現に寄与してまいります。

ファンのみ稼働(最大温度37.2℃)

首ペルチェ+ファン稼働(最大温度29.9℃)

脇ペルチェ+ファン稼働(最大温度28.8℃)

今後の展望(研究者コメント)

立教大学スポーツウエルネス学部
石渡 貴之 教授


「今後は、個々の皮膚温度や心拍数に反応してファンの風量やペルチェ出力を自動調整する『パーソナライズされた冷却制御』を検討することで、バッテリー効率と快適性のさらなる向上が期待できます。また、使用者の好みに合わせて、ペルチェ素子の設置箇所を首元やわきの下等へ自由に変更し、人体に正しく接触させて使用することで、より高い効果が得られると考えられます。」

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