2023/09/27 (WED)
現代心理学部の小口孝司教授らが国際会議"28th Asia Pacific Tourism Association Annual Conference"にてThe Best Paper Awardを受賞
キーワード:研究活動
OBJECTIVE.
2023年7月5日(水)~7日(金)タイのチェンマイで開催された国際会議”28th Asia Pacific Tourism Association Annual Conference”にて、現代心理学部の小口孝司教授、川久保惇兼任講師(本学大学院現代心理学研究科修了生)らがThe Best Paper Awardを受賞しました。

今回受賞した論文のタイトルは、"The Influence of crowding, popularity, and time-monetary costs on theme park experience and satisfaction"です。これは、小口教授が研究代表者である文部科学省科学研究費基盤研究(B)「ツーリズムの心理的効果に関する研究」の下に行われている研究の一部です。観光がどのような心理的効果をもたらすのかを科学的に検証しています。
この研究について、小口教授らは「テーマパークの混雑と人気度、満足度」の関係を以下のように説明しています。
テーマパークは混んでいると人気があると感じます。ところが同時に、混んでいるとテーマパークが楽しくなくなってしまうことがあります。そこで、混雑度と人気度がテーマパークの経験や満足にどのように影響するのかを明らかにしました。分析の結果から、混雑度が高いと、人気度も高いと感じます。ところが、混雑度はテーマパーク体験の質を低下させてしまいます。しかし、人気度はテーマパーク体験の質を高め、それが満足度につながるのです。満足度が高いと、口コミを行い、特別にお金を払うことを促し、また訪れたいと思い、SNSにも上げるようになります。つまり、混雑度は、人気度にプラスに影響するものの、テーマパーク体験を棄損し、満足度を落としてしまう。すなわち、人気度を保ちながら、混雑度を抑え、満足度を上げることによって、テーマパーク訪問者が満足し、運営する企業もより多くの利益が上げられる可能性が示唆されました。テーマパークマネジメントの一端を示した研究を言えるでしょう。
コメント

授賞式の様子
小口 孝司
現代心理学部長をはじめとした、同僚の教員・職員の皆様(特に研究遂行を援助いただいているリサーチ・イニシアティブセンターの方々)、そして現代心理学部、現代心理学研究科の皆様のご理解・ご協力のおかげで賞をいただくことができました。皆様方のご支援の賜物です。今後は前述の研究をさらに発展させていき、学内外の多くの研究者の方々、企業とも協働させていただきながら、より多くの研究成果を社会に還元できるように励んで参りたいと存じます。
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