2022/09/23 (FRI)

小惑星探査機「はやぶさ2」試料分析成果のScience誌掲載

キーワード:研究活動

OBJECTIVE.

東北大学と立教大学他の研究機関は、小惑星探査機「はやぶさ2」によって採取された小惑星Ryugu(リュウグウ)の試料の分析に基づく研究成果をまとめた論文が、米国の科学誌「Science」に2022年9月22日(日本時間9月23日)に掲載されたことを発表しました。

小惑星探査機「はやぶさ2」は小惑星Ryugu(リュウグウ)からの試料採取に成功し、2020年12月6日にその試料を地球に届けました。本研究では、その試料を実験室で分析し、リュウグウの形成史を調べました。リュウグウは、そのもととなる小惑星(母天体)が衝突によって破壊され、それが集まってできたと考えられています。本研究では、この母天体が太陽系の中のどこで、いつ形成されたのか、どのような物質で構成されていて、その後の化学反応によってどのように進化したのか、母天体からどのように放出されたのか、という課題を解決するため、大きさ1~8mmの粒子17個の分析が行われました。

その結果から、リュウグウの母天体は、太陽系誕生から約200~300万年後に、水と二酸化炭素が氷として存在する太陽系外縁部で形成されたと考えられます。ここでは、低温で形成された物質が多く、高温で形成された物質はほとんどありません。母天体の内部にある水の氷が、形成の約300万年後に放射性加熱によって融解し、水-岩石反応によって無水鉱物組成が徐々に変化し、大部分が含水鉱物となりました。そして、約10億年前の衝突でその天体が破壊され、衝突点と逆側で発生した破片が再集合してリュウグウが形成された、と結論づけられました。

本研究成果を含む「はやぶさ2」初期分析「石の物質分析チーム」(代表 中村智樹 東北大教授)による研究成果は、9月22日(木)(日本時間9月23日(金)午前3時)にアメリカ科学振興協会(AAAS)サイエンス(Science)誌に掲載されました。


立教大学は、「はやぶさ2」に搭載された光学航法カメラの開発や、試料採取のための着陸運用に取り組みました。光学航法カメラシステムは、1台の望遠カメラ(ONC-T)と2台の広角カメラ(ONC-W1,2)で構成されています。本学はこれらのカメラの性能試験や、撮像計画の検討に取り組み、また撮像のための運用、小惑星周辺の衛星探索など様々な活動を行ってきました。

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