2020/04/10 (FRI)

新型コロナウイルス対策を目的としたスーパーコンピュータ「富岳」の優先的な試行的利用に理学部の望月祐志教授が参画

キーワード:研究活動

OBJECTIVE.

新型コロナウイルス対策を目的としたスーパーコンピュータ「富岳」の優先的な試行的利用について、理化学研究所は文部科学省と連携し、同研究所が開発主体となって開発・整備を推進するスーパーコンピュータ「富岳(ふがく)」を、同ウイルス対策に貢献する成果をいち早く創出することを目的として可能な限り計算資源を関連研究開発に供出することを2020年4月7日に発表。これには、理学部化学科の望月祐志教授が「新型コロナウイルス関連タンパク質に対するフラグメント分子軌道計算」の課題研究で参画しています。

スーパーコンピュータ「富岳」(開発・整備中、提供:理化学研究所)

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が世界的に深刻化する中、フラグメント分子軌道(FMO)プログラムABINIT-MPを開発、さらに応用計算を展開してきた理学部化学科の望月祐志教授らの研究チームは、シミュレーションの立場から何らかの貢献が実現できないか検討した結果、主要プロテアーゼと阻害剤の分子構造の公開から1ヶ月でFMO計算による解析と論文化を行い、ChemRxivで公開しました。
https://chemrxiv.org/articles/Fragment_Molecular_Orbital_Based_Interaction_Analyses_on_COVID-19_Main_Protease_-_Inhibitor_N3_Complex_PDB_ID_6LU7_/11988120/1

この計算には名古屋大学に設置されていた富士通FX100(2020年3月末で退役)を利用。スーパーコンピュータの計算力があってこそ、短時間での処理が可能となりました。今回、この研究結果が評価され、理研R-CCS(神戸市)で構築中のフラグシップ機「富岳」を使ったCOVID-19対策のプロジェクトに「新型コロナウイルス関連タンパク質に対するフラグメント分子軌道計算」の名目で参画することになりました。

「富岳」の圧倒的な計算力を活用し、有用なシミュレーション結果がタイムリーに出せるよう、また新型コロナウイルス対策に少しでも協力貢献できるよう共同研究者、学生と研究開発に努める所存です。

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