OBJECTIVE.
現代心理学部の川越敏和助教は島根大学医学部の小野田慶一講師、山口修平教授と共同で、「何も考えていない」こころの状態が意図的につくり出せること、またその際に特徴的な脳活動パターンが生じていることを発見し、その成果を「Human Brain Mapping」誌に報告しました。
論文概要
マインドブランキング (MB) とは、「何も考えていない」こころの状態で、頻度は少ないですが日常生活において確実に存在する現象です。ぼーっといろいろなことを考える「マインドワンダリング」とは独立した心理現象であることが報告されています。MBは発生頻度の低さから、調査が難しいとされてきました。
今回の研究では、実験参加者に対して「できるだけ何も考えないように」という教示を与えることでMBの生起率が増えることを見出し、MB中には言語を司るブローカ野と、記憶に関わりマインドワンダリングの責任領域の1つである海馬の活動が減少していることを発見しました。
この結果はMBにおいて内的な言語生成 (内言) が行われていない可能性を示唆し、こころが「無言」になることで「何も考えてない状態」がつくり出される、あるいは本人がそう認識することが明らかになりました。展望としては、例えばうつ病における反芻思考の抑制などにMBが応用できる可能性が挙げられます。
今回の研究では、実験参加者に対して「できるだけ何も考えないように」という教示を与えることでMBの生起率が増えることを見出し、MB中には言語を司るブローカ野と、記憶に関わりマインドワンダリングの責任領域の1つである海馬の活動が減少していることを発見しました。
この結果はMBにおいて内的な言語生成 (内言) が行われていない可能性を示唆し、こころが「無言」になることで「何も考えてない状態」がつくり出される、あるいは本人がそう認識することが明らかになりました。展望としては、例えばうつ病における反芻思考の抑制などにMBが応用できる可能性が挙げられます。
掲載情報
タイトル |
The neural correlates of “mind blanking”: When the mind goes away |
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著者 | Toshikazu Kawagoe, Keiichi Onoda, Shuhei Yamaguchi |
誌名 | Human Brain Mapping |