2019/07/01 (MON)

図書館の日本軍政期インドネシア史料展にインドネシア大使が来訪

キーワード:グローバル

OBJECTIVE.

6月21日(金)から29日(土)の期間で、 立教大学池袋図書館において「日本軍政期インドネシア史料展」が開催されました。開催初日にはアリフィン・タスリフ駐日インドネシア共和国特命全権大使が訪れ、史料展を見学しました。

本史料展は、日本軍政期インドネシア史料展実行委員会の主催で、在日インドネシア共和国大使館、立教大学図書館等が共催したもので、昨年8月に日本・インドネシア国交樹立60周年記念行事の一環として、インドネシアで開催された史料展「日本軍政期インドネシア史料展-銃と桜の間で-」(インドネシア文化総局主催)を日本でも紹介できることになり、今回開催されました。

インドネシア国立図書館、オランダの戦争資料研究所などの所蔵史料に加え、新たに日本側の関係者および研究者が史料を提供し、第二次大戦中日本軍が占領統治していた時期の歴史資料のなかで、とりわけ文化工作に使われたポスター、出版物、漫画、写真などや、あるいは軍や政府の思惑とは無関係に、その時期現地にいた日本人個々人が作成した絵、写真などが集められました。

開催初日の6月21日にはアリフィン・タスリフ駐日インドネシア共和国特命全権大使が来訪され、ご挨拶では史料展開催に対する御礼と、歴史を学ぶことの重要性を人々に知ってもらうことについての期待について述べられました(ご挨拶の全文は末尾に記載)。また、中村 百合子 図書館長(学校・社会教育講座司書課程主任、文学部教授)からは、開催に尽力された本史料展実行委員会委員長の倉沢 愛子 慶應義塾大学名誉教授への感謝と、図書館でこの史料展を開催できることはたいへん光栄ですとの挨拶がありました。

開催概要

(左から)中村館長、郭洋春総長、倉沢慶應義塾大学名誉教授、アリフィン・タスリフ大使

イベント名:日本軍政期インドネシア史料展
日程:2019年6月21日(金)~29日(土)
主催:日本軍政期インドネシア史料展実行委員会
共催:インドネシア共和国文化総局、在日インドネシア共和国大使館、独立行政法人国際交流基金アジアセンター、立教大学アジア地域研究所、立教大学図書館
会場:立教大学池袋図書館(地階、1-2階)
内容:
2018年8月にジャカルタで、日本インドネシア国交樹立60周年記念行事のひとつとして、インドネシア政府教育文化省文化総局主催の史料展「日本軍政期インドネシア史料展—銃と桜の間で—」が開催されました。たいへん多くの方が足を運び、大きな反響がありました。その後日本でも開催したいという声が上がり、その実施のために日本側のインドネシア研究者を中心とする有志による実行委員会が組織され、多方面の協力と国際交流基金からの資金提供を得てこのたび実施の運びとなりました。この展覧会は、第二次大戦中日本軍が占領統治していた時期の歴史資料のなかで、とりわけ文化工作に使われたポスター、出版物、漫画、写真などや、あるいは軍や政府の思惑とは無関係に、その時期現地にいた日本人個々人が作成した絵、写真などを集めたものです。軍政と言えば銃を突き付けて強硬な統治が行われたものと連想しがちですが、日本占領を多面的に見ようということで、自らも歴史家として知られるインドネシア政府文化総局長Hilmar Farid氏の肝いりで実現しました。
今回の展示物は、インドネシア国立博物館、オランダの戦争資料研究所などに所蔵されていたものを中心に、日本側の関係者が提供したものを一部加えています。日本ではこれまで目にすることがなかった珍しい資料も数多く含まれています。さらに日本で復刻し一般に販売されている資料も展示していますので、ぜひ手にとってご覧ください。

展示物の一部

大使御一行

ご挨拶

Message

駐日インドネシア共和国特命全権大使
アリフィン・タスリフ 氏

このような史料展が実現し、ここに開会を宣言できることを大変うれしく思います。歴史は非常に重要です。若い世代は歴史を大切にし、語り継いでいかねばなりません。特に日本とインドネシアの関係者は大切です。日本のインドネシア研究は非常に発展しており、たとえば倉沢愛子教授は日本インドネシア関係、特に1942年から45年までの歴史を詳しく研究しておられます。その素晴らしい点は一次史料をたくさん使っておられるということです。ここに展示したのは、そのような第一次史料です。
インドネシアが日本との友好を大切にしているということは、インドネシアでの日本軍の関与に関して「殖民地支配」という言葉を使わず、「軍事占領」と表現していることからもわかると思います。この史料展が、歴史を学ぶことの重要性を人々に知らしめる良い機会になればと思います。

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