2015/07/23 (THU)
現代心理学部の小口孝司教授らが国際会議 "The 5th Advances in Hospitality & Tourism Marketing and Management (AHTMM) Conference" にて The Best Paper Award を受賞
キーワード:研究活動
OBJECTIVE.
2015年6月18日から21日まで大分県別府市で開催された国際会議 ”The 5th Advances in Hospitality & Tourism Marketing and Management (AHTMM) Conference” にて、小口孝司現代心理学部教授、現代心理学研究科修士修了の阿部佳奈子さん、リサーチ・アシスタントの菅井芳名子さんが The Best Paper Award を受賞しました。本会議は、国際学術雑誌 “Journal of Hospitality Marketing & Management” を発行している国際学会 AHTMM の主催により毎年開催されており、投稿論文151件のうち最も優れた論文発表4本に The Best Paper Award が授与されました。
小口孝司教授(左)
今回受賞した論文のタイトルは、"Giving confectionary souvenirs and taking pictures make tourists happy" です。これは、小口教授が研究代表者である文部科学省科学研究費基盤研究(B)「メンタルヘルスツーリズムの展開」の下に行われている研究の一部です。同研究課題は、「旅行や観光を用いた精神的健康の維持・向上」を図ることをテーマとしており、今回の研究もその一端として実施されました。
観光や旅行に行くと、ストレスが低減されたり、気分が明るくなったりしますが、それが日常に戻ると元に戻ってしまうことが多くの研究で知られています。旅行の効果は長いものでも3週間で消失してしまうようです。しかし、3週間に1度旅行に行くというのもままならないのが現実です。そのため、旅行の効果を持続させるために有効な方略を明らかにすることが一つの課題となります。小口教授たちが以前大学生を対象に行った研究では、お土産(特にお菓子)を買って配ることが有効であることが示唆されました。そこで、今回はインターネット調査を用いて、日本人成人一般においてもお土産の効果が見られるかを検討しました。その結果、お土産の効果が確認されると同時に、写真もストレス低減や気分の向上に有効であることが示されました。こうした効果の背景には自分の過去の出来事を振り返る自伝的記憶の要因、お土産を配るときの自己開示(自分のことを他者に話すこと)、他者からの援助であるソーシャルサポートといった心理学的な要因が大きく関わっている可能性を考察しました。
観光や旅行に行くと、ストレスが低減されたり、気分が明るくなったりしますが、それが日常に戻ると元に戻ってしまうことが多くの研究で知られています。旅行の効果は長いものでも3週間で消失してしまうようです。しかし、3週間に1度旅行に行くというのもままならないのが現実です。そのため、旅行の効果を持続させるために有効な方略を明らかにすることが一つの課題となります。小口教授たちが以前大学生を対象に行った研究では、お土産(特にお菓子)を買って配ることが有効であることが示唆されました。そこで、今回はインターネット調査を用いて、日本人成人一般においてもお土産の効果が見られるかを検討しました。その結果、お土産の効果が確認されると同時に、写真もストレス低減や気分の向上に有効であることが示されました。こうした効果の背景には自分の過去の出来事を振り返る自伝的記憶の要因、お土産を配るときの自己開示(自分のことを他者に話すこと)、他者からの援助であるソーシャルサポートといった心理学的な要因が大きく関わっている可能性を考察しました。
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COMMENT
現代心理学部心理学科
小口孝司 教授
共同研究者の阿部さん・菅井さんを代表して、堀耕治現代心理学部長をはじめとした、同僚の教員・職員の皆さま、そして現代心理学部、現代心理学研究科の学生の皆さまのご理解・ご協力のおかげで賞をいただくことができました。特に今年度は、研究休暇をいただけたおかげで、前期中に2回も国際会議に出席することができました。このような僥倖はもう二度とないと思いますが、研究休暇中の校務を負担していただいている大石幸二心理学科長をはじめとする学科の先生方に深く感謝いたします。また、今後はしばらく海外での研究生活が続く予定のため、先生方のみならず、私が卒論指導を担当している21名の学生の皆さんや3名の院生の皆さんにもご迷惑をおかけしてしまいますが、「研究」休暇ということでご寛恕いただければ幸いです。
心理学の基礎研究に裏打ちされた応用研究を、海外の研究者に高く評価していただけたのは、学際的応用研究を志向している私としては望外の喜びです。今後はこうした研究を一層発展させるべく、学内外の多くの研究者の方々と協働させていただきながら、社会に還元できるような研究・活動に励んで参りたいと存じます。