OBJECTIVE.
観光学部交流文化学科の門田岳久助教が、著書『巡礼ツーリズムの民族誌—消費される宗教経験』(森話社、2013年2月刊)により、2014年度日本宗教学会賞を受賞しました。
日本宗教学会賞は、宗教の学的研究を振興するために1966年に設置されました。同賞は40歳以下の宗教学研究者を対象に、原則として毎年1人に対して授与されます。
学会賞選考委員会報告によると、同書で門田助教は、現代日本において「宗教的実践も『消費される宗教経験』となってしまうことを克明に分析し」ながら、「市場経済や消費行動といった世俗との相互作用のなかで宗教を再考し、既存の宗教的概念では把捉できないような内実を明らかにしようと」試みた一方、「一見商業主義的でない商品形態を装いながら、巡礼経験者に『聖なる意味』や『自己アイデンティティー』を供給しているかに見える巡礼ツーリズムのあり方を解き明かし」ました。
その上で、同書は「宗教について学問的に語るとはどのようなことであるのかという本質な問いに迫っており、今後こうした議論を進める上での一つのモデルケースになり得る」との高い評価を得ました。
授賞式は9月12日~14日、同志社大学で催された日本宗教学会第73回学術大会の中で執り行われました。
学会賞選考委員会報告によると、同書で門田助教は、現代日本において「宗教的実践も『消費される宗教経験』となってしまうことを克明に分析し」ながら、「市場経済や消費行動といった世俗との相互作用のなかで宗教を再考し、既存の宗教的概念では把捉できないような内実を明らかにしようと」試みた一方、「一見商業主義的でない商品形態を装いながら、巡礼経験者に『聖なる意味』や『自己アイデンティティー』を供給しているかに見える巡礼ツーリズムのあり方を解き明かし」ました。
その上で、同書は「宗教について学問的に語るとはどのようなことであるのかという本質な問いに迫っており、今後こうした議論を進める上での一つのモデルケースになり得る」との高い評価を得ました。
授賞式は9月12日~14日、同志社大学で催された日本宗教学会第73回学術大会の中で執り行われました。
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観光学部交流文化学科
門田岳久 助教
本書は文化人類学・民俗学の観点から、現代日本における宗教現象の一例として四国や沖縄における巡礼ツーリズムを取り上げました。伝統的な聖地巡礼が、観光と組み合わさることで現代的にアレンジされたものをこう称しています。それを「普通の人びと」が携わる宗教的実践として、また多様化する観光現象の一端として描いた本書は、これまで別個に行われてきた宗教研究と観光研究を統合したような内容です。こうした「異端」とも言える内容が日本宗教学会からご評価いただいたことは大変うれしく思います。感謝とともに、学際的な宗教研究の発展に今後も尽力していく所存です。
本書のもとになった内容は2010年に東京大学へ提出した博士学位論文ですが、観光学部へ赴任した後に改稿し、2012年度立教大学出版助成を頂いて刊行されました。出版事情が年々厳しくなる中、専門書を世に問うことができるこうした制度は年々貴重になっています。併せて感謝申し上げます。