公開講演会「「グローバル・クリスチャニティ」における市民的・国民的・宗教的アイデンティティの形成とその記憶」

INFORMATION

  • 2026年9月29日(火)17:30~20:00
  • ハイブリッド型開催(対面・オンライン)
    池袋キャンパス 本館2階 1201教室

二人の登壇者による事例研究を提示したうえで、グローバル・ヒストリーの視点から見たキリスト教徒の市民参加と宗教的アイデンティティ形成について考える。

講師

オックスフォード宣教研究センター教員
マリーナ・ングルサンゼリ・ベヘラ(Marina Ngursangzeli Behera) 氏

神学博士。現在、オックスフォード宣教研究センター(OCMS)の教員および博士課程研究リーダーを務めるとともに、査読付き学術誌Transformationの編集者も務めている。インド北東部ミゾラム州出身の同氏は、アジア、スイス、英国を舞台に、教育、研究、学術的リーダーシップの分野で25年以上にわたる国際的な経験を有す。2005年から2012年まで、インドのバンガロールにあるユナイテッド・セオロジカル・カレッジ(UTC)のキリスト教史学科にて准教授および学科長を務め、また2012年9月から2016年7月までは、世界教会協議会(WCC)のプログラムとしてジュネーブ大学に付設されているボッセ・エキュメニカル研究所にて教授としてエキュメニカル宣教学の講座を担当した。エキュメニカル宣教神学、先住民の認識論、グローバル・クリスチャニティを専門とし、国際会議の主催や数多くの出版活動を行うほか、大学院(修士・博士課程)レベルでの論文指導や、多様かつエキュメニカルな環境における文脈化神学の教育形成にも尽力している。業績には、(共著)Witnessing to Christ in North East India(Regnum Books, 2016)や(編著)Interfaith Relations after One Hundred Years(Regnum Books, 2011)などがある。

神学者
ミヒャエル・ビール(Michael Biehl) 氏

宣教論、エキュメニズム、および「グローバル・クリスチャニティ」を専門とするルーテル派の神学者。キールとパリで神学を、シカゴ大学で宗教学を学び、神学博士号を修得。その著作は、多宗教社会におけるキリスト教の証し、異文化間神学、宗教間対話、「グローバル・クリスチャニティ」、そして宣教、植民地主義と近代の歴史的関係を扱い、キリスト教共同体が変化し続ける社会の中で、宗教的多元性、文化的多様性、そして対立を孕んだ歴史的記憶とどう向き合うかという点に注目する。同氏は、ドイツの福音祝儀宣教局(Evangelische Mission Weltweit)にて神学・エキュメニカル神学教育担当の事務局長を務めた。退任後も、教育活動を続けている。業績には、(共著)Witnessing to Christ in North East India(Regnum Books, 2016)や(共著)Witnessing Christ: Contextual and Interconfessional Perspectives on Christology(Kohlhammer, 2020)がある。

詳細情報

名称

公開講演会「「グローバル・クリスチャニティ」における市民的・国民的・宗教的アイデンティティの形成とその記憶」

内容

・ミゾのキリスト教とヒンドゥットヴァ国家における市民権の課題:マリーナ・ングルサンゼリ・ベヘラ氏
キリスト教徒が多数を占めるインドの先住民族のミゾ族は、宗教的アイデンティティ、市民としての権利、そしてインド国民をヒンドゥー教徒と同一視する傾向が強まるヒンドゥトヴァ・ナショナリズムによる圧力という、複雑な交錯の中で生き抜いている。本講演では、ミゾ・キリスト教神学に根ざした天上の市民権という概念が、ミゾ族が民主主義社会の中で責任ある行動を取りながら、ナショナリズムの制約を超越する独自のアイデンティティを維持する力を与えていると論じる。民族誌的知見と神学的分析を通して、ミゾ・キリスト教徒が信仰を市民参加の基盤として、またヒンドゥー中心主義的なナショナリズムへの同化に抵抗する手段としてどのように活用しているかを探る。この事例研究は、キリスト教、ナショナリズム、民主主義の交錯に関する議論に貢献し、排他的なナショナリズムに対抗する信仰に基づくアイデンティティの可能性について確固たる視点を提供する。

・戦後ドイツの文化的記憶におけるナチス時代の宣教活動:ミヒャエル・ビール氏
本講演では、ドイツにおけるプロテスタント宣教運動が、国家社会主義時代における自らの役割をどのように記憶・解釈してきたか、そしてそれらの解釈がいかにしてドイツのより広範な「記憶の文化」の一部となっていったかについて考察する。戦後における宣教運動の語り(ナラティブ)は、国家社会主義を世俗的で神を忘却した文化の表れとみなす神学的な解釈によって形成された。こうした自己認識において宣教団体は自らを、福音への忠実さを保つことで同体制のイデオロギー的な誘惑に静かに耐え抜いた共同体として位置づけていた。しかしポストコロニアル批判の台頭に伴い、宣教機関と植民地主義との絡み合いが分析されるようになった。この視点に立てば、ナチス体制の人種イデオロギーは、宣教活動におけるイメージ形成に長らく影響を及ぼしてきた植民地主義的パターンの極端な変種ではあるものの、その本質において異質なものではないと解釈し得る。

対象者

本学学生、教職員、校友、一般

申し込み

  • 事前申し込み 不要
  • 参加費 無料

主催

キリスト教学研究科

共催

文学部キリスト教学科、キリスト教学会

お問い合わせ

キリスト教学研究科教育研究コーディネーター

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