第62回社会福祉のフロンティア「やまゆり園事件から10年、障害者の自立生活を再び考える——ドキュメンタリー映画『風は生きよという』上映会」
INFORMATION
2016年7月に発生した津久井やまゆり園事件から、10年が経過しようとしている。当時の戦慄の記憶も薄れつつある今、社会が障害者福祉に向ける関心は維持されているだろうか。そうした危惧を前提に、この講演会では人工呼吸器を使いながら地域で生活する人々を描いたドキュメンタリー映画『風は生きよという』(2016年劇場公開)を上映する。また、この映画の監督と福祉社会学の専門家を登壇者に迎え、講演と参加者を交えたディスカッションの機会を設ける。それらによって重度障害者の自立生活の実際を知ることで、参加者は津久井やまゆり園事件が提起した障害者の包摂という社会的課題に再び向き合うことになる。
講師
映像作家、『風は生きよという』監督
宍戸 大裕(ししど だいすけ) 氏
学生時代、東京の自然豊かな山、高尾山へのトンネル開発とそれに反対する地元の人びとを描いたドキュメンタリー映画『高尾山二十四年目の記憶』(2008年)を製作。劇場公開した監督作には、『風は生きよという』のほか、東日本大震災で被災した動物たちと人びとの1年8カ月を見つめた『犬と猫と人間と2 動物たちの大震災』(2013年公開)、自閉症と知的障害のある人が介助者と地域で暮らすさまを映しだす『道草』(2019年公開)、難病ALSに向き合いつつ生きる人々の3年半を描いた『杳(はる)かなる』(2024年公開)がある。
日本栄養大学教授、本学社会福祉研究所特任研究員
深田 耕一郎(ふかだ こういちろう) 氏
専門は社会的養護、障害者介助、自立生活運動。主な著作に『福祉と贈与──全身性障害者・新田勲と介護者たち』(2013年生活書院刊)、「ソーシャルワークにおける援助関係・再考──青い芝の会の友敵理論から」(『いま、ソーシャルワークに問う』所収、2023年生活書院刊)、「障害者運動と社会学──コミュニティとアソシエーションの最適解、あるいは解放と技法の弁証法」(『講座社会学第8巻医療・ケア・障害』所収、2025年岩波書店刊)などがある。