公開講演会「これからのキリスト教思想史・霊性史研究について考える:金子晴勇が拓いた研究の道をどう語り、受け継ぐか」
INFORMATION
日本におけるキリスト教思想史研究の歴史を振り返ると、本学はとりわけアウグスティヌス、ルター研究において重要な研究拠点となっていたことがわかる。その際に注目すべきことは一般教育部所属教員の活躍である。これは、「キリスト教に基づく人格の陶冶」を教育理念に掲げている本学が、かつて一般教育部における正課授業として「キリスト教倫理」を必修とし、そのために、キリスト教正課教育を担う専任教員を手厚く配置していたという事情が深く関わっていると言える。一般教育部の使命は今日では全カリ(全学共通カリキュラム運営センター)へと発展的に解消されたが、今年設立80周年を迎えるキリスト教学科のこれまでの、そして、これからの歩みを語る上で、ともに本学のキリスト教正課教育を担ってきた一般教育部とその所属教員の存在は欠かすことのできないものである。
以上の問題理解に基づき、本講演会では、かつての一般教育部所属教員の中でも、『ルターの人間学』(創文社、1975年:第66回日本学士院賞受賞)を著し、また、『アウグスティヌス著作集』(教文館、1979年−2023年)の責任編集を全うするほか、著書・訳書において圧倒的に傑出した業績で知られる金子晴勇(1923年−2026年4月5日逝去)に着眼する。本講演会では金子晴勇のキリスト教思想史研究において一貫して主要な問題関心が向けられたアウグスティヌス、ルター研究、そして、キリスト教思想史研究と連動してキリスト教人間学の観点も交えて深耕された霊性史研究における重要な業績を手がかりにして、登壇者たちが、これからのキリスト教思想史、霊性史研究のあり方について、金子晴勇が重視した「対話」形式で応答的に提題する。
講師
中央大学文学部教授
出村 和彦(でむら かずひこ) 氏
最終学歴・学位:東京都立大学人文科学研究科哲学専攻博士単位取得満期退学・文学修士
主要業績:著作『アウグスティヌス:「心」の哲学者』(岩波書店、2017年)。訳書『アウグスティヌス 倫理論集』[金子晴勇ほか責任編集 アウグスティヌス著作集第二七巻](教文館、2003年)。そのほか業績多数。
本学兼任講師、早稲田大学ほか非常勤講師
若松 功一郎(わかまつ こういちろう) 氏
最終学歴・学位:早稲田大学大学院文学研究科人文科学専攻哲学コース博士後期課程修了・博士(文学・早稲田大学)
主要業績:著作『マイスター・エックハルトの知性論:トマス主義と新プラトン主義のはざまで』(春風社、2026年)。訳書『ベンゲル 神の現在:告白と証言』[金子晴勇責任編集 ドイツ敬虔主義著作集第5巻](ヨベル、近刊)。
そのほか業績多数。
日本ホーリネス教団小金井福音キリスト教会・相模原キリスト教会牧師、東京聖書学院講師
濱 和弘(はま かずひろ) 氏
最終学歴・学位:立教大学大学院キリスト教学研究科博士課程前期課程修了・修士(神学・立教大学)、博士(牧会学・アジア神学大学院)
主要業績:著作『傘の神学Ⅰ 普遍啓示論 そこに立ち現れる神傘の神学Ⅰ』(ヨベル、2024年)、『傘の神学II 特殊啓示論 隠れた神からの語りかけ』(ヨベル、2025年)。そのほか業績多数。
本学文学部キリスト教学科教授
阿部 善彦(あべ よしひこ)
最終学歴・学位:上智大学大学院哲学研究科博士後期課程修了・博士(哲学・上智大学)
主要業績:著作『テオーシス〈新装版〉─東方・西方教会における人間神化思想の伝統』(田島照久と共編著、教友社、2024年)。訳書『マイスター・エックハルト 教導講話』[金子晴勇責任編集 不朽のキリスト教古典叢書シリーズ](ヨベル、2025年)。そのほか業績多数。