公開講演会「分断の時代に、私たちはどう共に生きるのか〜アジアの紛争地域から考える」
INFORMATION
近年、各地で民族・宗教・国家をめぐる分断や紛争が続いており、人々の間で他者への想像力や対話の土壌が失われつつある。特にアジア地域では慢性的な紛争が継続し、抑圧的な状況に置かれる地域も散見される。本企画では、その代表的な事例の一つであるチッタゴン丘陵地帯(CHT)の当事者、研究者、NGOが集い、「分断が深まる時代に、暴力に頼らない未来をどう支え続けるか」を共に考える場をつくる。
アジア紛争の構造的理解と当事者の語りを通じて、分断や暴力について考える機会を提示し、これまでの取り組みや現場で垣間見えるその限界をそれぞれの領域から議論する。アジアの慢性的紛争や分断において、日本社会がどのような役割を担いうるかという問いに対し、紛争地で活動するリーダーによる越境的な学びの可能性や、NGOなどの市民社会がとるべき役割について探求する。
講師
ジュマ・ネット事務局長
稲川 望 氏
静岡文化芸術大学修士号取得。2021年より、バングラデシュ、チッタゴン丘陵地帯の平和促進活動を目的に設立されたジュマ・ネットの事務局長を務める。紛争被害児童の教育支援活動や活動家のネットワーク構築等の活動を行っている。
ジュマ・ネットリサーチフェロー
Reng Young Mro 氏
チッタゴン丘陵地帯バンダルバン県出身。当地域に暮らす先住民族の一つであるムロ族のルーツを持つ。10年以上にわたる少数民族政党の学生支部での活動と並行して、ダッカで研究員として従事した経験も持つ。現在はジュマ・ネットのリサーチャーとして、チッタゴン丘陵地帯と国際社会との橋渡しを担う。
大阪大学名誉教授
松野 明久 氏
専門は国際政治学、紛争研究。インドネシアへの留学、オランダ、ポルトガルでの研究滞在の他、国連東ティモール派遣団(住民投票)、東ティモール受容真実和解委員会の実務を経験。大阪外国語大学を経て、大阪大学大学院国際公共政策研究科に勤務。東ティモールとインドネシアを主なフィールドとし、西サハラ、パレスチナ、フィリピン、タイ深南部などの紛争を研究。研究テーマは、民族自決やポリティサイド(政治集団の大量殺害)など。
通訳
ジュマ・ネット共同代表
トム・エスキルセン 氏
日英ベンガル語同時通訳・翻訳者。日本で生まれ育ち、1993年に「チッタゴン丘陵問題対策会議」の設立に参画、1999年からは「ジュマ協力基金」共同代表を務める。2003年より「ジュマ・ネット」に運営委員として関わり、副代表を経て共同代表に就任。長年にわたり、バングラデシュ・チッタゴン丘陵地帯の先住民族(ジュマ)をめぐる平和構築や人権、難民問題の支援・啓発活動に取り組んでいる。共著に『チッタゴン丘陵地帯白書』(ジュマ・ネット)など。