公開講演会「史料と史料をめぐるネットワーク」

INFORMATION

  • 2026年6月20日(土)13:30~17:30
  • 池袋キャンパス 14号館5階 D501教室

歴史研究は史料を基礎とする。しかし、ある史料がいかにして作成・伝来し、保存・公開されるに至ったかという過程は、必ずしも正面から問われてこなかった。史料は作成・伝来・保存のいずれの段階においても、人と人との関係や制度的枠組みに支えられている。本シンポジウムは、この問いを「史料と史料をめぐるネットワーク」という視角から論じることを目的とする。

第一報告(佐藤雄基)は、鎌倉時代の訴訟文書を素材に、先例の参照や寺社間での史料融通など、水平的な人的関係の中で文書が生成される様相を明らかにする。第二報告(宮﨑肇氏)は、東寺百合文書を中心に、中世から近代にかけて寺院史料がいかに管理・集積され、書写・複製を通じて利活用されてきたかを、書写を専門とする立場から考察する。第三報告(堀井美里氏)は、石川県を事例に、明治以降の史料収集・編纂に携わった人的ネットワークを検討し、震災などの現代的課題も視野に入れながら史料継承の条件を考察する。

三報告を通じ、史料の「生成」「管理・集積」「保存・継承」における人的ネットワークの役割が浮かび上がるであろう。袁甲幸氏(京都大学)は日本近現代史の立場から、藤内哲也氏(鹿児島大学)は西洋史の立場からコメントを行い、全体討論により「史料をめぐるネットワーク」論の構築を目指したい。

講師

本学文学部史学科日本史学専修教授
佐藤 雄基(さとう ゆうき)

東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は日本中世史・古文書学・史学史。主要業績に『御成敗式目鎌倉武士の法と生活』(中央公論新社、2023年)、小澤実・佐藤雄基共編著『史学科の比較史』(勉誠出版、2022年)、『日本中世初期の文書と訴訟』(山川出版社、2012年)など。

東京大学史料編纂所史料保存技術室(影写)特任研究員
宮﨑 肇(みやざき はじめ) 氏

早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は日本中世史・文字文化史。主要業績に「歴史的文字分析の視点をめぐって」(高田智和ほか編『漢字字体史研究 二』勉誠出版、2016年)、「年行事と案文」(東寺文書研究会編『東寺文書と中世の諸相』思文閣出版、2011年)など。

合同会社AMANE業務執行社員
堀井 美里(ほりい みさと) 氏

金沢大学大学院社会環境科学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。専門は日本近世史・人文情報学。主要業績に「幕末期の日本海海運業者と政治情報活動」(見瀬和雄編『中近世日本海沿岸地域の史的展開』岩田書院、2024年)、「町・村の変容と近代への胎動」(『新修小松市史』第19巻通史編Ⅰ、2022年)など。

京都大学人文科学研究所准教授
袁 甲幸(えん こうこう) 氏

早稲田大学大学院文学研究科日本史学コース博士課程修了。博士(文学)。専門は日本近現代史(自治制度・地方行政・天皇制と国家褒賞)。主要業績に『日本近代国家の形成と府県』(吉川弘文館、2026年)、「明治前期の府県庁『会議』」(『史学雑誌』129巻2号、2020年)など。

鹿児島大学学術研究院法文教育学域法文学系教授
藤内 哲也(とうない てつや) 氏

京都大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は西洋史・中近世イタリア史・ヴェネツィア史。主要業績にR・カリマーニ『ヴェニスのユダヤ人』(監訳、名古屋大学出版会、2024年)、F・トリヴェッラート『異文化間交易とディアスポラ』(共訳、知泉書館、2019年)、『近世ヴェネツィアの権力と社会』(昭和堂、2005年)など。

詳細情報

名称

公開講演会「史料と史料をめぐるネットワーク」

内容

【プログラム】
13:30~13:45 司会、趣旨説明:寺尾美保(本学文学部史学科日本史学専修特任准教授)
13:50~14:20 鎌倉時代における訴訟文書の成立と「つながり」:佐藤雄基
14:25~14:55 書写活動から見た寺院史料の集積:宮﨑肇氏
15:00~15:30 変容する地域社会と史料継承のネットワーク:堀井美里氏
15:30~15:50 休憩
15:50~16:20 コメント:袁甲幸氏、藤内哲也氏
16:20~17:30 総合討論

対象者

本学学生、教職員、校友、一般

申し込み

  • 事前申し込み 不要
  • 参加費 無料

主催

文学部史学科

共催

立教大学史学会、東京大学史料編纂所史料学協創センター(予定)

お問い合わせ

文学部史学科日本史学専修特任准教授
寺尾 美保

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