公開講演会「ライフストーリー研究は面白い——フィールドワークの経験から」
INFORMATION
桜井厚氏の調査・研究は、大学院生時代に日本におけるライフヒストリー研究の嚆矢である中野卓氏による『口述の生活史——或る女の愛と呪いの日本近代』(1977年)のきっかけとなった調査に、一調査員として関わったことから始まる。長年にわたって被差別部落を訪ね歩き、そこで出会った人々のライフを描き出すとともに、自らの経験に根ざして調査方法論を深めてきた。2002年に出版した『インタビューの社会学——ライフストーリーの聞き方』では対話的構築主義を提唱し、質的調査の必読文献として社会学に留まらず様々な領域の研究者に影響を与えている。また、生活史研究会の設立(1981年)や、日本オーラル・ヒストリー学会の創設(2003年)にも尽力。2006年に本学社会学部に着任し、2012年からは東日本大震災のフィールドワークを指導した。
本学を2013年に退職後、山梨県北杜市を拠点に一般社団法人日本ライフストーリー研究所を設立した。初学者向けの講座や研究会の開催、紀要の発行などを通して、ライフストーリー研究の裾野を広げている。2025年12月には研究所員とともに論文集『ライフストーリー研究の鍵となる〈私〉——「対話的構築法」の調査研究実践』を刊行。本書では対話的構築法による調査手法の開発へと力点を移し、現在も自身の研究を更新し続けている。
このように半世紀近くにわたって精力的に調査・研究に取り組んでいる桜井氏だが、その原点はどこにあるのか。また、現在に至るまで調査・研究をやめずに続けているのはなぜか。どのようにして継続してきたのか。単なるライフストーリー研究の解説に留まらず、桜井氏自身の人生・生き方にも触れながら、社会学・ライフストーリー研究の魅力をざっくばらんに語っていただく。また、社会学・ライフストーリー研究・フィールドワークから得たことや、学部生や大学院生に伝えたいことについても伺う。
講師
一般社団法人日本ライフストーリー研究所代表
桜井 厚(さくらい あつし) 氏
元・本学教授。専門は社会学、ライフストーリー研究、差別論。著書に『インタビューの社会学』(2002年)、『境界文化のライフストーリー』(2005年)、『ライフストーリー論』(2012年)、編著・共編著に『ライフヒストリーの社会学』(1995年)、『フィールドワークの経験』(1999年)、『屠場文化』(2001年)、『ライフストーリー・インタビュー』(2005年)、『ライフストーリー研究に何ができるか』(2015年)、『ライフストーリー研究の鍵となる〈私〉』(日本ライフストーリー研究所、2025年)等、多数。
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