公開講演会「『帰る場所』をめぐって——映画『僕の帰る場所』とミャンマー、そして国際ボランティア」
INFORMATION
本企画では、映画『僕の帰る場所/Passage of Life』の上映にあわせ、監督の藤元明緒氏と、ミャンマー研究の第一人者である上智大学名誉教授の根本敬氏を招き、対談を行う。
本作は、日本で暮らすミャンマー出身の家族の日常を描きながら、移民・難民として生きる人びとが直面する「居場所」「家族」「将来選択」の問題を、静かに、しかし切実に映し出す劇映画である。制度や支援を直接的に描く作品ではないが、その背景には、国外流出を余儀なくされてきた人びとの歴史や、受入社会との関係性が横たわっている。
対談では、藤元監督から制作過程について話をうかがうとともに、根本教授からミャンマーの政治状況や民族問題を踏まえ、なぜ人びとが国境を越えざるを得なかったのかという構造的背景について解説いただく。
あわせて本対談では、国際ボランティアや市民による支援活動が、こうした人びとの生活とどのように関わりうるのか、また、支援する/されるという関係を超えて、共に生きる社会を構想するために何が求められるのかについても議論する。映画を媒介とし、現場感覚・研究知・市民的実践を往復しながら、国際ボランティアの意義と限界をあらためて考える機会としたい。
講師
映画監督
藤元 明緒 氏
日本とミャンマーを往還しながら、移民・難民、境界を越えて生きる人びとの日常を主題とする映像制作に取り組む。長編劇映画『僕の帰る場所/Passage of Life』では、日本で暮らすミャンマー出身家族の生活を丁寧に描き、東京国際映画祭をはじめ国内外で高い評価を受けた。ドキュメンタリーとフィクションの手法を横断し、当事者との協働を重視した表現を特徴とする。
上智大学名誉教授
根本 敬 氏
ミャンマー(ビルマ)近現代史研究の第一人者。長年にわたり史資料研究を重ねてきた。日本におけるミャンマー研究を牽引するとともに、現代政治・人道状況について積極的に発信を続けている。